皓星社メールマガジン、第42号をお届けします。月に1度、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報、新刊案内、グループ会社の絵本出版・ハッピーオウル社の新刊案内、そして近代出版研究所の活動等を配信します。ぜひお知り合いの方々へ転送、拡散をお願いいたします。さて、今年もあと残すところ一ヶ月、頑張っていきましょう。
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目 次
☆【連載】趣味の近代日本出版史 第40回(河原努)
★【連載】神保町のんしゃら日記10 2024年9・10月 (晴山生菜)
☆ ざっさくプラスニュース
★ じんぶつプラスニュース
☆ 皓星社出版ニュース
★ ハッピーオウル社出版ニュース
☆ イベント案内
★ 近代出版研究所だより
☆「皓星社友の会」のご案内
★ 編集後記
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☆【連載】趣味の近代日本出版史
第40回 編集者の展覧会――「編集者かく戦へり」展と「没後10年編集者・谷田昌平と第三の新人たち」展
河原努(皓星社・近代出版研究所)
■日本近代文学館へ
先日、近代出版研究所の会合で所員の森洋介さんが「そろそろ会期が終わるので、見に行かないと」と言う。そこで、駒場の日本近代文学館で開催されていた展示「編集者かく戦へり」展を見て来た【図1】。会期は「2024年9月14日(土)―11月23日(土・祝)」で、この原稿が公開されている日にはすでに終わっている。(中略)「武藤康史が編集委員をやっているだけあって、タイトルや導入文イントロが捻ってあっていいやね」「みて。この宇野浩二の自筆原稿、丸字だけど読みやすい。一緒に置いてある日記とは書きぶりが違うから、ちゃんと清書していたんだね」などと見どころを口にする森さん。一緒に回ると勉強になるなあ。
(……続きを読む)
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☆【連載】神保町のんしゃら日記10 2024年9・10月
晴山生菜(皓星社)
9月1日(日)ホームセンターでキウイの「紅妃」を買う。キウイは木に雌雄があり同じ系統を組み合わせないと実がならないそうだ。そとは断続的な雨。せっかくの日曜なのに庭仕事ができなくって残念だけど、雨が降る音は、いいなあ。
(......続きを読む)
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★ざっさくプラスニュース
【先月からの新規登載情報】
今月も新データベース「じんぶつプラス」のお披露目に伴い、そちらにリソースの大半を割いたので「ざっさくプラス」の登載件数は少なめです……。
〇今井館教友会様提供分
内村鑑三の活動拠点として知られる今井館教友会様から、下記の雑誌目次の提供を受け「ざっさくプラス」に登録しました(1誌3714文献)
「東京独立新聞」第1号(1960年5月)~第350号(1989年6月)
〇独自登載分
「jumpnovel(ジャンプノベル)」vol.1(平成3年8月)~vol.16(平成11年9月)
※集英社発行の小説誌で「週刊少年ジャンプ」の特別編集増刊。人気コミックのノベライズ他、高橋三千綱、立松和平、大沢在昌、山際淳司、村上龍ら作品を掲載。村山由佳、定金伸治、小川一水らは同誌出身。
「長崎平和研究」創刊号(1997年4月)~18号(2004年10月)
※長崎平和研究所発行の雑誌。19号からNDL「雑誌記事索引」に採録されており、1-18号を原本から補って全号通しての検索が可能に。
「季刊・藝能東西」1(1975年3月)~10(1977年7月)
※新しい芸能研究室(小沢昭一・小川洋三・山本益博)発行の雑誌で、小沢を編集発行人(編集長)とした。創刊号には永六輔、今村昌平、桂米朝、江國滋、矢野誠一、三田純市、大西信行、加藤武らが寄稿。国会図書館未所蔵。全10号。
「季刊・綜合文芸誌 ふぉとん」1(2006年1月)~15(2009年7月)
※ふぉとん社発行、冬花社発売の綜合文芸誌(季刊)で、編集発行人は辻章。三木卓、東賢次郎、井口時男、瀧澤清、和田作郎、本多順子、凪沢了、大槻慎二、出口冶章、前田速夫、佐伯一麦らが寄稿。15号で休刊。
☆じんぶつプラスニュース
11/5(木)-7(土)パシフィコ横浜で開催された図書館総合展で、弊社が現在開発中の人物情報データベース「じんぶつプラス」ベータ版のお披露目をいたしました。幸い、多くの方に興味を持って頂き、11/15(金)-29(金)の間には、来場された図書館様・個人の方々に第1回の実証実験にご参加いただきました。厚く御礼申し上げます。
いただいた感想を生かして、よりよいデータベースへと開発を進めていきます!
【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】
弊社は、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。図書館関係者の方から「科研で作られた有益なデータベースが、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いての取り組みです。
過去にお引き受けしたものに「日本の参考図書WEB版」があります。
詳しいお話をお聞きになりたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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★皓星社出版ニュース
【11月に出た本】
『長島愛生園・神谷書庫所蔵目録』
11月8日刊行、B5判並製 1320ページ 定価45,000円
岡山県瀬戸内市に位置する国立ハンセン病療養所・長島愛生園。その構内に、同園で働い
ていた精神科医・神谷美恵子(1914-1979)の名前を冠した「神谷書庫」という小さな図書室があります。長島愛生園に在籍していた患者有志が、全国のハンセン病療養所からこの図書室に集めたハンセン病関連の文献は日本屈指のものです。しかしながら、冊子体の蔵書目録はこれまで存在せず、機関紙「愛生」編集部に問い合わせるよりありませんでした。本書は、神谷書庫を管理する「愛生」編集部から所蔵データの提供を受けて刊行するものです。のちに寄贈された神谷自身の蔵書も含めて、その全貌が初めて明らかになります。
11月15日刊行、A5判並製 約350ページ 予価2700円
真犯人が出現してもなお冤罪者を追い詰める、警察とマスコミの退廃。内部告発の手紙によって、公害隠しが明らかになった対馬・イタイイタイ病をめぐる、地を這うような取材活動。鎌田慧セレクション第2巻は『弘前大学教授夫人殺人事件』『隠された公害』の2編を収めます。
【12月に出る本】
『書庫をあるく アーカイブの隠れた魅力』
全国各地の図書館・資料館の、利用者が普段は入ることができない閉架書庫に足を踏み入れ、そこで出会った本や資料を紹介するとともに、書庫内を知り尽くす館員の皆さんに、資料の管理や活用について取材してきました。全国各地にある15館の図書館・資料館の魅力の源泉に迫ります(「日本の古本屋」メールマガジン人気連載の書籍化です)。
齊藤真理子さんに、素敵な帯文もいただきました!
「未来の「読む人」を書庫が支える。個人コレクションからハンセン病療養所の蔵書まで。本の生命をつなぎ、延ばす人たちがここにいる。これからの本と人を考えるために必読の書。--斎藤真理子(翻訳者)」
【1月に出る本】
『日本の原発地帯』(鎌田慧セレクション3)
鎌田慧著 A5判並製 予価2700円
チェルノブイリ、福島原発事故のはるか以前、1971 年から鎌田慧は反原発でした。へき地や過疎地帯に交付金と引き換えに押し付けられる原発。鎌田の矛先はその危険性だけではなく差別的な原発推進政策に及びます。『日本の原発地帯』 『原発列島をゆく』 を収録。
【ピックアップ】
祝・袴田巌さん無罪! 第1巻は『冤罪を追う』
鎌田慧著、9月10日刊行 2,700円
11月24日、吉祥寺のクレヨンハウス様で、本シリーズの刊行記念の講演会を開催していただきました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
第1巻は冤罪がテーマ。袴田巌さんの画期的な無罪判決が出た9月に、この1巻をお届けしました。この権力犯罪の追及、雪冤運動との同伴は鎌田さんの代名詞。財田川事件の『死刑台からの生還』、狭山事件、袴田事件、福岡事件、三鷹事件、菊池事件(藤本事件) などの論考を再編集して収録しました。死刑制度反対!
帯の引換券を集めていただくと、特製トートバックをプレゼント!
9/26 東奥日報で紹介
10/3 社会新報で紹介
10/5 日刊ゲンダイで紹介
11/23号 図書新聞一面で紹介
このあとも各種メディアでの紹介が続く予定です!
『パパイヤのある街 台湾日本語文学アンソロジー』
山口守編、8月9日刊行 2,700円
多層的な言語空間をもつ台湾で生まれた作家たちは日本の言語政策の変遷にいかに翻弄され、そのアイデンティティを形成し、自己表現へと辿り着いたのか。言語という枠組みからその過程に光を当てるアンソロジー。
10/30 毎日新聞夕刊で紹介(記事はこちら)
11/1号 週刊読書人で紹介
12/7号 図書新聞で紹介
『増補版 頭脳警察 七〇年代日本ロック胎動期の証言者たち』
須田諭一著、8月9日刊行 3,000円
PANTAさんの一周忌にあわせて刊行。「過激」「政治的」な音楽を求める若者のシンボルとなったバンド・頭脳警察ですが、その本質はそこにあるのではない…という著者。では、この伝説的バンドの全貌とは?レコーディングエンジニア、70年代頭脳警察メンバー、ライブハウスオーナーら、そしてPANTAとTOSHIによる証言から描き出した幻のドキュメントを、大幅に増補復刊。
11/2号 図書新聞で紹介
☆ハッピーオウル社出版ニュース
【ピックアップ】
『うえをみて!』
チョン・ジンホ著 斎藤真理子訳 9月20日刊行 1500円
米・中・仏・台・ベルギーの世界五カ国で翻訳! ボローニャラガッツィ賞オペラプリマ部門など、良書選定実績多数。車椅子の主人公が外の世界に出会い直すまでを丁寧に描く韓国絵本です。
車いすで生活をするスジの毎日は、家のベランダから下を通るひとたちの頭を眺めるだけの日々。「わたしここにいるよ。だれでもいいから……うえをみて!」。するとある日、誰かがスジに気づいて下から声をかけてきて……? 障害を持つこと、また障害を持つ人と共に暮らすとはどのようなことか、子どもの目線から考えてみませんか?
10/2 東京新聞で紹介(記事はこちら)
10/13 産経新聞で紹介(記事はこちら)
11/25 公明新聞で紹介(記事はこちら)
★イベント案内
『もっと調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス2』刊行記念「調べの本」50選
前著『調べる技術』刊行時に全国15店舗以上の書店様で開催して好評を得た、小林昌樹さんが選書したブックフェア「『調べる技術』の小林昌樹が選んだ「調べ本」50選」の第2弾です! 50選のうち15タイトルほどを差し替え、新たに推薦コメントを付けています。コメントをまとめた無料小冊子(とコメントポップ)もあります!
9月7日〜10月5日の1ヶ月間、 丸善丸の内本店様で開催していただき、好評でした。
現在は、
・くまざわ書店武蔵小金井北口店 様
・同志社大学生協今出川店 様
・ブックファーストアトレ大森店 様
・ジュンク堂書店立川高島屋店
で開催中です。
実施希望の書店様は弊社までご連絡ください。
【出版目録】
『皓星社出版目録』2023年10月時点で、在庫のある書籍300点弱を、書影・紹介文付きで収録しています。「書名索引」「人名索引」付き。 ご希望の方はこちらから。送料は無料です。
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☆近代出版研究所だより
来年2025年4月発売予定で製作中の『近代出版研究』4号、特集は「書物百般・紀田順一郎の世界(仮)」です。特集では大々的にアンケートを実施。これまで本誌に登場いただいた大月隆寛、読書猿、横山茂雄といった方々に加え、出久根達郎、河内紀、山根一眞、戸川安宣、芦辺拓、岡崎武志、紅野謙介、吉川浩満……とこれまで本誌とご縁がなかった方々からも続々とご回答を頂いております。詳しい内容はまた来月に!
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★「皓星社友の会」のご案内
ご好評頂いている「皓星社友の会」は毎年7月が切り替えの時期になります。
◉特典
・友の会割引 弊社のすべての出版物を、15%引、送料無料でご購入いただけます。
・皓星社主催のイベント参加割引
・ざっさくプラス利用権(基本プラン)
・ご希望の雑誌の目次をざっさくプラスに搭載(時期は相談)。雑誌を貸していただける場合は、入力データを提供します。
・お誕生日プレゼント(お好きな弊社の本を1冊プレゼントします。価格上限は皓星社友の会の一般価格になります)
◉価格
一般:年間12,000円 学生:6,000円 (税別)
※学生割引を希望する方は、ご所属大学ドメインのメールアドレスでお申し込み下さい。
詳しくはこちらの「皓星社友の会」をご覧下さい
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★ 編集後記
先日、予約していたハン・ガン作家の本を受け取りに韓国専門書店のチェッコリへ行ったところ、ちょうど光州からのテレビクルーがお店の方にインタビュー中で、その流れで日本の一読者として取材を受けるというびっくりするような出来事がありました。カウンター越しの(若干ぎこちない)やり取りも撮影していただきました。
今月は仕事でも本について人前で話す機会が何度かありましたが、台本なしには考えていたことの一割も伝えられませんでした。普段からの言語化の必要性を感じるとともに、読後の「言葉にできないけれど、なんだかすごかった!」という原始的な感情も大事にしたいと思います。
ちなみに最近読んだもので「なぜか分からないのに、とにかく胸にきた!」のは『11ぴきのねこ』です。気が付いたらとらねこ大将のぬいぐるみまで買ってしまいました。(楠本)
11月上旬、図書館総合展に3日間、朝から晩まで出ずっぱりでした。開発中の人物情報データベース「じんぶつプラス」のお披露目のためで、3日間で50回以上、ご来場いただいた方々にプレゼンをさせていただきました。私は元々引きこもり系編集者なのでこのような経験は全くなかったのですが、水に突き落とされて強制的に泳げる人になった体で、最後らへんには形にはなっていたかな……? お話を聞いて頂いた皆さまには感謝の念しかありません。実証実験も終わって、いただいたご意見を反映し、よりよいデータベースへと歩を進めていく所存です。
別件ですが、私の連載「趣味の近代日本出版史」を本にまとめます。といっても同人誌で、冬コミ(12/30(月)東ウ29a)で頒布します。第1回~第29回までを1冊にして索引を付け、恩師の稲岡勝に序文、兄貴分の小林昌樹所長に解説を書いていただきました。年が明けたら皓星社ウェブストアに掲載しますので、遠方の方はそちらからお買い求めいただければ幸いです。(河原)
11月24日、吉祥寺のクレヨンハウス様で、本シリーズの刊行記念の講演会を開催していただきました。ご来場くださった皆さんが、2700〜3000円近い、けっして安くはない本をたくさん求めてくださいました。また「私たちも頑張って版元さんを支えますよ」と声をかけていただき、こころが温かくなりました。支えられるだけでなく、少しでもよいもの、「負」を社会から取り除くものを作り、お返ししていきたいと思います。
先日、庭の畑にはそら豆を植えました。こんなに寒いのに、わずかな光に向かって、もう芽が出ています。(晴山)
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