今年で、創設者の古賀武夫が亡くなって10年。会長の佐藤昭二は、豪快磊落だった人間・古賀武夫を振り返り、「常に前向きで明るかった。熱いものを心に秘めていた」と述懐。「今の若者は心の栄養失調に陥っている」と触れ、本当に必要としている人に支援を届ける重要性を強調しました。
総会では、会を支えていただいている会員様など30人が出席。2017年度の活動報告をするとともに、35年目を迎える2018年度の活動計画案などについても、ご承認いただきました。
来賓でいらっしゃった国会議員さんからも、古賀武夫を懐かしむ声が聞かれました。古賀武夫が提唱した「地球市民運動」を引き継ぎ、さらに発展させていく重要性について、スタッフ一同、あらためて考える機会となった節目の総会でした。
総会後は、設立35周年を記念して、特別講演会を行いました。タイトルを「人口激減時代の日本の選択-外国人受け入れの課題と展望-」を開催しました。
参加者は県内外より50名程度の方にお越しいただきました。
前半は、人口激減の中で外国人材受けいれの重要性について書かれた「限界国家」(朝日新書)の著者であり、日本国際交流センター執行理事であります、毛受敏浩氏が講演。出生率や女性の年齢別人口などから、人口減少が進む実態と、学校の統廃合などの問題について解説。他国の移民政策などを基に、外国人材を日本社会で受け入れる重要性を説かれました。地理的・歴史的な九州や佐賀の位置づけから、地球市民の会に対しても「在住外国人を仲間ととらえる地球市民意識の拡大」など、活動に期待を寄せていただきました。
後半は、佐賀で外国人材を受け入れる企業・団体などが実例を披露。佐賀県介護老人保健施設協会の傍示康久事務局長は、ミャンマーの人材に現地で日本語教育を施し、佐賀の介護施設と西九州大学で介護福祉について学ぶプロジェクトを紹介。江北町のイイダ靴下株式会社・飯田清三会長も、ベトナム人の技能実習生を受け入れる経験から、外国人が働きやすい環境づくりなどを話されました。福岡資麿参議院議員は、国や行政の外国人受け入れ政策についてご紹介いただきました。コメンテーターとして、佐賀新聞社論説副委員長の丸田康循氏から、佐賀県民の外国人に対する意識の課題などについてお話しいただきました。
介護や運送業など、多くの業界が人手不足によって悲鳴を上げる中、佐賀の企業であっても、外国人材を受け入れる時代になってきました。そんな中でも、35年前より「人は誰でん一緒じゃった」との地球市民の理念を標榜してきた当会としても、今後、さらに佐賀・九州の国際化をリードしていく責務を感じたイベントでした。 |