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皓星社メールマガジン 
第八号
2022年1月28日
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このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。

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  目 次

   ★第八号をお届けします

   ☆【特別寄稿】友よ、私が死んだからとて(福島泰樹)

   ★【特別寄稿】古本趣味と赤ん坊と。(カラサキ・アユミ)

   ☆【連載】在野研究者のレファレンスチップス 第八回(小林昌樹)

   ★【連載】書評未満/抄記以上 第六回(森洋介)

   ☆【連載】趣味の日本近代出版史 第八回(河原努)

   ★ざっさくプラスニュース

   ☆出版ニュース

   ★編集後記

   

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★第八号をお届けします

 

皓星社メールマガジン第八号をお届けいたします。

昨年は格別なご高配を賜り、誠にありがとうございます。2022年もよりよい出版活動およびデータベースサービスの向上に努めて参りますので、ご支援、お引立てを賜りますようお願いいたします。

このメルマガでは月に一回、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、近代出版研究所の活動報告も配信してまいります。

お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。

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☆友よ、私が死んだからとて

福島泰樹(歌人)

 

群馬の桐生市に生まれ、戦後まもなく17歳の命を断った詩人・長澤延子。彼女の清冽な詩は、死後友人らによって刊行された遺稿詩集『海』によって広まり、六〇年代という叛乱の時代を生きる若者たちの胸に深く刺さりました。

今年2022年は、長澤延子の生誕90周年という節目の年です。昨年刊行の『長澤延子全詩集』の編者・福島泰樹さんに、長澤延子という詩人の魅力についてご執筆いただきました。(編集部)

 

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 敗戦後ほどなく、人民による人民の時代に、戦い、参入するという果たせぬ夢を抱いたまま、十七歳の命を絶った少女が、戦傷のいさおしとして書き遺した詩が、闘う学生たちに、言葉を与える時代が来たのだ。

 

  星屑が音立てて
  私の肩に降りかかる夜

  私は冷たい予告の嵐にさいなまれ
  裂傷の血を凍らせる

  嘲笑う冷たいベッド
  暗い木立

  終焉をはらむ霧の身ぶるいを素肌に受けて
  今宵 裸形の私は一人立つ           「星屑」

 

 長澤延子遺稿詩集『海』が、刊行されたのは一九六五(昭和四十)年十月。実父の依頼を受けた延子を知る友人新井淳一、高村瑛子らによって刊行された詩集は、新聞、文芸誌はもとより当時第一戦で活躍する詩人評論家たちに贈呈された。私が延子の名を聞いたのは、一九六五年冬のキャンパスにおいてであった。

 

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★古本趣味と赤ん坊と。

カラサキ・アユミ

 

古本と古本屋への愛を4コマ漫画で綴った『古本乙女の日々是口実』(2018年、小社刊)の著者であるカラサキ・アユミさんに〈新年の抱負〉をテーマにご寄稿いただきました。昨年にはお子様も生まれ、新たなステージへと一歩踏み出すこととなったカラサキさん。育児をしながら、これまでの趣味も手放せない! そんな葛藤とその両立に向けての強い意志は必見です。(編集部)

 

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2018年に我が古本愛を入魂した初めての著書『古本乙女の日々是口実』を皓星社から出してはや4年の月日が経った。

その間、あの頃二十代だった自分は気付けば三十代となり、昨年には0歳男児の母親になった。初めての事だらけで四苦八苦しながらも喜びに溢れる子育てを、髪を振り乱しながら楽しんでいる。

何だか人生を猛烈なスピードで駆け抜けていっている感覚だが、心の中の乙女心は依然衰えていない。相変わらず古本趣味も熱量変わらぬまま継続中だ。

ただ子供が産まれたこともあって当然の事ながら以前のように古本と密に接する機会は激減した。

女性の場合、出産を機に趣味を諦めざるを得ない人がかなり多いように思う。母親になった瞬間から自分の為に割ける時間が圧倒的に減ってしまうからだと自分がその立場になって初めて実感した。

 

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在野研究者のレファレンスチップス

第八回 回答の手間ヒマを事前に予測する――日本語ドキュバースの三区分

小林昌樹(図書館情報学研究者)

 

■主題と時間と空間と

ベテランのレファレンス司書は質問を聞いた瞬間に――無意識的にせよ――答えがでるまでのコストや困難さを予測している。これは、経験的に察知できるようになるものだ。もちろん、実際に調べてみると当たり外れはあるが、このコスト予測――おおむねかかる時間の長短に換算できる――は、できれば言語化して利用者に伝えるのが望ましい。利用者もそんなにヒマではないのだから。あるいは自分で文献調査をする際にも、コスト予想はできるに越したことはない。

例えば人物情報という、同じ主題ではある調査でも、それを3つのタイプに分けて探索すると格段に見通しがよくなるのは、同時にコスト予測でもあったからだ。

けれど、主題でタイプ分けするのは、場合によりけりなので一般化して言うのが難しい。そこで今回は、どんな主題でも日本のことなら何でも当てはまる「時代区分」でコスト予測ができることを説明したい。

 

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★書評未満/抄記以上

第六回 本好きはうつへと至る一里塚

森洋介

 

■『双極II型障害という病 -改訂版うつ病新時代-』内海健著、勉誠出版、二〇一三年

読了 2014/4/30

目次 http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100228

「改訂版あとがき」に拠れば、「本書の改訂にあたっては、第四章を「治療の指針」、第六章を「混合状態」として改稿し、その他の部分についても一定の加筆を行った。」「なお、タイトルについては、初版を出版したのち、他社より同一の書名の新書が出されたこともあり、今回を機に改変した」(p.243)。七年間で世間からの認知が進んだ所為もあらう。

双極II型を診断する要諦は、抑鬱状態そのものよりも軽躁病相を併せ持つかにある由(「第二章 軽躁というデーモン」)。以前読んだ春日武彦『問題は、躁なんです』(二〇〇八年)を想ひ出したが、本書では、躁が軽躁とは違ふ鑑別点(「転導性」=うつろひやすさの有無)も説かれてゐる。この複雑微妙な双極II型といふ病像を、既存の類型(単極型鬱病、躁鬱病=双極I型障害)の中間や折衷ではなく独自の疾患を成す「スペクトラム」として分析しながら何とか言葉で伝へようとする手際が、見もの。近年の「臨床哲学」だの「臨床社会学」だの言ふ便乗と違った本業の臨床的な思考とはかういふものか。まあ、初版で「精神科医からのメッセージ」を「「精神科医へのメッセージ」という名のシリーズと勘違いし」て書き出されたと言ふから(「あとがき」p.239)、臨床医向けになってゐるのかも。

 

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☆趣味の日本近代出版史

第八回 私の恩人――日外アソシエーツ創業者・大高利夫

河原努(皓星社)

 

■いまから20年前……

地方の公立大学でぐーたら本を読んでいた私は、4年生になって「就職」という当たり前の一大事に直面して、とりあえず自己分析をしてみた。人にない自分だけの武器を考えると、それは「高校時代から趣味で人名事典を作ってきた経験」だけだった。その趣味から恒常的に人名事典を作っている出版社として日外アソシエーツの存在は知っており、あの会社なら私を採用してくれる可能性があるかも、と大学の就職室に行ってみると、なぜか日外からの求人票が来ていた(入社後に同窓の先輩が二人いた事を知った)。

当時すでに就職氷河期と呼ばれ、数年後に日外は正社員の募集を休止したが、この時はぎりぎり正社員募集だった。筆記試験(100人くらいいた)と面接が2回、奇跡的に「拾ってもらい」同期5人の中に潜り込むことができた。入社初日の部署回りの際「(その時)あなた、私の目を見て話さなかったのよ。コイツは駄目だと思ったわ」と、それから約20年間の在社中に一貫してお仕えした課長が何度かしみじみ語ったものだが、アルバイト経験すらないオタク社員であった。

 

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★ざっさくプラスニュース

zoom商談・使い方ガイダンス 承ります】

Zoomを使ったご案内を無料で受け付けております。

ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。画面を共有し、具体的な検索例をご紹介しながら進めますので、その場でのご質問にもお答えできます。周知期間として終了後の一週間程度アクセス数を増やすなど、個別の対応も承っております。1回30分からご予約いただけます。

 

ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。

 

【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】

ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。

 ①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)

 ②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)

 

どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。

詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

【先月からの新規登載情報】

〇独自登載分


「綴方學校」第1巻第1號(昭和12年1月)~第4巻第2號(昭和15年3月)
※椎の木社の国語教育月刊誌で、編集兼発行人は百田宗治。室生犀星、丸山薫、高見順、草野心平、中西悟堂、伊藤整、矢田津世子らも寄稿。教育史料出版会からの複製版があり前誌「工程」(昭和10~11年)は登載済。
 
「下野史談」第1卷第1號(大正13年1月)~第14卷第2號(昭和12年4月)
※下野史談会発行の栃木県の郷土史誌で、郷土史家の田代善吉(黒滝)が編集。国書刊行会からの複製版から戦前分を登載。佐藤行哉、近藤亀吉、久保井倉吉、田中曉夢、土屋喜四郎、小太刀源吉、森本樵作らが執筆。
 
「連合婦人」第1号(1928年5月)~第147号(1942年9月)
※東京連合婦人会の機関誌。吉岡弥生、守屋東、小泉郁子、山田わか、徳永恕子、大妻コタカ、久布白落実らが執筆。不二出版の復刻版総目次から登載で、143号、145・146号、148号以降は欠。

「影書房通信」1(1993年12月)~19(1998年6月)
※影書房の出版PR誌(季刊)で、編集人は徐京植。西村誠、西井一夫、鵜飼哲、宮田毬栄らが寄稿、岡部伊都子、石川逸子、森まゆみ、藤田省三、ノーマ・フィールド、朴聖焌らへのインタビューも。19号以降未見。

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新規登載情報につきましては、Twitter皓星社ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)でも随時お知らせしております。どうぞご覧ください。

 

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☆出版ニュース

 

【新刊】

水俣曼荼羅 製作ノート

12月9日刊行、定価1,800円(+税)

 原一男+疾走プロダクション著。『ゆきゆきて、神軍』から三十余年、原一男監督最新作が公開され、大好評上映中です。撮影15年、編集5年を要した372分の超大作の舞台裏に迫ります。6時間の映画が全て活字になったシナリオと、監督のインタビューを収録しています。書店のほか、上映館でも取り扱い中。監督曰く、「映画は最低3回見て欲しい」、そして『水俣曼荼羅』はすでに6回劇場で観たという猛者もいるそうです。

 

田村史朗全歌集

12月27日刊行、定価5,000円(+税)

 皓星社編集部編。田村史朗(1918~1958)は福岡県大川市に生まれ、旧制佐賀高校から京大経済学部を繰り上げ卒業・入営。戦後、駿河療養所に入所し、失明しながら自治会長・評議会議長を歴任。「アララギ」によって作歌。本書は田村の全短歌、エッセイと追悼文を収めています。

 

歌誌月光70号

12月27日刊行、定価1,000円(+税)

 歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、松野志保の第三歌集『われらの狩りの掟』(2021年4月、ふらんす堂)。著者自選30首ほか、大和志保によるロングインタビューを掲載。

 

【近刊】

『宇野マサシ画集 賚−らい−』

3月2日刊行予定、予価5,000円(+税)

 日雇いで生活費を稼ぎながら制作を続ける姿から、「放浪の画家」とも呼ばれる宇野マサシ。人々の生きた証を留め置くような作風は、現代画廊・洲之内徹や昭和美術史を支えた羽黒洞・木村東介らを魅了しました。この画集では、20代の頃の初期の作品から、直近は2010年代まで網羅的に収録します。

 

○出版記念 宇野マサシ油絵展

【期間】3/2(水)〜3/7(月)午前10時〜午後7時(最終日は午後4時閉場)

【場所】豊田画廊

     471-0027 愛知県豊田市喜多町2−160コモ・スクエア ウエスト1F

※詳細は豊田画廊HPをご覧ください。

 

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★編集後記

 

年末の福岡でのイベントを終えた後、ずっと気になっていたBUNSHODO HOTEL(ブンショウドウ ホテル)に泊まりました。文照堂という書店の跡地に建てられたこのホテル、部屋毎に地元の書店員さんの選書が用意され、ロビーや廊下も沢山の本で溢れています。蔵書の中にはこれまでの宿泊者から寄贈されたものもあり、添えられたメッセージから前の持ち主に思いを馳せつつ読むのも一つの楽しみです。今回予約した部屋のテーマは【今宵は読んでハシゴ「本」】。美味しいご飯の作り方や飲食店を営む人々の思いなどが詰まっており、食事と自分の関わり方を探るにもってこいの本でした。静かな異郷だからこそ正面から本と向き合えた、そんな一夜でした。(楠本)

 

今回のメールマガジンの原稿では日外アソシエーツ創業者の大高利夫さんの思い出を書きました。前号でも昨年同社から刊行された『日本人物レファレンス事典 図書館・出版・ジャーナリズム篇』について思うところを書き、これまでの原稿でもたびたび古巣での経験を語っています。小林昌樹さんもよく長年勤められた国会図書館について言及するのですが、二人でこのことについて話すと「やっぱり、お互い前の職場が好きなんだよ」という結論に落ち着きました。(河原)

 

一昨日35歳になった。明明後日21日で皓星社で働き始めて丸10年になる。あっという間でもあり、長くもあった10年。その時々で出来得る限り一所懸命に働いてきたけれど、一方でもっと密度の濃い時間を過ごすことができたのではないか、とも思う。とは言え過ぎた日々は過ぎた日々として、30代後半戦を楽しみながら、自分の足で歩み続けるしかない。11年目からもどうぞ宜しくお付き合い下さい。さいわい、先日の人間ドックの結果はオールAで、まだまだ踏ん張りも効くようです。(晴山)

 

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第八号をご一読いただきありがとうございました。

新年号ということで、今号ではカラサキさんに新年の抱負を、そして生誕90周年を記念して詩人・長澤延子について福島さんに綴っていただきました。

 

次号、本をめぐるリレー連載【よめば羊もよってくる】の第三走者は、詩の発表やフリースペース「居間」の運営、文藝誌「園」の主宰など多方面に活躍中の河村実月さんです。こちらもどうぞお楽しみに。

 

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