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皓星社メールマガジン 
第34号
2024年3月29日
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皓星社メールマガジン、第34号をお届けします。月に1度、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報、新刊案内、近代出版研究所の活動等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方、これまでご縁があった方にお送りしています。お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。

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 目 次
 ☆【連載】趣味の近代日本出版史 第32回(河原努)
 ★【連載】神保町のんしゃら日記3  2024年2月(晴山生菜)
 ☆ ざっさくプラスニュース
 ★ 出版ニュース
 ☆近代出版研究所だより
 ★「皓星社友の会」のご案内
 ☆編集後記
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【連載】趣味の近代日本出版史

第32回 文芸春秋の第1回入社試験――小林英三郎と柳沢彦三郎と

                                     河原努

前回取り上げた築井健人の実弟が横浜事件に巻き込まれた元改造社の編集者・小野康人だったことから、この事件がらみの文書から情報が拾えるかもと、以前に南部古書会館で近代出版研究所が入手した「横浜事件会報1号(1986)~40号(2000)」というファイルを引っ張り出してきた。中に綴られているのは「横浜事件再審裁判を支援する会」の会報、40号まで欠号なしの揃い。小野と築井の関係を示す記述がないかと全てのページに目を通す。もちろん再審裁判の報告などが主だが、関係者が高齢となっており、たまに訃報や回想文が混じってくる。こういったものも人名事典の材料として重要なのだ。

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 ★【連載】神保町のんしゃら日記 第3回(晴山生菜)

2月4日(日)午前、新刊の打ち合わせ。午後は先週手が回らなかった事務仕事をしているとあっという間に夕方に。夜、さあもう寝るしたくでもしようかと思いながらリビングにいると電気が消えて

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☆ざっさくプラスニュース

【本文閲覧機能、β版を公開します】

4月26日より、ざっさくプラスで、一部雑誌の本文を閲覧できるようになります。 

国会図書館にはない雑誌、デジタル化されていない雑誌を中心に登載していきます。

第一回登載タイトルは以下の予定です。

 「みくに」創刊号〜9巻3号

 「滑稽風雅新誌」55号〜「風雅新誌」第90号(欠号あり)

 「教室童話」昭和19年11月号〜昭和20年2月号

 「吾妻新誌」23号〜44号、107号〜125号(欠号あり)

 「修身研究」1巻2号〜3巻6号(欠号あり)

 「現株世界」第二巻第2号

 

【先月からの新規登載情報】

新規登載雑誌は、X(旧Twitter)ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)で随時お知らせしております。真面目なものからとぼけたものまで、世の中のいろんな面白い雑誌を紹介していきます。フォロー&リアクションいただければ励みになります

 
〇今井館教友会様提供分

内村鑑三の活動拠点として知られる今井館教友会様から、下記の雑誌目次の提供を受け「ざっさくプラス」に登録しました(8誌12264文献)

「復活の生命」第1号(1942年1月)~第4号(1942年4月)
「すきのは」第1号(1975年5月)~143号(2018年7月)
「聖書の農村」第1號(昭和9年10月)~第39號(昭和12年12月)
「聖書愛読――ひとり学ぶ友に――」第1号(1964年1月)~第180号(1978年12月)
「キリスト敎常識」創刊号(1946年5月)~第244号(1980年12月)
「福音と信仰」創刊号(1982年5月)~第13号(1989年4月)
「待晨」第3号(1950年8月)~第600号(2002年11月)
「東京獨立雑誌」1(明治31年6月)~72(明治33年7月)

 

〇丸善雄松堂様提供分

下記の雑誌目次の提供を受け「ざっさくプラス」に登録しました(3誌2588文献)

「季刊映画研究」第1巻第1冊(1941年7月)~第3巻第5冊(1942年12月)
「漫画 ―見る時局雑誌―」1968年1月号(1968年1月)~1917年10月号(1917年10月)
「明六雑誌」第1号(1874年4月)~43号(1875年11月)

「Maruzen eBook Library」を契約されている機関様では、「ざっさくプラス」の詳細画面から1クリックで当該号本文ページへ移動できます。

 

〇独自登載分

「野性時代」第1巻第1号(1974年5月)~第20巻第2号(1993年2月)
※角川書店の文芸総合誌。横溝正史、大藪春彦、西村寿行、赤川次郎、片岡義男、畑正憲、津本陽、和久峻三、富野由悠季らが執筆。創刊号からリニューアルで休刊する1993年2月号までの約20年間、10404文献を登載。

 

「電撃hp」第1号(1999年1月)~第50号(2007年10月)
※メディアワークス発行が発行した電撃文庫の母艦的なライトノベル雑誌。山中智省様からご協力を得て、2201文献を登載しました。全50冊。

 

「電撃文庫MAGAZINE」第1巻第1号(2008年5月)~第13巻第2号(2020年4月)
※アスキー・メディアワークス→KADOKAWAが発行した電撃文庫の母艦的なライトノベル雑誌。2020年の休刊まで、4308文献を登載しました。全71冊。

 

「絵本の世界」7月(1973年7月)~4、5月合併号(1974年5月)
※名古屋のらくだ出版デザイン発行の月刊誌で、編集・発行人は内野悳郎。小河内芳子、赤座憲久、中川弘一郎、金森好子、田中稲積、御舩テル子、東ケ崎民代らが執筆。全10冊中、国会図書館欠号6冊を補充して登載。

 

…続きはこちらから

 

【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】

ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。

 ①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)

 ②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)

 

過去にお引き受けしたものに「日本の参考図書WEB版」があります。

どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。

詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

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出版ニュース

 
【新刊】
植民地教育史研究年報26 植民地と修身教育 朝鮮・台湾を中心に
日本植民地教育史研究会編、3月25日刊行、定価2,000円
「植民地教育史」をテーマとする学会「日本植民地教育史研究会」の年報第26号。今号では、朝鮮と台湾を中心とした「植民地教科書と修身教育」について特集しました。
 
【近刊】
北見継仁著、4月1日刊行、定価4500円
戦前、民俗学の勃興期に精力的に活動した佐渡の青柳秀雄についての初めての研究書が刊行されます。愛書家としても全国区で名を知られましたが、戦後、表舞台からは消えてしまいます。本書はその足跡を、同郷の郷土史家が年譜形式で丹念に辿った労作です。青柳が出版した郷土史誌の復刻・翻刻も収録!
解説 菊地 暁「民間伝承の会「支部」をめぐって」
   小林昌樹「ブックコレクターとしての青柳秀雄
 
岡部隆志著、4月4日刊行、定価2000円
「悲しむ」という行為について考えてみたことはありますか?
いつの時代も、社会や国家は人が「悲しみ」を引きずり過ぎることに否定的です。止まることのない「社会生活」は立ち止まることを許さず、悲しむ心を置き去りに日々は流れていきます。しかし万葉の時代から現在に至るまで、じつに多くの「悲しみ」が詠われてきました。市井の人々の短歌とは、忘却への抵抗でははなったでしょうか? 現代短歌と万葉集の接点を探る、新視点の短歌評論集が纏まりました。 
 
近代出版研究所編、 4月10日刊行、定価2300円
第3号の特集は「近代出版 調べる技術」。出版業界紙、白ポスト、風俗壊乱絵葉書、新聞の欄外記事と版次、饅頭本、明治期のパブリッシャーズ・マーク、出版流通の社史、税関検閲、読書週間の起源、1980年代のカセットブック……これまでほとんど論じられなかった近代出版の様々なテーマを取り上げます。今年も斯界の重鎮から気鋭の研究者、在野研究者・出版人までユニークな執筆陣が揃いました!
 
中我生直佑著、4月17日刊行、定価1500円
本好きにしか見えない本の妖精・夫久山徳三郎(ぶくちゃん)と、ぶくちゃんが住み着いている中規模書店・きらら書店の店員たちの日常を描いたお仕事漫画。著者の中我生直佑さんは現役書店員でもあり、書店の仕事がわかるミニコラム、著者のエッセイも収録しています!「下を向いていいのは本を読む時だけだぜ!」というぶくちゃんの言葉に、編集中なんども励まされました。帯コメントは紀伊國屋書店福岡本店の宗岡敦子さん、解説は現役書店員芸人として活躍するカモシダせぶんさんです。
 

【重版】

 『アナキズムを読む 〈自由〉を生きるためのブックガイド』

田中ひかる編、4月3日2刷出来、定価2,000円

格差、分断、差別、そして不自由を強いられる日常のなかで、私たちはどう生き、将来をどう思い描いたらいいのか。閉塞した社会に生きづらさを感じるあなたへ送る、〈アナキズム〉ーー「支配がない状態」という希望と解放の読書案内!
55のブックガイドと多彩なエッセイ・コラムのほか、編者の田中ひかるさんによる「アナキズムの歴史と現在」を収録しています。「アナキズムってなんだか怖いイメージ……」という方にこそ、読んでいただきたい入門書的一冊です。

 

【ピックアップ】

『古本乙女、母になる。』カラサキ・アユミ

3/16、古書会館さんで刊行記念トークイベントを開催、大盛況でした。聞き手の小山力也さんとの午前中の古本ハンティングの話から、子育てはもちろんファッションの話まで古本愛に満ちた2時間となりました。

嬉しかったのは、60人近い参加者のうち40名もの方が、アンケート用紙にしっかり感想をかいてくれたこと。今回のイベントでお2人のファンになりましたという20代の方もいらっしゃいました。ご来場くださったみなさん、聞き手の小山さん、古書組合のみなさん、本当にありがとうございました。

北九州市の情報誌「雲のうえ」最新号で、カラサキさんご一家が取材されています。北九州市以外でも入手できますので、ぜひご覧ください

「雲のうえ」取扱店  https://kumonoue.lets-city.jp/bookplace/

 

『新古書ファイター真吾』大石トロンボ

TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」との連動フェア「 #アトロクブックフェア2024 」が複数の書店さんで始まり、『真吾』も陳列していただいています!開催書店さんはこちら。

トロンボさん、活躍が続きます。

「ミステリマガジン」5月号に新作スピンオフ「新古書ファイター真吾vsシャーロック・ホームズ」が、「小説新潮」3月号に、エッセイ「ブックオフ・トーキョー」が掲載されています。ぜひ『真吾』と合わせてお楽しみください!

 

  【出版目録】

皓星社出版目録』2023年10月現在、在庫のある書籍300点弱を、書影・紹介文付きで収録しています。「書名索引」「人名索引」付き。

ご希望の方はこちらから。送料は無料です。 

 

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☆近代出版研究所だより
「近代出版研究叢書・資料編」第4弾の近代書肆懇話会編『帝国図書館コレクション案内――請求記号から見た蔵書構成』(定価2,000円、B5判70頁)、弊社ウェブストアで好評通販中です! 

 

近代出版研究 第3号』、完成しました。

今年もバラエティに富んだ内容になっております!

巻頭座談会は「「書物雑誌」と雑誌の「書物特集」」と題して、趣味から研究まで、戦後に出た本に関わる雑誌の全貌が! 附録の「書物雑誌論のために持ち寄った雑誌リスト」「書物雑誌創刊年表――『書物誌展望』採録」も含めると堂々60頁余。

 

・【座談会】「書物雑誌」と雑誌の「書物特集」――『近代出版研究』の先祖調べ、あるいは偽系譜作りの試み 所員一同ほか
・『岩波月報』総目次(一九三八年一月号―七月号) 大澤聡
・出版界の業界紙について――調べた事と知っていることを少々 戸家誠

 

【特集 近代出版 調べる技術】

・特集 近代出版 調べる技術 小序 編者
・エロ研究のリファレンス書籍ガイド・エロ本編 安田理央
・本屋の調べ方――「本屋誌」のための方法 松永弾正
・『出版文化人物事典』における人物調査の方法 河原努
・出版統計と助数詞――「冊」から「点」へ 小林昌樹

 

・火災保険地図の再発見――都市整図社版「火保図」の国会図書館への寄贈と復刻 辻原万規彦
・さらば! 兵庫県西宮市の白ポスト――悪書追放運動を聖地巡礼する 大尾侑子
・春画透かし絵葉書 松﨑貴之
・酸っぱいブドウかお宝か――欄外記事という課題 附・新聞の版次について 藤元直樹
・饅頭本(追悼録・遺稿集等)という名称の成立と特色と 鈴木宏宗
・明治期における裏表紙のパブリッシャーズ・マークに関する一考察 神保町のオタ
・社史の中で生活する人 雅子ユウ
・もう一つの出版検閲――戦時下の税関検閲について 安野一之
・昭和七年「雑誌祭」の謎――読書週間と図書祭の狭間に 木村悠之介
・「耳で聴く本」を謳うオーディオブック探訪記――一九八〇年代のカセットブック 山中智省
・黒岩比佐子さんと横田順彌さんとの思い出 嵯峨景子
・私の書籍・出版書誌 大久保久雄

・武者小路信和君を偲んで 田村俊作

・版権保護の始め――版権免許証とその裏書 稲岡勝
・書評『貸本屋と新聞縦覧所と図書館と 近世近代読書装置への史眼 (廣庭基介セレクション)』 鈴木宏宗

 

実は、4号の特集はすでに決まっており、ロングインタビューも古本活用に長けたビッグネームに内諾を頂いています。乞ご期待。

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「皓星社友の会」のご案内
友の会は、2020年コロナ禍における「ざっさくプラス」の無償公開を機に、弊社の書籍やデータベースをご愛読・ご愛用くださる会員の皆様の便宜と、皆様と弊社スタッフの間で交流を図ることを目的とし設立いたしました。
友の会割引、イベント参加割引、ざっさくプラス利用権など、得点多数。

…詳しくはこちら

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☆編集後記

 

神保町の韓国書籍専門店・チェッコリで開かれた、「非婚」をテーマにした韓国エッセイ二冊のクロストークイベントに伺いました。編集担当の方のお話は勉強になることが多く(語学の勉強を頑張ろうと思いました)、後半には著者のクァク・ミンジさんがオンラインでサプライズ参加されました。同性婚訴訟について札幌高裁が違憲判決を出した日の夜だったこともあり「日本の判決結果が韓国にも影響を与える」と仰っていたのが印象的でした。

先日、十数年来の友人と「結婚式に誰を呼ぶか」という話をしていた時、彼女の口から初めに出たのは私の名前でした。嬉しい、当然だ、という気持ちより、やはり私は参列する側なのだ、と思ってしまったことをどう処理して良いか今でもよく分かりません。台湾・ネパールに続き、一昨日タイの下院議会でも同性婚を認める法案が可決されました。保守系の議員は議論が進めばなどと言っていましたが、制度が先か世論が先か、考えを改めて欲しいと強く感じています。(楠本)

 

年が明けてから北見継仁『知られざる佐渡の郷土史家・蒐集家――青柳秀雄の生涯とその業績』、中我生直佑『本の妖精 夫久山徳三郎 今日も書店に現れる』、そして『近代出版研究』3号と三本同時並行で編集作業に追われ、それらが4月に立て続けに出ます。北見さんの本は、私たちの周辺では戦前の愛書家として有名ながら謎のベールに包まれていた、佐渡の郷土史家・青柳秀雄の資料集(年譜+復刻)。書物蔵さんから「青柳秀雄について調べている方から連絡があって……」という、まさかまさかの展開。青柳の全体像が初めて明らかになります。「夫久山徳三郎」はマンガ単行本の編集は初めてで、作品の中身に指摘をできるタイプの編集者ではないので「キャラクターが多いので人物紹介と店内図をつけましょう」「書店用語が多いのでミニコラムで対応して、余白にはパラパラ漫画を入れますか」といった外形的な作業にとどまりました。力の無い編集で申し訳なく……。最初に頂いたお手紙で中我生さんの以前の筆名を目にして「あれ、この名前、覚えがあるぞ」と調べたら、デビュー作が掲載された『アフタヌーン』四季賞の受賞小冊子を持っていました。本はいろいろ縁が繋がってできるものだと、改めて感じました。(河原)

 

3/23、3/24と第1回江坂ブックフェスタに参加し本の販売をしてきました。皓星社の本と、グループ会社のハッピーオウル社の絵本を半分こずつ並べての販売です。会場には大阪在住の歌人で『Sad Song』の著者の窪田政男さんも、つめたい雨のなか応援にかけつけてくれました。大変なことも多いですが、本を介して人と知り合い、知り合った人にまた本を手渡していけるというのは、幸いなことですね。仕事は楽しくなくっちゃ。ご来場くださった皆さん、呼んでくださった西日本出版社さん、ありがとうございました。(晴山)

 

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