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皓星社メールマガジン 
第七号
2021年12月24日
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このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。

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  目 次

   ★第七号をお届けします

   ☆在野研究者のレファレンスチップス 第七回(小林昌樹)

   ★よめば羊もよってくる 第二回(映画監督 住本尚子)

   ☆趣味の日本近代出版史 第七回(河原努)

   ★ざっさくプラスニュース

   ☆出版ニュース

   ★南陀楼綾繁著『古本マニア採集帖』イベントのお知らせ

   ☆編集後記

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★第七号をお届けします

 

いつも弊社刊行物をご愛読、またデータベースをご愛用いただき誠に有難うございます。皓星社メールマガジン第七号をお届けいたします。

このメルマガでは、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、近代出版研究所の活動報告も配信してまいります。

月1回配信いたします。お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。

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在野研究者のレファレンスチップス

第七回 答えから引く法――頼朝の刀の銘は?

小林昌樹(図書館情報学研究者)

 

自分は西洋史出身のせいか、日本、それも前近代の歴史モノが苦手である。ただ、幸か不幸か、図書館のレファレンスでは、くずし字の読み解きなどは謝絶してよいことになっており、司書でいる限り古文書読解にガチで取り組むようなことはない。
ただし、ふつうに近代活字の世界で対応可能なネタであれば、宇宙のはてだろうが古代エジプトだろうが対応するのが公共図書館のレファレンス・サービス方針で*、困る場合が多いのだが、だからこそ主題専門家ではできない部分もあったりする。職業専門家がいないような知識ジャンルなどは特にそうである。
さて、ある時、「頼朝の刀の銘は?」と聞かれた。ゲーム「刀剣乱舞」(2015年)が流行したからだろう、刀剣についての質問は、以前はほぼなかったのだが、ちらほら出始めるようになっていた。

 

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★よめば羊もよってくる

第二回 あやふやなまなざしを見つめる

映画監督 住本尚子さん

 

今年の6月、雨が降ったり止んだりしている中、自主的に製作した映画『ふゆうするさかいめ』を新人監督として池袋シネマ・ロサで上映した。映画館で上映することはわたしの夢であり、やっと「わたしは表現したいものがある人間なんです!」と多くの人に言えるような気がした。けれど、なんとなく自信が持てないままだ。映画にもその弱さが表れているようで不甲斐なくもあり、でもやってみなければ分からなかったこともあるし……という、第一歩とはこんなにも心細いものなのかと感じていた。
11月、名古屋シネマテークにて映画を上映することとなり、舞台あいさつに向かった。その時にたまたま愛知芸術文化センターで「第 25 回アートフィルム・フェスティバル」が開催されていて、ずっと見てみたいと思っていたストローブ=ユイレの『セザンヌ』(1989年)という映画を観ることができたのだ。

 

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☆趣味の日本近代出版史

第七回 宝文館の編集者(2)――藤村耕一と北村秀雄

河原努(皓星社)

 

■変わった遺稿集

前回、花村奨「対談「少女雑誌編集」」で『令女界』創刊編集長である藤村耕一の名前が拾えたと書いた。国立国会図書館オンラインで検索をかけると『遮莫』(昭和42年、タカダ印刷)という著書が引っかかった。版元が印刷所になっているということは自費出版(私刊本)である可能性が高い。出納してみると、派手な変な本であった。自己顕示欲の高さから他にも本を出している気配を感じて「日本の古本屋」を調べると、『夢のアルバム』(昭和37年)、『谺』(昭和38年)、『現』(昭和46年)の3冊に加え、『彩雲 : 藤村耕一先生遺稿集』(昭和52年)が出品されていた。各三千円前後、とりあえず年譜や自伝を期待して遺稿集だけを取り寄せてみた。これも変わった本であった。

 

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★ざっさくプラスニュース

zoom商談・使い方ガイダンス 承ります】

Zoomを使ったご案内を無料で受け付けております。

ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。画面を共有し、具体的な検索例をご紹介しながら進めますので、その場でのご質問にもお答えできます。周知期間として終了後の一週間程度アクセス数を増やすなど、個別の対応も承っております。1回30分からご予約いただけます。

 

ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。

 

【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】

ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。

 ①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)

 ②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)

 

どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。

詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

【先月からの新規登載情報】

〇独自登載分

 
「犯罪科學」第1巻第1号(1930年6月)~第3巻第16号(1932年12月)
※武侠社の月刊誌で犯罪学、法医学の研究報告を軸に探偵小説、犯罪実話、古今東西の猟奇譚などを混在させた総合雑誌。徳田彦安、後藤朝太郎、岩田準一、丸木砂土らが執筆。不二出版の復刻版総目次から登載、全21冊。
 
「福永武彦研究」創刊号(1996年8月)~第16号(2021年11月)
※福永武彦研究会から継続刊行中の研究誌で、9号から判型を変更。三坂剛、和田能卓、井手香理、近藤圭一、山田篤朗、西田一豊、木下幸太、渡邊啓史、林雅治、青木康彦らが執筆。
 
「トロツキー研究」第1号(1991年11月)~第27号(1998年10月)
※トロツキー研究所の機関誌で、柘植書房→柘植書房新社が発売。ロシアの革命家レフ・トロツキーの思想を紹介。28号からはNDL「雑誌記事索引」に採録されており、雑索欠号補充により全号(73冊)通しての検索が可能に。
 
「蟬」1号(昭和50年7月)~6号(昭和58年7月)
※文治堂書店刊の文芸誌。同社創業者の渡辺文治(谷川清二)の他、天野正男、木村和、桑原千代子、田鍋幸信らが執筆、北川太一が「高村光太郎伝試稿」を連載。6号は文芸書肆・桜井書店創業者の桜井均の追悼号。全6冊。
 
「子どもの本棚」1号(昭和49年6月)~32号(昭和55年10月)
※日本子どもの本研究会編の研究誌(季刊)で、同会編の同名書評誌(月刊)とは別。明治図書出版→日教販が発行。編集委員に鳥越信、小河内芳子、黒沢浩、代田昇、渋谷清視、横谷輝、増村王子、北川幸比古らが名を連ねる。
 
「ラ・スムーズ」第1號(大正14年1月)~第4巻第9號(昭和3年9月)
※白水社が現在も継続刊行中の、フランス語学習とフランス語圏文化に関する月刊誌「ふらんす」の継続前誌。辰野隆、内藤濯、小松耕輔、田島清、町田梓楼、吉江喬松、山田珠樹らが寄稿。

 

…続きはこちらから

 

新規登載情報につきましては、Twitter皓星社ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)でも随時お知らせしております。どうぞご覧ください。

 

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☆出版ニュース

 

【新刊】

古本マニア採集帖

11月30日刊行、定価2,000円(+税)

 南陀楼綾繁著。本を集め、本と遊び、本で調べ、本から本を作る……。その情熱と執着は、どこから生まれてどこへ行くのか?読者の記録」を追いかけてきた著者による、古本マニア36人へのインタビュー集です。「日本の古本屋メールマガジン」人気連載に、新たに書き下ろし原稿を収録。一部書店にて、武藤良子さんの表紙イラストポストカード(2枚組1set)がついた著者サイン本を販売。12月末〜1月には、刊行記念イベントも行います!

 

シリーズ紙礫15 ゴミ探訪』 

11月30日刊行、定価2,000円(+税)

 日比嘉高(名古屋大学教授)、熊谷昭宏(同志社大学非常勤講師)編。新しいものを作り出し、取り入れながら、私たちは常に何かを捨て、排出しています。ゴミは私たちの社会のもう一つの姿といえます。「シリーズ紙礫(かみつぶて)」第15弾は、屑拾い・屑屋ものに始まり、糞尿譚、瓦礫、ゴミ屋敷、核廃棄物に至るまで、人の生活と切っても切り離せない様々な「ゴミ」を探訪する、ゴミ文学アンソロジーです。

 

水俣曼荼羅 製作ノート

12月9日刊行、定価1,800円(+税)

 原一男+疾走プロダクション著。『ゆきゆきて、神軍』から三十余年、原一男監督最新作が公開されました。撮影15年、編集5年を要した、372分の超大作。ドキュメンタリーの鬼才は、なぜ、最高裁で原告団が勝訴した後に「水俣」をテーマにしたのか。6時間という長さはなぜ必要なのか。そして、「奥崎謙三」というヒーローのいない時代のドキュメンタリー映画とは……。原一男の新たな代表作『水俣曼荼羅』の舞台裏に迫ります。書店のほか、上映館でも取り扱い中。

 

【近刊】

田村史朗全歌集

12月27日刊行予定、予価5,000円(+税)

 皓星社編集部編。田村史朗(1918~1958)は福岡県大川市に生まれ、旧制佐賀高校から京大経済学部を繰り上げ卒業・入営。戦後、駿河療養所に入所し、失明しながら自治会長・評議会議長を歴任。「アララギ」によって作歌。本書は田村の全短歌、エッセイと追悼文を収めています。

 

歌誌月光70号

12月27日刊行予定、予価1,000円(+税)

 歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、松野志保の第三歌集『われらの狩りの掟』(2021年4月、ふらんす堂)。著者自選30首ほか、大和志保によるロングインタビューを掲載。

 

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南陀楼綾繁著『古本マニア採集帖』イベントのお知らせ

 

先週配信の号外でもお伝えしました通り、『古本マニア採集帖』刊行記念イベントの開催が続々決まっております。本日24日夕方より開催のものから、来年1月の予定までを改めてお知らせいたします。

 

 

 

刊行記念イベント第1弾
私を育てた古本屋」南陀楼綾繁×宮裡將揮×山本善行

日 時:2021年12月24日(金)
    18時半開場/19時開演/21時終了予定
料 金:1500円+1オーダー
場 所:gorey cafe(古書善行堂となり)
    〒606-8417 京都市左京区浄土寺西田町82-1
 お申し込み方法などの詳細はこちら。本日開催!クリスマスイブこそ古本の話で盛り上がりましょう。店頭お支払いでの参加も受け付けております!
 ○同時開催 古本マニアの一箱古本市!
日 程:12/22(水)~12/31(金)
本書に登場する、神保町のオタさん、鈴木裕人さん、トークゲストの宮裡將揮さんによる店内一箱古本市が善行堂内で行われます。
 
【残席1席!】刊行記念イベント第2弾
本と本屋のある暮らし」南陀楼綾繁×藤井佳之×福田賢治
日 時:2021年12月25日(土)
    19時半開演/21時終了予定
料 金:1500円+1オーダー
    〒760-0050 香川県高松市亀井町11-13
 お申し込み方法などの詳細はこちら
○同時開催 古本マニアの一箱古本市!
日 程:12/19(日)~12/30(木)
本書に登場する、倉敷から遠いでさん、南陀楼綾繁さん、トークゲストの福田賢治さん、藤井佳之さんによる店内一箱古本市が店内で行われます。
 
③【満席】刊行記念イベント第3弾
「本のある場所」と「本を集める人」の話」南陀楼綾繁
※満席のため、お申し込みは終了いたしました。
日 時:2021年12月26日(日)
    14時開場/14時半開演
場 所:うらんたん文庫(Twitterアカウントはurantan55
    〒811-3222 福岡県福津市津丸1020 / JR東福間駅より徒歩10分
料 金:2,000円(1ドリンク付)
お申し込み:うらんたん文庫InstagramFacebookページへのダイレクトメッセージ、またはメール: urantan55@gmail.comにて
 
刊行記念イベント第4弾
日 時:2022年1月16日(日)
    18時半開場/19時開演/21時終了予定
場 所:Readin' Writin' BOOKSTORE (Twitterアカウントは@ochimira
         〒111-0042 東京都台東区寿2-4-7
料 金:1500円(会場・配信とも同額)
 お申し込み方法などの詳細はこちら
○同日開催 古本マニアの一箱古本市!
『古本マニア採集帖』に登場する方々の一箱古本市が行われます!参加は、書物蔵さん、伊藤嘉孝さん、中根ユウサクさんと、装画の武藤良子さんの予定です。
 
イベントにご参加いただいた方、一箱古本市でお買い上げいただいた方には、特典として本書装画担当の武藤良子さんのオリジナルポストカード(2枚組)をご用意しております。是非お近くの会場へ足を運んでみてください。

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☆編集後記

 

『古本マニア採集帖』で猛者達の古本遍歴を読みながら自分の古本体験を思い起こしてみると、量としてその大半を占めているのはブックオフ。しかし、それ以上に強烈に覚えているのはやはり初めて神保町を訪れた時のことです。オープンキャンパス帰りの、肺も凍るような寒い冬の日でした。すずらん通りの存在も知らず、靖国通りを抜けるだけというわずか数十分の滞在でしたが、歩道柵にある本を象った意匠を目にすると、今でもあの日の興奮を思い出します。長島書店で一冊だけ購入し、その時本を包んでもらった店名入りの紙袋は思い出として額に入れて飾っていたりするのです。(楠本)

 

今年、小林昌樹さん・森洋介さんと近代出版研究所を作り、弊社藤巻は「遊びは真剣にやった方が面白いぞ」と立派な表札を贈ってくれました。来春には年刊の「研究所報」創刊号を出す予定で、ご縁がある方々に寄稿をお願いしています。乞御期待。先日来、研究座談会の整理をしていますが、森さんから「私の発言部分は旧かなにしてほしい」と強硬な申し入れ。「一人だけ旧かなだと変に目立ちますよ」とやんわり翻意を促すも「容易に曲げないから主義というのよ」。結局本人が責任を持ってデータに手を入れるということで手を打ちましたが、「ゐるせゐ」という字面なんかを目にするとやり過ぎに思うなあ。(河原)

 

面白い話を聞いた。生き物は「まにあわせ」で進化するという話だ。亀の甲羅は、背骨と肋骨が変形したもので、体の一部分なのだそうだ。命を守るヨロイが欲しいと思った時に、全く新しくゼロから作るのではなく、ありものの背骨、肋骨でそれを作った。他の生き物もこのような「まにあわせ」で今の形態になっているのだという。会社組織を、一つの生き物のように感じることがあるが、人間であるからには、成り行きでなく戦略的に進化したいと思う。
皓星社メールマガジン最初の1年をご購読下さり、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。(晴山)

 

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次号、森洋介さんの【書評未満/抄記以上】は、内海健著『双極II型障害という病 -改訂版うつ病新時代-』(2013年、勉誠出版)を取り上げます。気分が高揚した状態とうつ状態が交互に現れるという双極Ⅱ型障害。古本好きの森さんならではのストレス発散法とは……?

 

第七号をご一読いただきありがとうございました。年内最後の発行となりましたが、いかがでしたでしょうか?来年もより充実した情報をお届けできたらと思いますので、本年同様、変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

 

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