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Volume 10, Number 4 | July 2013 Published bi-monthly
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NEWS

東アジア新興国の現地通貨建て債券市場は、社債の増加を受け拡大

ADBは6月、 『アジア債券モニター』最新版 を発表、中国、韓国や東南アジアなど東アジア新興国の政府・企業が発行した現地通貨建て債券の発行残高が、本年3月末時点で前年比13.7%増(ドルベース)となる約6.7兆ドル規模に達したことを明らかにしました。このうち社債の発行残高は約2.4兆ドル相当で(前年比21.2%増)、増加率が高かったのはインドネシアと中国でした。国債の発行残高は約4.3兆ドル相当でした。ADBの担当者は、債券市場の拡大傾向は当面続くだろうとしています。

→和文リリースは  こちら
→英文フルリポート(PDF、全42頁)は  こちら
→英文動画(2分53秒)は こちら  、インフォグラフィックは  こちら

ミャンマーはエネルギー改革が不可欠

 ADBは6月、 ミャンマー のエネルギー分野に関する 共同報告書 を外部機関とともに発表し、エネルギー改革に対する取り組みが同国の将来にとってカギとなるとの見方を示しました。
報告書は、ミャンマーの電化率が低い現状などについて、エネルギーが安定的に供給されなければ、医療や雇用、今後の経済発展にとって足かせとなりかねないと指摘、解決策を提示しているほか、環境保護規制の導入や省エネに対する認識の普及、包括的なエネルギー計画策定の重要性をあげ、経済成長の実現と、エネルギー資源の安定的確保とのバランスをとる必要があるとしています。

→和文リリースは こちら
→ミャンマーのエネルギー全般に関するデータ集は こちら
→『アジア経済見通し』ミャンマーの項は こちら 、同エネルギー特集(第2章)は こちら

ミャンマー政府、観光大綱を発表

ミャンマー政府は6月、観光大綱を発表しました。大綱は、観光地としての同国の国際競争力向上、重点環境区域の保護、少数民族のセーフガードを目指し、ADBなどと共同でとりまとめたもので、観光業に携わる人材の育成、観光地へのアクセス改善などの開発項目をあげています。

→和文リリースは こちら
→大綱の英文概要は こちら 、ミャンマーの観光全般に関するデータ集は こちら
ミャンマーのフォトエッセーはこちら

 

アジア・クリーン・エネルギー・フォーラムを開催

6月25日から28日まで、マニラのADB本部で「アジア・クリーン・エネルギー・フォーラム」が開催されました。8回目となる今年は、ロハニ副総裁が開会挨拶を述べ、エンドユーザー側における節電の取り組みの重要性に着目した 報告書 も発表されました。政策、金融、省エネ、再生エネ、供給、新技術について意見交換やネットワーキングが行われました。


→和文リリースは こちら

→副総裁の動画(英文、約2分52秒)は こちら 、報告書は こちら


《私のプロジェクト紹介》

経済調査局シニア・エコノミストの田中愉子(さきこ)さんに、本年2月まで所属した太平洋局時代に担当したパプアニューギニア(PNG)における 小規模道路整備案件 を紹介していただきました。

―島嶼国の農村部において低コストで入手可能な土嚢を活用して道路補修を行った点、地元住民の積極的参加を促した点等で、注目されたプロジェクトですね。プロジェクト現場はどのような場所ですか。

PNGは、国土が46万km²、人口726万人で、天然資源もあり、ADBに加盟する太平洋の14の途上国中、経済規模は最大ですが、貧困層の割合が約3割と高い国です。首都はポートモレスビーですが、多くの国民がハイランドと呼ばれる高地やコースタルと呼ばれる沿岸部に暮らしています。言語が800近くもあり、地区によって文化や習慣が異なるほか、各部族のリーダーの権限が大変強いことも特徴でしょう。
支援対象は、ADBが実施している高地を東西に貫く幹線道路の修復案件に付随する複数の農道の補修(総補修距離81km)です。高地の人々は、コーヒーや紅茶、サツマイモ、カッサバといった農作物の生産で生計を立てているので、日常の交通手段である道路網、特に農道を整備して車のアクセスを改善することは、収入増や貧困削減の効果が期待できると考えました。プロジェクト費用の大半となる200万ドルについて、2000年に日本政府がADBに設立した 日本貧困削減基金(JFPR) から無償資金を活用しました。

―なぜ土嚢に注目されたのでしょうか。

日本のNPO「道普請人(みちぶしんびと)」が東側の高地で土嚢を使って道路補修の支援活動をしていることを、現地政府から知らされました。土嚢は治水や灌がい目的で使われることが多いのですが、プロジェクト対象地区の道路補修にも適用可能と思い、土嚢を使った道路補修を、このNPOと実施していくことを決めました。土嚢は、低コストで現地住民が簡単にメンテナンスできる点がメリットです。また、勾配の急な坂道には不向きですが、粘土質の軟弱地盤や斜面の浸食箇所の補強に効果的で、ハイランド地帯には適した所が多いのです。

―2009年にプロジェクトが始まって4年が経過しましたが、どのような成果が生まれていますか。
PNGでは女性の地位が低く、重い荷物を持った女性が長い道のりを歩いている姿をみかけますが、現地では車が通れる道ができたことでミニバスの運行が始まるなど、物資の輸送が楽になりました。さらに、地元住民に補修作業に参加してもらうことで、農道を自分達で管理するという自覚が芽生えてきています。ADBのプロジェクトは9月に完了予定ですが、最終的に850名近い地元住民がマイクロファイナンス、保健、ジェンダーの研修に参加することになる見込みです。このような住民中心の農道開発の成果を知ったEUなどが、他の地区で同様の企画を検討する、といった広がりも見られます。

―案件形成から実施まで携わって苦労した点は。

現地では部族間で仲たがいがあると、その場所は通過することすらできません。また、住民のプロジェクトへの参加を得るためには部族の代表と交渉する必要があります。政府関係者は、メールや電話でのやり取りではなく、直接相手の顔を見て話すことを志向することもあり、NPOが現地に張り付いてコミュニケーションを図るとともに、私も企画段階から頻繁に現地に足を運びました。想定外の出来事にも遭遇しましたが、現地の人から「プロジェクトのお陰で初めて車が村に入ってくる喜びを感じた」、「保健衛生の有効な知識を学べた」等と言われたときは、嬉しかったです。

―太平洋局から今年3月に経済調査局に異動されました。

現在は社会基盤(教育、保健など)案件のレビュー、プロジェクトのインパクト評価、労働市場の男女平等についての研究、などを担当しています。太平洋局時代に得た融資や技術援助のプロジェクトの企画、実施の経験を活かして、ADBのオペレーションに貢献できるリサーチをしていきたいです。
(NPO法人「道普請人」より画像の提供をいただきました)。

 

イベント

6月10日(東京)
キャリアセミナーを開催

ADBのキャリアセミナーが、都内で開催されました。セミナー前半では、神崎・予算人事経営システム局長ほか本部関係者が業務や採用プロセスについて説明、その後、参加者から多くの質問が寄せられました。



6月21日(東京)
JSPの25周年記念行事を開催
アジア途上加盟国の若手研究生を対象としたスカラシップとして、日本政府からの資金支援により1988年に設立されたADBのJSPが、本年25周年を迎え、記念のフォーラムが開催されました。JSPの奨学金を得て日本国内の各大学で学ぶ学生ら100名以上が集まり、研究成果を発表しました。

6月23日(東京)
キャリアイベントに出展

ADBは、東京ビックサイトで行われたマイナビ 国際派就職EXPO2013 にブース出展しました。本年も多数のお客様がブースに来られ、JRO職員がADBの業務・採用に関する説明をした他、様々なご質問にお答えしました。

 

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