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皓星社メールマガジン 
第二号
2021年7月23日
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このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。

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  目 次

   ★第二号をお届けします

   ☆在野研究者のレファレンスチップス 第二回(小林昌樹)

   ★書評未満/抄記以上 第二回(森洋介)

   ☆趣味の日本近代出版史 第二回(河原努)

   ★ざっさくプラスニュース

   ☆出版ニュース

   ★編集後記

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★第二号をお届けします

いつも弊社刊行物をご愛読、またデータベースをご愛用いただき誠に有難うございます。皓星社メールマガジン第二号をお届けいたします。

このメルマガでは、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、弊社付属機関である近代出版研究所の活動報告も配信ししてまいります。

月1回の配信予定です。お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。

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☆在野研究者のレファレンスチップス

第二回 ネット上で確からしい人物情報を拾うワザ――国営の典拠DBを人名事典として使う

小林昌樹(図書館情報学研究者)

 

本を読んでいたり、書きものをしていて困るのは、自分の知らない固有名、とくに人名が出てきた時だろう。織田信長、吉田茂などの超有名人なら、広辞苑や百科事典、人名辞典を引けば出てくるし、ネットならGoogle経由でウィキペディアをすぐ引ける。しかし、それらで見つからない時にどうすればよいか。

■人物調査の三類型

実は、人物情報の調べは、有名人、限定的有名人、無名人の3つに分けて調べると効率がよくなる(これは私が16年前に発見したノウハウ)。

・表1 人物調査の三類型

いままで物を書く場合などで出ずに困っていたのは、みんなしてa有名人――むしろ「超有名人」というべきか――用の、人名事典類を引いていたからである。本などに出てくるのに経歴が不明で困るような「限定的有名人」はbの、時代業界限定の紳士録類を引かないといけなかったのだ。レファ司書の重要な仕事は、こういった問い(を発する人が、答えが載っていると思いこんでいる資料)と答え(が実際に書いてある資料)のミスマッチを交通整理することだ。

 

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★書評未満/抄記以上

第二回 『物語岩波書店百年史』は一般出版史として読める読み物

森洋介(書物蔵・選)

 

■紅野謙介『物語岩波書店百年史 1 「教養」の誕生』岩波書店、二〇一三年九月

 読了201435

 文学に厚く哲学に薄いのは、著者の属性よりして已むを得ぬ傾きなのか。哲学叢書で名を成した岩波書店なれば、古屋芳雄の若書き小説に筆を割くくらゐならもうちょっと西田幾多郎以外の哲学書の中身を検討しても良かりさうなもの。新カント派といふ語すら出てこなかったやうな。

 第八章「美しい本をつくる」中「一 装幀、印刷、製本」にて、最初期の発行図書『儒家理想学認識論』の版面への批評は当を失してゐる。曰く「句読点などの約物類が扁平で、無理矢理、字間に押し込められた印象である。碁盤の目のように文字が配列された紙面で、逆にその整然とした秩序が読書の速度やリズムに合っていない」(p.244)。国会図書館デジタルコレクションで版面を確認できるが、本文字間四分アキでその空きの部分に句読点を詰め込む組み方は、漢籍風で古めかしく感ずるかもしれないが、昭和戦前期まで学術書には普通にあったタイポグラフィーに過ぎない。

 

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☆趣味の日本近代出版史

第二回 児童文学雑誌『飛ぶ教室』から(1)実業之日本社の3人の児童文学編集者

河原努(皓星社)

 

■ざっさくプラスの登載方針

私の仕事の一つに雑誌記事索引データベース「ざっさくプラス」に登載する雑誌の選定・準備がある。「お知らせ」の「昨年からの新規登載情報」、メールマガジン「先月からの新規登載情報」の“独自登載分”はその結果で、登載時系列順(の早い順)に並んでいる雑誌タイトルを分野別に再配列してみると、私がどのような分野を“優先的に登載していきたい”と考えているかが読み取れよう。「出版社PR誌」「企業PR誌」「ある分野で有名な雑誌」…それらと並んで今後力をいれたいと思っている採録分野の一つに「児童文学」があり、その第1弾として光村図書出版の『飛ぶ教室』(の第1期,昭和56年~平成7年)に白羽の矢を立て、先日登載したばかりである。平成17年の復刊以降分は第1号から国立国会図書館「雑誌記事索引」の採録対象となっているので、これで1期・2期を通じての検索が可能になった。

 

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★ざっさくプラスニュース

zoom商談・使い方ガイダンス 始めます】

Zoomを使ったご案内を始めます。ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。

1回30分単位~ご予約いただけます。ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。

 

【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】

ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。

 ①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)

 ②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)

どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。

詳しいお話をお聞きになりたい方、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

【先月からの新規登載情報】

〇独自登載分

「フォークロア」第1号(平成6年3月)〜第7号(平成7年3月)
※本阿弥書店の民俗学誌で「俳壇」の臨時増刊。年6回刊で全7冊。谷川健一、山折哲雄、内藤正敏、杉山二郎、中瀬喜陽らが執筆。特集は「暮らしの中の「七」」(2号)、「遠野への視座」(5号)、「「占い」の民俗」(7号)など。

「處女地」第1號(大正11年4月)〜第10號(大正12年1月)
※島崎藤村が発行した婦人文芸誌(處女地社)。鷹野つぎ、生田花世、横瀬多喜、辻村乙未らが執筆。白帝社からの複製版あり。先日、永渕朋枝著『無名作家から見る日本近代文学 島崎藤村と『処女地』の女性達』(和泉書院)が出た。
 
「紅(紫紅会)」第1号(昭和31年2月)〜第150号(昭和64年1月)
※札幌市の岩田醸造会社内紫紅会発行の随筆雑誌。森本三郎、湊正雄、外山滋比古、亀山巌、坂本一敏、福本和夫、蘭繁之、吉阪俊蔵、五所平之助、風巻景次郎、河邨文一郎、更科源蔵らが執筆。最終号の総目次より登載。

「FRAME」1号(1990年7月)〜3号(1991年10月)
※Idee Pressの美術理論誌。阿部良雄、岡崎乾二郎、松浦寿夫、小林康夫、松枝到、上田高弘、上野俊哉、北澤憲昭、岡崎京子らが執筆。テリー・イーグルトン、針生一郎らのインタビューも。全3冊。

「労働婦人」第1冊(昭和2年10月)〜第73冊(昭和9年2月)
※日本労働総同盟婦人部の機関誌。赤松常子、赤松明子、斎藤健一、鈴木文治、阿部静枝、藤島けい子らが執筆。法政大学出版局からの復刻版あり。

「物語」創刊号(平成2年7月)〜第2号(平成4年7月)
※砂子屋書房の国文学・民俗学誌。赤坂憲雄・兵藤裕己・百川敬仁の共同責任編集。古橋信孝・三浦佑之・高木史人らが執筆。特集は「折口信夫以後」(1号)、「都市と物語」(2号)。3号は南島論の特集が予定されているが、2号以降未見。

「著者と編集者」1巻1号(昭和44年12月)〜18号(昭和47年3月)
※東洋出版(と創紀房)の「著述者と編集者のための専門誌」。美作太郎、福島鋳郎、高崎隆治、進藤純孝、内村剛介、横尾忠則、吉村昭らが執筆。特集は「検印と検印廃止について」(1号)、「太宰治と編集者」(3号)など。

「甘辛春秋」秋の巻(昭和43年10月)〜冬の巻(昭和48年12月)
※老舗和菓子屋・鶴屋八幡の季刊PR誌で、有名な食味雑誌「あまカラ」の後継誌。創刊号の巻頭は志賀直哉・里見弴の対談。司馬遼太郎、小松左京、今東光、坂口謹一郎、土井勝らが執筆。全22冊 。

 

CASCO」第1号(19995月)〜第6号(20074月)

※衣笠潔子の個人誌。表紙は寄稿者でもある林哲夫で、大西隆志、加納成治、木村和史、田村周平、夏目美知子、布村浩一、北條一浩、水島英己らが執筆。全6冊。

 

「近代婦人」第1巻第1号(昭和72月)〜第1巻第3号(昭和74月)

※近代婦人社の女性雑誌。平塚らいてう、高群逸枝、伊福部敬子、大聖寺優子、河合道子らが執筆、緑蔭書房からの復刻版あり。全3冊。

 

「季刊断崖」第1号(19728月)〜第3号(19799月)

※皆美社の雑誌。編集同人は浅田好明、石川弘、岸田幸四郎、久保義信、関口弥重吉、千佐登志夫、野口達雄。他に阿部昭、饗庭孝男、金井直、新藤凉子らも執筆。全3冊。

 

「旬刊台新(復刻版)」第1巻第1号(昭和197月)〜第2年第11号(昭和204月)

1944年に台湾主要6紙の統廃合により誕生した台湾新報社が出した雑誌。森於菟、西川満、矢野峰人、山本孕江、金関丈夫らが執筆。緑蔭書房からの復刻版あり。

 

LOTUS(ロータス)」創刊号(1967年)〜第28号(1994年)

※立正大学教養部の論集で、1994年教養部廃止のため廃刊。金子勝、藤原裕、大森道子、中林孝雄、山下正治、小谷幸雄、勝浦吉雄、中村禎里、帆足図南次、鈴木安蔵、富田仁、嶋岡晨らが執筆。

 

50冊の本」第1号(19785月)〜第32号(19813月)

※玄海出版の本の雑誌(月刊)。「著者自評」の他、谷沢永一「匿名批評月旦録」、向井敏「なつかしい新刊」、岩男淳一郎「絶版文庫発掘ノート」、塩澤実信「作家の運命を決めた一冊の本」などを連載。全32冊。

 

「飛ぶ教室」創刊号(198112月)〜FINAL創作特集号(19954月)

※光村図書出版(と楡出版)の季刊児童文学雑誌。石森延男・今江祥智・尾崎秀樹・河合隼雄・栗原一登・阪田寛夫が編集人。「雑誌記事索引」は2005年の復刊後からの採録で、第1/2期を通しての検索が可能に。

 

NDLデジタルコレクションからの追加分

「真相」創刊号(1946年3月)〜第113号(1958年2月)
※占領期に一世を風靡した左派の暴露雑誌(人民社→真相社)。国立国会図書館デジタルコレクション+その欠号分を三一書房からの復刻版総目次で補った。109〜112号は欠。

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☆出版ニュース

【新刊】

長澤延子全詩集630日刊

 福島泰樹編。17歳で夭折した詩人・長澤延子の現存する全ての詩稿、手記を掲載。没後70年を迎えた今年、その濃密な詩業の全てが明らかになります。また装丁は、テキスタイルデザイナー・新井淳一氏の布(青・紫の2種類)を使用した布クロス装です。

 

【近刊】

天河庭園の夜730日刊

 福島泰樹著。2020年に前衛歌人・岡井隆が没しました。寺山修司、吉本隆明、冨士田元彦、小野茂樹、岸上大作、桶本欣吾……叛逆の時代を共に生きた者たちへ捧げる第33歌集。

巻頭の一首。「歳月は蜜であったろ厳かな罰であったよ 雲ながれゆく」

 

新版 吹雪と細雨730日刊

 清原工著。ハンセン病との闘いの日々を『いのちの初夜』などの作品に残した作家・北條民雄。その苦悩と功績を辿る評伝の増補版です。コロナ禍、そして国のハンセン病隔離政策を憲法違反とした熊本地裁判決から20年の今年だからこそ学ぶべき事実があります。

 

【増刷】

訴歌 あなたはきっと橋を渡って来てくれる822刷出来

 ハンセン病療養所で詠まれた作品を、編者阿部正子が「希望」「ふるさと恋し」「偏見」など1000のテーマで排列。短歌、俳句、川柳のハーモニーが深い余韻を残す異色のアンソロジーです。朝日新聞夕刊やNHKラジオ他メディアで多数取り上げていただき、この度増刷が決定いたしました!

 

(定価は全て税別です)

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★編集後記

先日図書館で何の気なしに手に取った某出版社のアンソロジー。目当ての作品のページを探そうと目次を見ると、作品に振られたページ番号が重複していたり前後入れ替わっていたり、そもそも作品先頭ページの番号ですらなかったり……と稀に見る大クラッシュの一冊でした。誤植を見つけるや鬼の首を取ったように連絡してくる読者もいると聞きますが、ここまでくると当時の編集作業がいかに修羅場だったか思いを馳せずにはいられません。あなたの死(?)は無駄にはしません、と新人は名も知らぬ先輩同業者に誓ったのでした。(楠本)

 

週に12回、「ざっさくプラス」に登載する雑誌の目次と奥付をコピーするため国会図書館(NDL)へ行く。NDLでは自分でコピーできないので、カウンターに複写申込書を提出しなくてはならないのだが、月刊誌1年分の雑誌をコピーするためには申込書に「目次」「奥付」と12回ずつ書く必要がある。30年分で2種×12ヶ月×30年で合計720回!滞在時間に限りがあるのでスピード重視、ミミズののたくったような“形”で「目次、奥付、目次、奥付…」と手を動かしていると「オレは生涯に何万回『目次』『奥付』と書くのか」とむなしい気分に。そんなことを社内でぼやいたら「目次」「奥付」のシャチハタを作ってくれた。昨日さっそく使ってみると「奥付」だけで充分と判明した(合計頁を記入する時に書き順の少ない「目次」も一緒に書くと、ペンから持ち替えるより効率的)。しかし、只でさえ顔を覚えられているのに(精算カウンターのお姉さんたちは無言で「Suica」の精算端末を差し出してくれる)、職員さんの中で“ハンコの人”とか言われるのかなあ。(河原)

 

阿部正子編『訴歌』、各紙に紹介が載り、多くの電話注文をもらっています。7月某日、たまたま私が電話をとると「もしもし、逗子駅前の椿書房です…」と同書の注文が。椿書房さんは私の住む町のお店だけれど、なにしろ殆ど神保町にいるのでちゃんとお訪ねしたことがない。「ちかくに住んでいるのでよかったらお持ちしましょうか」ということになって、その日の帰りがけにお届けした。納品の合間にも常連さんがやって来てお店の方と雑談し、おもてでは小学生が立ち読みをしていました。おもては晴れて、気持いい夏の夕方でした。その後も『訴歌』は注文が絶えず、増刷を決めました。(晴山)

 

『高橋和巳全集』(20巻)を買った。何度買い何度売ったことだろう。夢中になって読んだ学生時代から現在の間には、世俗にまみれた50年の深くて暗い河があって、向こう岸ははるか霧の彼方だが、突き動かされるような読後感は今も胸の内にある。今年後半はこれを読んで過ごす(つもり)。(藤巻)

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第二号をご一読いただきありがとうございました。

 

次号の河原努(皓星社)による【趣味の近代日本出版史】は、8月なので太平洋戦争に関連する話題を。広島に投下された原爆の残り火が、いまも福岡県八女市で「平和の火」として守り続けられています。それはある書店の焼け跡から採取されたものなのですが、その物語を含めて広島の原爆で亡くなった書店人を取り上げます。

また、前号にて近代出版研究所開設のお知らせを掲載しましたところ、ありがたいことに多方面よりご関心をお寄せいただいております。今年度内の所報刊行に向け、早速所内会議を進めておりますので、乞うご期待!活動についての詳細は随時お知らせいたします。

 

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