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皓星社メールマガジン 
第11号
2022年4月22日
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このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。

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  目 次

   ★第11号をお届けします

   ☆【寄稿】青と黄色をまとわずに (尾松亮)
   ★【連載】よめば羊もよってくる 第4回(カナイフユキ)
   ☆【連載】在野研究者のレファレンスチップス 第11回(小林昌樹)

   ★【連載】趣味の日本近代出版史 第11回(河原努)

   ☆ざっさくプラスニュース

   ★出版ニュース

   ☆近代出版研究所だより

   ★南陀楼綾繁連載「書庫拝見」が、日本の古本屋メールマガジンで開始!

   ☆『長澤延子全詩集』刊行記念イベント(桐生)のお知らせ
   ★編集後記

    

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★第11号をお届けします

 

皓星社メールマガジン第11号をお届けいたします。

このメルマガでは月に一回、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、近代出版研究所の活動報告も配信してまいります。

お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。

 

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☆【寄稿】青と黄色をまとわずに

尾松亮(東洋大学客員研究員)

  

かれこれ20年以上、通信社やシンクタンクに勤務しながらロシアやウクライナのエネルギー政策や社会制度を調査してきた。今年2月以降、「現地ではどうなっているのか」という問い合わせをいくつものプレスから受けている。
苦しすぎる事実だが、戦争が起きてからその国に興味を持ち、連日悲劇の映像を注視しても、私たちが戦争を止めるためにできることはほとんどない。「平和のために」と正当化される行動が、失われる命、飢える人々を増やさないことを願っている。そこに加担せずに今の状況を語る言葉を探している。

 

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★よめば羊もよってくる
第4回 ささやかだけれど、重要なこと

カナイフユキ(イラストレーター)

 

冬は肌が乾燥するので、寝る前にシャワーを浴びた後、何種類もの液体やクリームを顔に塗る。無印良品の拭き取り化粧水、キュレルの化粧水、The Ordinaryの美容液、友達が教えてくれた小ジワ改善クリーム(朝はiHerbで買ったInstanaturalというブランドのものを塗り、夜は銀座にある美容皮膚科で売っているものを塗る。夜用は紫外線に弱いので昼間は使えない)、The Ordinaryの乳液、The Ordinaryのオイル、キュレルの保湿クリーム……。ときどきこれらを塗る前にパックもする。種類が多すぎて、ときどき順番を間違えてしまう。でも、ここまでしないと乾燥のせいでシワが目立ったり、肌が荒れたりする。細かくて面倒だけれど、どうでも良いこととは思えない。むしろこれが生活の中でかなり重要なことかもしれないとすら思う。毎日同じ行動をすること。自分で自分の世話をすること。それは、精神にある程度安定をもたらしてくれる。

 

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☆在野研究者のレファレンスチップス

第11回 レファ協DBの読み方――事案を事例として読み替える

小林昌樹(図書館情報学研究者)

 

■うまく広まらなかったレファレンス業務

帝都東京が焦土と化して3年。アメリカから2人の一流図書館人――クラップさんとブラウンさん――がやってきて、国会図書館の業務をイチから全部、再設計をしてくれた際、「あんたらの国の図書館って、なってないなぁ。調べ物のための国立図書館を作りな。ついては、国民向けレファレンス、議員向けレファレンスを担当する部局を中心にしなよ」(要旨)とメモを書き置いて帰っていった。

 

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★趣味の日本近代出版史

第11回 “生きていた幽霊”文潮社の池澤丈雄――人名事典で死んでいた人が生きていた話

河原努(皓星社)

 

■古本フレンズ

近代出版研究所の主要活動に古本行脚がある(私は皓星社社員の傍らで研究所事務局を兼務)。「三人寄れば文殊の知恵」というが、お互いに関心分野を知りつつ得意な分野も違うので、一人では見落とす本を拾えたり、既知の本を教え合ったりする。その日も所長と一緒にある古本市を流していたら、ワゴン台で池澤伸介『文豪のおごり』という本が目にとまった。
 

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☆ざっさくプラスニュース

 

【CiNii Articlesの、CiNii Researchへ統合に関しまして】

2022年4月18日、CiNii ArticlesはCiNii Researchへ統合され、論文検索はCiNii Researchに一本化されました。

これにともない、ざっさくプラスのCiNii連携もCiNii Researchとの連携に移行いたしました。その後、ざっさくプラスからの連携検索は、問題なく稼働していることを確認しております。

 

【先月からの新規登載情報】
〇独自登載分

 

「太宰治研究」第1号(昭和37年10月)~臨時増刊(昭和45年6月)
※審美社の太宰治研究誌(不定期刊)で、編集兼発行人は韮沢謙。戸石泰一、今官一、菊田義孝、小山清、相馬正一、山岸外史、神西清、尾崎一雄、正宗白鳥、奥野健男、椎名麟三らが寄稿。小山清の追悼特集も。全12冊。
 
「新制作」創刊号(昭和43年11月)~第2号(昭和45年3月)
※作家の福岡徹が編集兼発行人を務めた文芸同人誌(新制作社発行)。佐江衆一、庄司肇、真殿皎、大久保典夫、笠原伸夫、中田耕治、藤枝静男、磯田光一、小川国夫らが寄稿。2号寄稿の北原以亜子は北原亜以子? 3号以降未見。
 
「文学と環境」創刊号(1998年10月)~第3号(2000年10月)
※ASLE-Japan(アズリージャパン)/文学・環境学会の会誌。4号からは国立国会図書館「雑誌記事索引」に採録されており、雑索欠号補充により全号通しての検索が可能に(継続刊行中)。
 

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新規登載情報につきましては、Twitter皓星社ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)でも随時お知らせしております。どうぞご覧ください。

 

Zoom商談・使い方ガイダンス 承ります】

Zoomを使ったご案内を無料で受け付けております。

ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。画面を共有し、具体的な検索例をご紹介しながら進めますので、その場でのご質問にもお答えできます。周知期間として終了後の一週間程度アクセス数を増やすなど、個別の対応も承っております。1回30分からご予約いただけます。

 

ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。

 

【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】

ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。

 ①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)

 ②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)

 

どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。

詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

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★出版ニュース

【新刊

3月31日刊行、定価1,000円
韓国を語らい・味わい・楽しむ雑誌、待望の復刊!  詩、エッセイ、翻訳、街歩き、韓国伝統食や韓国ロックなど、ユニークな視点で韓国にアプローチします。
 
4月7日刊行、定価2,000円
「植民地教育史」をテーマとする学会「日本植民地教育史研究会」の年報第24号。
今号の特集は、シンポジウム「植民地と国語教育―芦田恵之助と植民地朝鮮第2期国語読本編纂」の研究報告と、合評会「佐藤広美・岡部芳広編『日本の植民地教育を問う―植民地教科書には何が描かれていたのか』(皓星社、2020年刊)」です。

 

【近刊】

4月30日刊行、予価1,000円
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、前衛歌人・岡井隆らへ捧げる福島泰樹第33歌集、『天河庭園の夜』(2021年7月、皓星社)。著者自選27首ほか、大和志保によるロングインタビューを掲載。そのほか、来月刊行予定の重信房子短歌連載も収録。

 

5月26日刊行予定、予価2,000円
元日本赤軍リーダー・重信房子が21年に及ぶ刑期を終え、この5月に出獄する。本書は獄中で書き溜めてきた短歌をまとめた第二歌集となる。著者は、連合赤軍事件で粛清された友・遠山美枝子を「雪山に倒れし友は……」と歌い、世界の悲惨を「別れるために……」と嘆じる。本書の歌は、著者の踠きと葛藤の発露であると同時に、歴史の証言でもある。
 
5月31日刊行予定、予価8,000円
日中戦争および太平洋戦争で亡くなった画学生を中心とする、512名の経歴と遺作品を収録した人名録。2009年に戦没画学生慰霊美術館 無言館が刊行した『新版 戦没画学生人名録』を底本として大幅に増補改定を行い、今年開館25周年を迎える無言館の収蔵作品を中心に図版335点(カラー多数)を収録する他、人物経歴には韓国語・中国語・英語訳を併記。出身地別・出身校別・分野別の三種類の索引を付す。
 
※定価は全て税別表示です。

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☆近代出版研究所だより

 

近代出版研究 創刊号
4月7日刊行、定価2,000円
創刊号は、“江戸時代の書肆がどうして明治以降に生き残れなかったのか”という問題を論じた研究座談会、“「図書館」という言葉がどうやってできたのか” を説明した画期的な論文の再掲の他、「立ち読み」や「独学書」「奥付」の歴史などを取り上げました。
寄稿者には、近代日本出版史、図書館学、西洋書誌学、民俗学の研究者に加え、弊社刊『古本マニア採集帖』に登場した在野研究者・出版人ら、ユニークな執筆陣が揃いました!
 
刊行から一週間経たずして神田神保町・東京堂書店の週間ランキングで総合1位を獲得しました! 

新文化

産経新聞

などでも取り上げて頂きました。

今月の  日本の古本屋メールマガジン  では所長の小林さんが本誌について語っています。

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★南陀楼綾繁連載「書庫拝見」が、日本の古本屋メールマガジンで開始!

 

南陀楼綾繁さんが、普段は一般利用者が入ることができない閉架書庫に足を踏み入れ、そこで見つけた本や資料を紹介する連載がはじまりました。「書庫という奥の院を拝見することで、私なりにその図書館や文学館の新たな表情を描ければと思う。」(連載第1回より)。古本マニア採集帖』から続いて、今回の連載も併走していきます。

 

 第一回はこちらから。

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☆『長澤延子全詩集』刊行記念イベント(桐生)のお知らせ

 

長澤延子生誕90年・『長澤延子全詩集』刊行記念
福島泰樹短歌絶叫コンサート
母よ、靜かな黒い旗で…… in 桐生市有鄰館

 

戦後まもなく17歳の命を断った詩人・長澤延子が遺した全詩稿と、 自殺失敗から絶命にいたる65日間の手記を収録した「全詩集」から1年。
延子を生んだ桐生の地で、生誕90年の今年、いよいよ開催!  この痛苦と忍耐と圧制の時代に、延子の詩は再び甦るか……。
福島泰樹編『長澤延子全詩集』はこちら
 
 【日時】
2022年5月28日(土)
OPEN:13:00 START:14:00
 【出演】
福島泰樹(短歌絶叫) 
永畑雅人ピアノ
【場所】
桐生市有鄰館 酒蔵
〒376-0031 群馬県桐生市本町二丁目6番32号
【入場料】
2500円

…お申し込み方法など、詳しくはこちら
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★編集後記

 
尾松さんは今回のご寄稿において、日々ウクライナに関する悲惨なニュースが相次ぐ中、「私たちには一体何ができるのか」という不安と焦りは自己満足的な制裁を生み出しかねない、と指摘しています。つい先日、利用客から苦情があったとして一時ロシア語での案内表示を紙で覆い隠したというJR恵比寿駅の対応はまさにその表れと言えるでしょう。それに対する反発があり表示隠しはすぐに撤去されましたが「差別意図はないが不適切だった」と説明するJR東日本には、その本質的な問題点を理解しているのか甚だ疑問が残りました。また、理不尽な侵攻を受けている国はウクライナ以前にも数多くあったにも関わらず、国際社会は今ほどの目を向けなかったという現実は何を意味するでしょうか。私たちはまず、日々の生活に潜む差別意識を言語化・可視化し、そしてそれに反対していくところから始めなくてはいけない、そう強く感じます。(楠本)

 

現在、5月刊行予定の『決定版 戦没画学生人名録』校正の真っ最中。砂川勤三(1910-1937)の項目に差し掛かったときに「そういえば経歴を肉付けするためにこの人の追悼集『散華集 : 砂川勤三君記念』に目を通したが、砂川さんはわかもと製薬の人だったな」と思い出した。今月の連載で取り上げた池澤丈雄(池澤伸介)も元わかもと製薬。もしかしてと『散華集』のコピーを取り出すが、残念ながら池澤の追悼文はなかった。それでも文潮社創業に関わった藤井継男(当時は読売新聞社調査部次長)やその伝手で同社に入社した中川保三の追悼文が掲載されていたのには驚いた。こうして思いも寄らぬところで繋がる瞬間が人物情報を扱う醍醐味です。ちなみに「ざっさくプラス」で池澤丈雄を検索すると戦前から敗戦直後にかけて上方で発行されていた雑誌『食通』に小説を連載していたことがわかります。人物調査にも是非お使いください。(河原)

 

今月の頭に静岡に遊びに行きました。水曜文庫、ヒガクレ荘、太田書店など市内の古本屋をひとめぐり。水曜文庫は棚の一画にアナキズム関連書がズラリと揃っており、「散逸させないために販売しません、どうしても欲しい方はご相談を」という趣旨の貼り紙が。非売品にこんなにスペースを割いて良いのか!? と心の中で突っ込みつつ、我が社の本もあってなんだか嬉しい瞬間でした。さて来月は『決定版 戦没画学生人名録』『重信房子歌集』の刊行、桐生市での福島泰樹先生の短歌絶叫コンサートなどなど、大きな話題がたくさんあります。大詰めで慌ただしくもやり甲斐ある月末です。皆さんよい連休を。(晴山)

 

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第11号をご一読いただきありがとうございました。


今号では、長年ロシアやウクライナのエネルギー政策を調査してこられた尾松亮さんに記事をお寄せいただきました。ご著書である『チェルノブイリという経験』には、現地に赴くなかで見た、原発事故以後を生きる被災者の姿が描かれています。廃炉中のチェルノブイリ原発を含む、ウクライナの原発施設がロシアによる侵攻を真っ先に受けたことは、同じく原発依存の国である日本にとってもそのあり方を考える契機になりました。

 

本をめぐるリレー連載【よめば羊もよってくる】は、イラストレーターのカナイフユキさんに、ケイト・ザンブレノの『ヒロインズ』でも取り上げられている書き手の性差による捉えられ方の非対称性などについてご執筆いただきました。

記事末尾でもご紹介しておりますように、カナイさんの個展 『ゆっくりと届く祈り』は本日4/22(金)より5/9(月)まで開催中! 連休を利用し、ぜひお運びください。

 

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