アジア経済見通し発表、アジア途上国の成長は本年6．6％に上昇する一方、中期的なエネルギー問題を指摘

 アジア開発銀行（ADB）は4月9日、『アジア経済見通し2013年版』 （ Asian Development Outlook (ADO) 2013）を発表、アジア途上国（日・豪・NZを除くアジア・太平洋の45カ国・地域）について、米欧経済の停滞が続くなか、2012年に6．1％だったこれらの国々のGDP伸び率は、民間消費の拡大と堅調な域内貿易を背景に2013年に6．6％、2014年は6．7％に改善するとの見通しを示しました。

 ADBの李昌鏞(イ・チャンヨン)（Changyong Rhee）チーフエコノミストは、「中国経済が回復し、東南アジア経済も堅調なモメンタムを維持することから、2012年にやや軟調だったアジア途上国全体の成長速度は速まるだろう。国内支出、特に消費がその牽引力となっており、先進国市場への依存体質から転換することは歓迎すべき傾向だ」としています。

一方、アジア経済に対するリスク要因として、米国の債務残高上限規定議論とユーロ圏における緊縮疲れ、および一部のアジア諸国で国境を巡る緊張が続いている点が、短期見通しに対する主な潜在的脅威となりうると指摘されています。

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中尾武彦氏が第9代総裁に就任

ADBの第9代総裁に、中尾(なかお)武彦(たけひこ)・前財務官が全会一致で選出され、4月28日、着任しました。中尾総裁は1956年生の57歳で、東京大学経済学部を卒業し、米カリフォルニア大学バークレー校にて経営学修士（MBA）を取得。1978年に大蔵省（現：財務省）に入省し、長年にわたる同省勤務を通じて国際金融や開発分野で幅広い経験を積みました。中尾総裁の任期は、黒田・前総裁の残り任期である2016年（平成28年）11月までです。

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第46回年次総会をデリーで開催

ＡＤＢの第46回年次総会が、5月2日から5日まで、インドの首都デリー郊外にあるグレーターノイダで開催されました。ＡＤＢの年次総会がインドで開催されたのは2006年のハイデラバード以来、デリーでの開催は1990年以来23年ぶりとなります。開会式（写真）では、中尾武彦新総裁が挨拶を述べました。

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4月25日（東京
アジア経済見通し（ＡＤＯ）2013年版セミナーを開催
JROでは本年もアジア経済見通しセミナーを実施しました。セミナー前半では、来日した李昌鏞(イ・チャンヨン)（Changyong Rhee）チーフエコノミストがＡＤＯ2013年版で発表された域内のマクロ情勢について説明。続く後半では、本年版のテーマであるアジアのエネルギー問題について、国内の専門家にご登壇いただき、討議と質疑応答を行いました（写真）。

キャリア・セミナー（6月10日・東京）は申込みを締め切りました

来る6月10日（月）午後6時より開催予定のＡＤＢキャリア・セミナー（於： 日本記者クラブ、東京・内幸町）は、お陰様で多数のお申込みをいただき定員に達したため、登録の受付を締め切らせていただきました。大変申し訳ございませんが、悪しからずご了承いただけますようお願い申し上げます。

ADB出版物

『Annual Report 2012』

ADBの年次報告書2012年版（英文ＰＤＦ、全53頁）がウェブサイトにアップされました。

ぜひ、ご活用ください。http://www.adb.org/documents/adb-annual-report-2012