このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。
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目 次
★第26号をお届けします
☆【連載】玩物創始 第5回(稲岡勝)
★【連載】趣味の日本近代出版史 第25回(河原努)
☆【連載】台湾出張記 第3回(楠本)
★ざっさくプラスニュース
☆出版ニュース
★「皓星社友の会」のご案内
☆編集後記
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★第26号をお届けします
皓星社メールマガジン第26号をお届けいたします。
このメルマガでは月に一回、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、近代出版研究所の活動報告も配信してまいります。
お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。
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☆玩物創始
第5回 博文堂研究の新紀元――『原田庄左衛門家資料目録』(行田市郷土博物館)
稲岡勝(明治出版文化史)
何の気なしに博文堂をキイワードに検索していたら、とんでもない資料が目に飛び込んできた。①『原田庄左衛門家資料目録』(行田市郷土博物館収蔵資料目録 2021年3月)、②「原田庄左衛門『日誌第壱号』(従明治二十二年七月)」解題(研谷紀夫)・翻刻(渡辺桂子等)(行田市郷土博物館研究報告10 2020年3月)である。
おっとり刀で国会図書館に駆けつけ一見に及んだ。これだけの資料が今日まで散逸せずによく遺っていてくれた、これが偽りのない実感。
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★趣味の日本近代出版史
第25回 出版人でもあった富本一枝――山の木書店のこと
河原努
■出版にも携わった文化人
他所の版元はどうなのかわからないが、弊社では割と他の人の編集作業を手伝う。国会図書館などでのコピーや著作リストの制作・整理、略歴の作成などは私が頼まれることが多く、来月刊行予定の『新しい女は瞬間である 尾竹紅吉/富本一枝著作集』(足立元編)もそうやって手伝った一冊だ。編集担当の楠本に「尾竹の略歴をお願いできますか?」と渡された年譜を読んでいくと「1948(昭和23)年」の項目に「陽とともに児童図書出版、山の木書店創立。」とあった。本連載の第1回も版画家・美術史家の小野忠重が出版人でもあったという事実を取り上げたが、出版にも携わった文化人というケースに再び出会ったのであった。
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☆台湾出張記
第3回 世間に文学あり 国立台湾図書館、女書店、国立台湾文学館
楠本夏菜
第1回から4ヶ月、台湾出張からはもうすぐまさかの半年が経とうとしていますが、こんにちは。楽しかった思い出を、誰が読むでもなくただただハッピーのままに反芻するためだけに書き残す連載【台湾出張記】。最終回の今回は、台湾の国立図書館や最も興味のあったフェミニズム専門書店、そして国立文学館をご紹介します。
■国立の図書館がどうして三つも? 国立台湾図書館
朝から雨模様の4日目、この日のメインは国立台湾図書館です。日本の国立図書館といえば国会図書館(NDL、東京本館および関西館)ですが、台湾には、今回訪れた①国立台湾図書館(新北市)、そして②国家図書館(台北市)、③国立公共資訊図書館(台中市)という三つの国立図書館があります。
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★ざっさくプラスニュース
【先月からの新規登載情報】
〇不二出版様提供分
下記の雑誌目次の提供を受け「ざっさくプラス」に登録しました(1誌1515文献)
「情況」創刊号(1968年8月)~101号(1976年12月)
〇独自登載分
「体育と競技」創刊號(大正11年3月)~第19巻第12號(昭和15年12月)
※東京高等師範学校内の体育学会が編集、目黒書店が発行した月刊誌。野口源三郎、大谷武一、金栗四三らが執筆。戦時中に他誌と合併して「学校体練」に。第一書房からの複製版があり、20年分5814文献を登載。
「わが町あれこれ」第1号(1994年2月)~第27、28合併号(2000年10月)
※東京南部(大田・品川・目黒・港)地域の文学ネットワーク誌で、編集兼発行人は城戸昇。小関智弘、望月新三郎、青木正美、山高登、小出昌洋、うしおそうじらが寄稿。埴原一亟の追悼小特集なども。全25冊。
「月刊東北」第1號(昭和19年9月)~第2巻臺12號(昭和20年12月)
※河北新報社の月刊誌。太宰治の小説「女賊」(掲載時タイトル「髭候の大尽」)の初出誌。榊山潤、大池唯雄、渡辺啓助、神保光太郎、伊藤永之介、石坂洋次郎らが寄稿。宮城県図書館所蔵の完全揃から作成。全16冊。
「竹とんぼ」第1号(昭和29年2月)~第2巻第49号(昭和61年8月)
※日本郷土玩具の会の会報。牧野玩太郎、佐藤ひさし、山田徳兵衛、斎藤良輔や、武井武雄、宮尾しげを、本山桂川、須知善一らが執筆。国会図書館所蔵分から1期・2期併せて2436文献を登載。1期26号、2期41号と44号欠。
「オールユーモア」第1号(昭和37年6月)~第2号(昭和37年7月)
※一水社発行のユーモア小説誌(月刊)。宇井無愁が主導、獅子文六、辰野九紫、佐々木邦、源氏鶏太、徳川夢声、玉川一郎、宮崎博史、北町一郎、小野耕世らが寄稿。創刊号は国会図書館未所蔵。2号以降未見。
【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】
ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。
①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)
②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)
どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。
詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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☆出版ニュース
【新刊】
『歌誌月光79号』
福島泰樹(主宰)他編、7月3日刊行、定価1,000円(+税)
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、月光の会主宰・福島泰樹の第34歌集『百四十字、老いらくの歌』。2023年度日本歌人クラブ大賞は、本歌集を中心とする永年の功績に贈られました。
福島泰樹による歌集抄録のほか、インタビューでは、旧知であり歌集の装丁を担当した装丁家・間村俊一。福島との出会いから40年以上が経った今、これまでのエピソードや「文体そのものがノスタルジック」であるというその作品の魅力を、様々な角度から改めて探る。また、新連載として大和志保による短歌時評もスタート。
窪田政男歌集『Sad Song』
7月21日刊行、定価2,000円(+税)
十二月のimagine「想像してごらん」命令形じゃなく僕らはいる
死へと限りなく近づきながら生にとどまった歌人は、短歌によって、世界の痛みに寄り添い、触れようとする。第1歌集『汀の時』から6年、この第2歌集には、2017年から2023年までの367首を収録しました。
『新しい女は瞬間である 尾竹紅吉/富本一枝著作集』
足立元編、8月18日刊行、定価2,700円(+税)
尾竹紅吉(本名・富本一枝、1893~1966)は、男性中心主義の美術の世界で筆をとり、また10代で参加した『青鞜』誌上では、女を愛し、バーや遊郭を取材するなど、その自由奔放なふるまいから「新しい女」として世間のバッシングを受けた。その後も、陶芸家・富本健吉の妻として、子を育てる母として、社会に立ち向かうことを決して諦めなかった姿は、今なお私たちの胸を強く打つ。
彼女を今日の芸術家としてよみがえらせたい。日本近代美術史・文学史における再評価をこえて、彼女の存在や声がより身近な存在として現れるように。
尾竹生誕130周年の今年、時代を先駆け、美術と言葉の領域を力強くとびこえてみせた思考を、詩・小説・エッセイなど多彩な作品を通して追う。
『シリーズ紙礫18 血の九月』
皓星社編集部編、8月24日刊行予定、定価2,000円(+税)
関東大震災は、被災者が朝鮮人を襲った人災として記憶される。シリーズ紙礫第18弾は、関東大震災における朝鮮人・日本の社会主義者たちの虐殺を描いた作品を集めた。震災直後に書かれた数少ない朝鮮人・社会主義者の虐殺を真正面から取り上げた表題作、かわぐちかいじが大杉栄・伊藤野枝虐殺を描いた「謀殺大尉」、中川五郎が虐殺を唄い継ぐ「朝鮮人虐殺三部作」(YoutubeへのQRコード付き)で構成される。歴史に恥じない行為は、歴史を直視することから始まる。
『黒旗水滸伝 大正地獄篇』 上・下
竹中労著、かわぐちかいじ画、8月24日刊行予定、各巻定価3,000円(+税)
時は大正。無政府主義者・大杉 栄、神出鬼没の和田久太郎、浅草十二階下を彷徨う美的浮浪者・辻潤、関東大震災の死屍累々……。大杉殺し、真犯人は甘粕正彦か? ステッキ銃を手に大逆を企てる難波大助。黒旗の下に集いし美女・豪傑・怪人・革命家、窮民の街に次々と役者は揃って、熾き火はチロチロ赤い舌を這わす。1975年から、『現代の眼』誌上に連載された幻の傑作、待望の復刊!
【増刷情報】
「図書新聞」2023年7月29日号
※「2023年上半期読書アンケート」で大尾侑子さんが取り上げてくださいました!
曰く「笑いあり、おどろきあり。痒いところに手が届く絶妙なラインを攻める。長生きしてほしい雑誌」。
【フェア情報】
『調べる技術』著者の小林昌樹さんに選書して頂いた「「調べる技術」の小林昌樹が選んだ「調べの本」50選」フェアを、現在下記の書店様で開催中です。各書店様では小林さんが各書籍につけたコメントポップをまとめた冊子も無料配布しています。今後、フェア実施書店は増えていく予定です。開催をご希望の書店様、ぜひご連絡ください!
開催店舗様(開始順)
・東大生協本郷書籍部 様
・丸善 津田沼店 様
・くまざわ書店 武蔵小金井北口店 様
・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 様
・ブックファースト アトレ大森店 様
・ジュンク堂書店 柏モディ店 様
・丸善 仙台アエル店 様
・丸善 博多店 様
・ACADEMIA イーアスつくば店 様
・丸善 多摩センター店 様
・紀伊國屋書店 新宿本店 様
・慶應義塾生協三田書籍部 様
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・丸善 丸の内本店 様(終了)
・紀伊國屋書店 梅田店 様(終了)
・丸善 日本橋店 様(終了)
・ジュンク堂書店 大宮高島屋店 様(終了)
以降も
・東大生協駒場書籍部 様
・ブックファースト 新宿店 様
・紀伊國屋書店 広島店 様
・紀伊國屋書店 福岡本店 様
などでもフェアが開催される予定です。
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★「皓星社友の会」のご案内
ご好評をいただいている「皓星社友の会」、2023年度(2023年7月〜2024年6月)を募集中です!
友の会は、2020年コロナ禍における「ざっさくプラス」の無償公開を機に、弊社の書籍やデータベースをご愛読・ご愛用くださる会員の皆様の便宜と、皆様と弊社スタッフの間で交流を図ることを目的とし設立いたしました。
【ご参加の条件】
上記の趣旨にご賛同くださる個人の方。(法人様のお申込みは受け付けておりません)
弊社の新商品(書籍・データベース)や、「ざっさくプラス」のバージョンアップに際して、アンケートやヒアリングにご協力いただける方。
【特典】
・友の会割引 弊社のすべての出版物を、15%引、送料無料でご購入いただけます。
・皓星社主催のイベント参加割引
・ざっさくプラス利用権(基本プラン)
・ご希望の雑誌の目次をざっさくプラスに搭載(時期は相談)。雑誌を貸していただける場合は、入力データを提供します。
・お誕生日プレゼント(お好きな本を1冊プレゼントします。値段を問いませんが、一部例外があります)
【価格】
一般:年間12,000円 学生:6,000円 (税別)
※学生割引を希望する方は、ご所属大学ドメインのメールアドレスでお申し込み下さい。
【ご契約期間】
ご契約は、毎年7月1日から1年間とさせていただきます。7月以降もお申し込みいただけますが、年度途中参加でも金額は変わりません。また、年度途中退会の場合も、返金は行いません。
…詳しくはこちら。
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☆編集後記
『新しい女は瞬間である 尾竹紅吉/富本一枝著作集』、本日本文・装丁まわりを脱稿しました。入稿日直前はゲラ直し作業を夢にまで見るほどで、実際の入稿当日にも装画をご担当いただいた及川真雪さんと一緒に色校の確認を行うなど最後の最後まで綱渡りでした(イラストレーターさんに弊社のパソコンで直接色味の調整をしてもらうなんて、入社以来初めての光景です……ありがとうございました)。8/18頃から書店に並ぶ予定です。事前のご予約も承っております。
「この間の研究会だかその前だったか忘れたけれども、らいてうにまた子供が一人出来たと聞いた紅吉の顔は実に見ものだった。然しそれは猫の事だと分かった」。『青鞜』1913年1月号の編集後記を読んでいて、当時平塚らいてうに恋していた彼女の、驚愕と打ちのめされるような孤独感を自分のことのように思いました。どれだけ心を通わせていても同性というだけではじかれる関係があり、逆に異性というだけで簡単に踏み越えられ、社会からの承認を得られる関係になれる事実にいつも混乱します。
台湾出張記も今月でようやく終わりました。出張中、同性婚合法化の印象について尋ねてみると、日本より進んでいるように見えても世代によっては抵抗感を示す方もおり、その理由もこの国で嫌というほど耳にする根拠のない忌避感だとも感じました。
今月は誕生日だったのですが、この年になると同級生の結婚・出産のニュースをちらほら聞くようになります。これから生まれてくる子どもたちに、大正時代から令和まで何の進歩もない130年だったとは思われたくはありません。(楠本)
夏コミのご案内です。書物蔵・近代出版研究所として参加、2日目の8月13日【東プ48a】です。新刊は「近代出版研究叢書・資料編3」として『出版文化人物事典稿2023/放談・出版ジャーナリズムに出版史を求めて』(124頁、頒価2000円)になります。2 in 1で、片方は私が書きためている『出版文化人物事典』改訂版のための原稿120人分を蔵出し、もう片方は小林昌樹・森洋介・戸家誠に私の4人で「出版ジャーナリスト」について話した放談になります(50頁・45000字)。小林所長の解説めいた「「出版ジャーナリスト」「出版評論家」の語誌――放談会記録を読んで」も収録。コミケの後は弊社ウェブストアで通販する予定です。『近代出版研究』2号では「近代出版人訃報一覧(仮)」を予告していましたが、なかなか手が回らず……。(河原)
7/22、ときわ書房志津ステーションビル店さんで行われた、志津スモールブックフェスに参加してきました!こちらは『新古書ファイター真吾』の大石トロンボさんのお膝元、この本を日本で一番推してくれている書店さんです。当日はトロンボさんもきてくださり、一緒に出店したカンゼンさん、303Booksさん、十七時退勤社さんとともに大盛り上がりでした。手売りはやっぱり楽しいですね。そして、今年も神保町ブックフェスティバルが近づいてきました。詳細は近日公開です。(晴山)
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第26号をご一読いただきありがとうございました。
今月は小林昌樹さんの連載「大検索時代のレファレンス・チップス」はお休みです。
先月シリーズ紙礫の17冊目として『文豪たちの関東大震災』を発売しましたが、8月には同書の姉妹編となるシリーズ紙礫18『血の九月』や、弊社の好評既刊久しぶりの復刊『黒旗水滸伝』(竹中労著・かわぐちかいじ画)が同時刊行されます! ご期待ください!
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