このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。
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目 次
★第22号をお届けします
☆【新連載】玩物創始 第1回(稲岡勝)
★【連載】大検索時代のレファレンス・チップス 第3回(小林昌樹)
☆【連載】趣味の日本近代出版史 第22回(河原努)
★【短期集中連載】台湾出張記 第1回(楠本夏菜)
☆ざっさくプラスニュース〜無償公開再び!〜
★出版ニュース
☆近代出版研究所だより
★「皓星社友の会」のご案内
☆編集後記
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★第22号をお届けします
皓星社メールマガジン第22号をお届けいたします。
このメルマガでは月に一回、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、近代出版研究所の活動報告も配信してまいります。
お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。
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☆玩物創始
第1回 「雑誌屋考」と藤村『破戒』
稲岡勝(明治出版文化史)
連載の辞
玩物喪志とは枝葉にこだわる余りことの本質を見失う愚の意。しかし出版史の場合はむしろ逆で、細部(玩物)にこそ見逃してきた歴史の真実が隠れていることが多い。まず玩物にこだわることから始めて(創始)、その核心に迫れたらと考えている。神は細部に宿るというではないか。
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★大検索時代のレファレンス・チップス
第3回 分類記号(NDC)を使って戦前の未知文献を見つける
小林昌樹(図書館情報学研究者)
■前に件名でやりました
前著『
調べる技術』第5講で、件名を使って〈見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ〉を紹介した。「NDLオンライン」(国会図書館――NDL――の蔵書データベース)を検索する場合、戦後のまじめな本には、本の主題を代表する特殊なキーワード「件名」が付与されているので、それで検索すると、未知の本(未知文献)を見つけることができる、というものだった。今回は「分類」を使うワザをお教えする。
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☆趣味の日本近代出版史
第22回 特別編・『近代出版研究』第2号の編集余話
河原努(皓星社・近代出版研究所)
■なんで雑誌を編集しているのだろう?
来月上旬、近代出版研究所の年刊研究誌
『近代出版研究』第2号が発売になります。元々がレファレンスツール屋――それも人物データベース屋――なので「なんで雑誌編集――まあ実際は論文集の編集なんだろうけど――をしているんだろう?」と思いつつ、半年以上にわたって編集作業をやってきた訳です。
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★台湾出張記
第1回 台北の書店を巡る
楠本夏菜(皓星社)
■幸會TAIWAN
先月、弊社データベース〈ざっさくプラス〉のご案内のため、一週間ほど台湾へ行って来ました。弊社刊『調べる技術』でもお馴染みの〈ざっさくプラス〉は雑誌記事の検索からコピーをワンストップで出来るDBで、おかげさまで国内だけでなく、北米をメインに海外の多くの大学・研究機関でご利用いただいています(図書館・研究機関様向けの1ヶ月無料トライアルもございます)。しかし、アジア圏での導入機関はまだ多くなく、今回はその市場調査の第一段階として台湾を選びました。
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☆ざっさくプラスニュース
【「ざっさくプラス」無償公開】
今月からいくつかの書店様で、「
『調べる技術』の小林昌樹が選んだ「調べの本」50選」フェアを開催中です。同書のベストセラー(3万部!)と今回のフェアを記念して、3年ぶりに「ざっさくプラス」の無償公開を行います!新入生&新社会人の皆さんの調べ物支援の側面もありますので、ぜひこの機会にご活用ください!4月上旬から約1ヶ月を予定しています。
ざっさくプラスについては、小林さんの連載「在野研究者のレファレンス・チップス」第12回もぜひご参照ください。
【先月からの新規登載情報】
〇独自登載分
「流動」12月創刊号(昭和44年12月)~12月号(昭和57年12月)
※流動出版の月刊誌。いわゆる新左翼系総会屋雑誌で、NDL欠号を含めて全149冊5964文献を登録。創刊号には三島由紀夫と林房雄の対談、中曽根康弘・石原慎太郎・藤原弘達の座談の他、小松左京や児玉誉士夫らが寄稿。
→昭和47年7月号のみ未登録です
「リュミエール」創刊第1号(1985年9月)~第14号(1988年12月)
※蓮實重彦が編集長を務めた筑摩書房の映画雑誌(季刊)。山田宏一、山根貞男、淀川長治、畑中佳樹、松浦寿輝、沢田康彦、谷口佳津宏、和田誠、宇田川幸洋、武田潔、上野昻志、小林信彦、武藤康史らが執筆。全14冊。
「水莖」第1号(1986年10月)~第28号(2000年3月)
※古筆学研究所が編集発行した研究誌(年2回刊)。小松茂美の他、松田延夫、神崎充晴、前田多美子、久保木彰一、田中登らが寄稿。29号からNDL「雑誌記事索引」に採録されており、雑索欠号補充により全号通しての検索が可能に。
「汎」創刊1号(1986年6月)~第15号(1900年1月)
※移民史を専門とした版元・PMC出版の季刊誌。増田義郎、猿谷要、村上兵衛、野添憲治、ドウス昌代、松永伍一、皆川博子、北沢洋子、奥泉栄三郎、田村紀雄、宮本常一、赤坂憲雄らも寄稿。15号で休刊か。
【Zoom商談・使い方ガイダンス 承ります】
Zoomを使ったご案内を無料で受け付けております。
ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。画面を共有し、具体的な検索例をご紹介しながら進めますので、その場でのご質問にもお答えできます。周知期間として終了後の一週間程度アクセス数を増やすなど、個別の対応も承っております。1回30分からご予約いただけます。
ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。
【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】
ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。
①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)
②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)
どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。
詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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★出版ニュース
【出版目録】
現在在庫のある書籍300点弱を、書影・紹介文付きで収録しています。
今回は諸般の事情で省きましたが、次版では「書名索引」「著者名索引」を付けます。
送料は無料です。
【新刊】
3月6日刊行、定価1,000円(+税)
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、2022年4月に歌集『暁の星』を刊行した重信房子。作品30首と、第10回黒田和美賞受賞の言葉を掲載。また、インタビューを通して、獄中ではじめたという作歌の契機などに迫る。その他、福島泰樹による詩人・長澤延子の鑑賞連載「延子絶叫」は第五回。
3月16日刊行、定価5,000円(+税)
幼い頃に不慮の事故で両手を失いながらも、書道と出会い、作品を発表してきた書家の小畑延子。2020年に刊行した作品集『轍』の編纂ののち、「湧き上がってきた書への執着であり、いいかえれば「生」へのこだわりの熱い願い」が詰め込まれた今回の作品集。傘寿を迎え、さらなる表現を模索する姿をご覧ください。
【近刊】
4月7日刊行予定、定価2,000円(+税)
第2号の特集は「雑著・雑本・ミセレイニアス」。「小さい問題の登録」を謳う本誌、今回も内容見本、版元営業、コンビニ本、大正グラフ雑誌、新聞内報、新聞縦覧所、雑誌屋……これまでほとんど論じられることの無かった近代出版史の様々なテーマを取り上げます。今年も斯界の重鎮から気鋭の研究者、在野研究者・出版人までユニークな執筆陣が揃いました!
『新古書ファイター真吾』
5月9日刊行予定、予価1,500円(+税)
ライトな古本探しの楽しさと可笑しさを描く、唯一無二の「古本あるある」バトル漫画。夏葉社さんの『ブックオフ大学ぶらぶら学部』に抄録されたことでご記憶の方も多いはずのこの作品が単行本化します!著者の古本探しの日々を綴ったエッセイや、夏葉社・島田潤一郎さんの特別寄稿「友人のような本」も掲載。予約も近日中に開始します。
3/20 『月刊工場管理』2023年4月号(書評掲載)
【フェア情報】
『調べる技術』著者の小林昌樹さんに選書して頂いた「「調べる技術」の小林昌樹が選んだ「調べの本」50選」フェアを、現在下記の書店様で開催中です。各書店様では小林さんが各書籍につけたコメントポップをまとめた冊子も無料配布しています。今後、フェア実施書店は増えていく予定です。
【『近代出版研究』第2号のお知らせ】
・横山茂雄ロングインタビュー 横山茂雄・志村真幸・神保町のオタ・菊地暁・小林昌樹・森洋介・河原努
・「新聞内報」研究の必要性 佐藤卓己
・特集に寄せて、雑本とは何か 小林昌樹
・オカルトを買っておうちに帰ろう 飯倉義之
・雑本ガイドとしての『民俗学入門』、あるいは私の雑本三昧 菊地暁
・明治期における「内容見本」の出現 大尾侑子
・雑本・雑書の視点から見た『明治文化全集』と帝国図書館の蔵書 鈴木宏宗
・版元営業はどのような仕事か 平林緑萌
・魔窟的新聞縦覧所の登場と退場、碁会所を添えて 松﨑貴之
・『ノーツ・アンド・クエリーズ』と南方熊楠 志村真幸
・日本初の健康雑誌だった『健康之友』(大正十三年五月創刊)について
神保町のオタ
・大正初期グラフ雑誌カタログ 藤元直樹
・雑誌屋考 稲岡勝
・『発禁年表』編者・福岡井吉とは誰か 鈴木宏宗
・出版に託された〝一つの神道〟という夢 木村悠之介
・お役所メディアを探せ! 藤元直樹
・知的活動の場としての図書館 田村俊作
リニューアルが大評判の石川県立図書館について、館長の田村俊作先生に理念と背景を綴ったエッセイを寄稿して頂きました。私たちの古本仲間で、その界隈で有名なツイッターアカウント「
兵務局 @Truppenamt」さんもコラムを寄稿しています。
【近代出版研究叢書】
「近代出版研究叢書・資料編」を発刊しました。
第1弾『「出版年鑑」掲載全訃報一覧―昭和平成期 著作家・学者・出版人7000人』
(編著者:河原努/解説:小林昌樹 定価2,000円、B5判176頁)
第2弾『戦時・占領期出版史資料索引―戦時企業整備・公職追放・ミニ社史』
(編著者:河原努/解説:小林昌樹 定価2,000円、B5判82頁)
ともに皓星社のウェブストアで取り扱い中です(同人誌ですので、購入の際は見積書・領収書は出せません。納品書のみ、購入者のお名前で発行します)。
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☆「皓星社友の会」のご案内
ご好評をいただいている「皓星社友の会」、2022年度(2022年7月〜2023年6月)を募集中です!
友の会は、2020年コロナ禍における「ざっさくプラス」の無償公開を機に、弊社の書籍やデータベースをご愛読・ご愛用くださる会員の皆様の便宜と、皆様と弊社スタッフの間で交流を図ることを目的とし設立いたしました。
【ご参加の条件】
上記の趣旨にご賛同くださる個人の方。(法人様のお申込みは受け付けておりません)
弊社の新商品(書籍・データベース)や、「ざっさくプラス」のバージョンアップに際して、アンケートやヒアリングにご協力いただける方。
【特典】
・友の会割引 弊社のすべての出版物を、15%引、送料無料でご購入いただけます。
・皓星社主催のイベント参加割引
・ざっさくプラス利用権(基本プラン)
・ご希望の雑誌の目次をざっさくプラスに搭載(時期は相談)。雑誌を貸していただける場合は、入力データを提供します。
・お誕生日プレゼント(お好きな本を1冊プレゼントします。値段を問いませんが、一部例外があります)
【価格】
一般:年間12,000円 学生:6,000円 (税別)
※学生割引を希望する方は、ご所属大学ドメインのメールアドレスでお申し込み下さい。
【ご契約期間】
ご契約は、毎年7月1日から1年間とさせていただきます。7月以降もお申し込みいただけますが、年度途中参加でも金額は変わりません。また、年度途中退会の場合も、返金は行いません。
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★編集後記
韓国、台湾、ベトナムなど東アジアの本や映画が好きです。その中でも韓国映画が特に好きで、普段はホラーやノワールといった血なまぐさいジャンルを見ているのですが(最近のベストはナ・ホンジン『哭声』です)、二、三年前に『はちどり』で有名なキム・ボラ監督が好きな映画ベストテンについて語るインタビュー記事を見つけてからは、その作品の再上映があれば映画館へ足を運ぶようにしています。去年はその中の『子猫をお願い』を見てきました。いつも仲良しだった高校生五人組が卒業後、それぞれの暮らしをしていく中で生まれるすれ違いを主題とした映画ですが、制服から解放された彼女らは韓国社会の経済格差や家父長制、学歴至上主義といった荒波に真正面から直面していくことになります。この数日、卒業式帰りの学生や散っていく桜を見ていて、ただ手を繋ぎ続けることの困難さを自分ごとのように感じました。20年以上前の作品ですが、女性の抱える閉塞感とそこから抜け出していこうとする未来ある結末を含め、今だからこそ見て欲しい作品です。(楠本)
『近代出版研究』2号の原稿を入稿しました。一口で編集者といっても「書籍編集者」と「雑誌編集者」はかなり違う仕事のはずで、「書籍編集者」の中でも携わる分野(絵本/漫画/文芸書/実用書……)によって、仕事のやり方や求められる素養も全然違います。連載の冒頭でも書きましたし、(よく言い訳として)「本来はレファレンス・ツール屋なんだけど」と自嘲していますが、いつも“本職の人”だったらもっとうまく作るのだろうなあ、と思ってしまいます。かといって、私以外の人が作ったら1/3くらいの原稿は世に存在していない訳で……。もっと精進しなければならん、ということですね。(河原)
今月、アメリカはボストンで開催されたAASに参加し、北米のライブラリアンの方々と交流をもつことができました。「ざっさくプラス」についてのご意見を伺うことができとても有意義でした。皆さんが「『調べる技術』(およびそのメルマガ連載)を読みました!」と言ってくださったことも大変有り難かったです。初めての訪米で意外かつ嬉しかったことは、各所でファーストネームを呼ばれることでした。ハンバーガーショップでの注文受け取り時、予約したタクシーの乗車確認の時など、Hareyamaと言うと「?」の顔をされ、Seinaと言うとスムーズに話が進みます。ただそれだけのことですが、交換可能な誰かではなく一個人として扱われているようで非常に爽快、解放感を感じたのでした。来月のメルマガで「あめりか出張記」を書きます。(晴山)
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第22号をご一読いただきありがとうございました。
明治出版文化史の泰斗である稲岡勝さんの新連載が始まりました。シリーズタイトルは「玩物喪志」をもじって「玩物創始」(出版史は細部から出発の意)とのこと。ご機嫌伺いのお電話を差し上げると「最近、何々を読んだらこういうことが書かれていて~」と仰るので、よく「それ、単発原稿でよいのでうちのメールマガジンに書きませんか?」とお願いしていたのですが、先週の金曜日に「メルマガはもう出した? ちょっと原稿を書いてみているんだ」とお電話が。届いて見たらシリーズタイトルの指示があり「あれ、連載なんだ!」と。どれくらいのペースで原稿を頂けるかわかりませんが、よろしくお願いいたします、先生!
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