国連開発計画（UNDP） 駐日代表事務所
ニュースレター13号（2013年1月18日発刊）
特集「第５回アフリカ開発会議（TICAD V）に向けて」

UNDP駐日代表事務所が定期的に発刊するニュースレターです。世界の開発現場でのUNDPの活動や日本とのパートナーシップ、日本政府拠出によるUNDPの開発プロジェクト、日本人職員の活躍ぶりなどを紹介していきます。２０１３年６月に横浜市で第５回アフリカ開発会議（TICAD V）をUNDPが共催することを受け、今月から６月まではTICADやUNDPのアフリカでの活動を中心に紹介していきます。

アフリカとともに確かな繁栄を築く：TICAD Vに向けて

2013年6月1日から3日まで横浜市で第5回アフリカ開発会議（TICAD V）が開催されます。アフリカ開発会議（以下TICAD）は5年ごとに開催されてきましたので、第5回の会議は1993年にTICADが始まって20年の節目となります。TICADはこの間、アフリカ支援の重要性について国際社会の認識を高めるだけでなく、アフリカ開発に非常に重要な視点や指針を提供してきました。これまでに開催されたTICADの宣言や行動計画を見れば、経済成長を通じた貧困削減、人づくり、ミレニアム開発目標（MDGs）、人間の安全保障、平和構築、気候変動への対応等々、TICADがその時々の開発課題を「先取り」し、フォローしてきたことが分かります（続きは こちら から）。

UNDP職員リレーエッセイ「開発現場から」　UNDPザンビア事務所　清水麻衣子さん

はじめまして。UNDPザンビア事務所の清水麻衣子です。私は2011年から同事務所のガバナンス・ユニットでプログラム・アナリストとして働いています。国際協力の仕事に興味をもったのは、進路を考えていた高校生の頃、国連カンボジア暫定統治機構（UNTAC）で日本人国連職員や国連ボランティア（UNV）の方々が紛争後の選挙管理支援で活躍されている様子をテレビで見てからです。大学を卒業後、民間企業で働いていましたが、新聞でNGOが選挙監視員を募集しているのを知り、パキスタン、カンボジア、インドネシア、台湾の選挙監視と選挙監視ミッションの現地コーディネートを行いました。その後、修士で平和と紛争解決を専攻し、東ティモールの日本大使館で経済・経済協力の仕事に従事した後、現在に至ります（続きは こちら から）。

アフリカにおけるUNDPの活動

サハラ以南アフリカは過去10年間にわたり、目覚ましい成長率、ガバナンスの改善、基本的な社会サービスへの的を絞った投資によって、ミレニアム開発目標（MDGs）のいくつかについて著しい進捗をしました。しかしこれらの取り組みは今後も、不安定な経済情勢、政変と内部紛争、人口増加、若者の雇用、気候変動、食料不安などの困難に直面することになるでしょう。国際連合のグローバルな開発ネットワークであるUNDPは、サハラ以南アフリカでは45か国で活動し、政府やコミュニティが持続可能な人間開発を実現できるようにその能力強化に努めています（続きは こちら から）。

日本政府拠出によるUNDP事業紹介:モザンビーク
コミュニティ開発支援無償によるミレニアムビレッジ・プロジェクト支援

コミュニティ開発支援無償は、2006年に新設された日本政府のODAにおける無償資金協力形態の一つであり、貧困や疾病、生活に不可欠な基本インフラの欠如といった様々な開発課題に直面するコミュニティで実施されるプロジェクトを支援対象としています。複数のコンポーネント（学校、道路、給水等）からなる支援を一つのプログラムとして一体的に実施することで手続きの効率化を図るほか、現地の積極的活用と競争性の向上を通じ、一般プロジェクト無償と比べて大幅なコスト縮減と効率化を目指すものです。国連開発計画（UNDP）はこれまで、アフリカにおける3件のプロジェクトにコミュニティ開発支援無償を受けています（続きは こちら から）。

アフリカ気候変動適応支援プログラム（AAP）について

 アフリカ気候変動適応支援プログラム（AAP）は、2008年にUNDPが、国連工業開発機関（UNIDO）、国連児童基金（UNICEF）、世界食糧計画（WFP）と協力し、日本政府から9210万米ドルの支援を受けて始まりました。AAPは、2008年5月の第4回アフリカ開発会議（TICAD IV）で設立された「アフリカの気候変動対策に関するパートナーシップ構築のための日本とUNDPの共同枠組み」のもとで創設されたものです。AAPは従来の気候変動適応プログラムとは異なり、持続可能な開発との関連の中でより詳細な情報に基づいた適切な活動を決定・実行できる環境づくりに、より戦略的重点を置いています（続きは こちら から）。

ヘレン・クラーク UNDP総裁、紺野美沙子UNDP親善大使が登壇したシンポジウム「アフリカ支援20年の歩みと今後」の抄録が毎日新聞に掲載されました

2012年11月に国連大学で開催されたシンポジウム「アフリカ支援20年の歩みと今後」（国際協力機構主催、外務省、UNDP、世界銀行、毎日新聞共催）の抄録が2013年１月１日の毎日新聞に掲載されました。シンポジウムでは、第1部でUNDPのヘレン・クラーク総裁が「TICAD20年の成果と展望」をテーマに基調講演し、紺野美沙子親善大使が第２部のパネルディスカッション「新たな関係に向けて」にパネリストとして参加しました。毎日新聞の記事は こちら からご覧いただけます。また、当日の基調講演の動画は こちら からご覧いただけます。

UNDPの組織と活動概要 のパンフレットを改訂しました

「ミレニアム開発目標」のパンフレットを改訂しました

UNDP駐日代表事務所が出版する「ミレニアム開発目標（MDGs）」(8ページ）のパンフレットを改訂しました。MDGs、MDGsの進捗、UNDPのMDGs達成に向けての取り組み、MDGsが達成期限を迎える２０１５年以降の「ポスト2015開発アジェンダ」に向けた取り組みなどを分かりやすく紹介しています。パンフレットのPDF（2.69MB）は こちら からダウンロードいただけます。

「UNDPのヨーロッパと中央アジアの開発事例：人々を力づけ、強靭性を構築する」の冊子を発刊しました

「UNDPのヨーロッパと中央アジアの開発事例：人々を力づけ、強靭性を構築する」（57ページ）の日本語版冊子を発刊しました。UNDPが各国政府等と協力しながら、ヨーロッパと中央アジアの国々で行った開発の成功事例を中心に紹介しています。冊子のPDF（6.5MB）は こちら からダウンロードいただけます。

国連ボランティア計画（UNV）新事務局長にリチャード・ディクタス氏が就任

 国連ボランティア計画（UNV）は1月2日、UNV新事務局長としてリチャード・ディクタス氏（オランダ出身）が就任したことを発表しました。ディクタス氏は、5年間の任務を経て昨年末に引退したフラビア・パンシエ－リ氏からUNV事務局長のポストを引き継ぎました。任期は6年です。ディクタス氏は、日本を非常に重要なパートナー国として認識しており、第５回アフリカ開発会議（TICAD V）に先立ち、3月にも来日する意向を示しています（続きは こちら から）。

UNVとTICAD V：ボランティア活動を通じた若者支援の必要性

2013年6月に横浜で開催される第5回アフリカ開発会議（TICAD V）に向けての議論の中で、アフリカの若者に対する支援の必要性が、アフリカ各国の代表者や関係者の多くから指摘されています。アフリカ連合によれば、現在アフリカ大陸の人口約65％が15歳から35歳までの年齢層で、2020年までに、4人のうち3人の平均年齢が20歳になると予想されています。毎年1000万人のアフリカの若者が新しく労働市場に加わっています。この大多数を占める若者たちは、アフリカの平和と発展を推進するためのモチベーションを持ち、そのプロセスに積極的に参加することが求められています（続きは こちら から）。