まずお伝えしたいのは、上に書いた通り、「悩む」ということは人間らしいことですから、悩む自分を否定しないで頂きたい、ということです。
アドラー心理学には物事を意図的に前向きに解釈する「リフレ―ミング」というスキルがありますが、そのスキルを使って、「悩む私はダメだ/優柔不断だ」と断罪する代わりに、「悩む私は思慮深い」「人生を誠実に生きようとしているから悩むのだ」と変換してみてください。悩んだっていい、悩むことは悪くない、まずはそう考えてくださいね。
そして、悩み悩んで足が止まってしまう時は、悩む目的を考えてみましょう。
一つの選択肢に絞り、そちらに梶を切るということは、残りの選択肢を(一時的ではあっても)「捨てる」ということになります。迷い迷ってなかなか先に進めない時は、まさにその「他の選択肢を捨てること」に恐れを感じていることが良くあります。あるいは、自分が選んだ選択肢がもたらす結果が怖い、という恐れもあるでしょう。
例えば、私が転職をするかどうか迷っているとします。転職すると決めれば、現職で享受している「長年やってきて慣れた仕事」や気心しれた同僚と別れることになります。転職しないと決めれば、転職することによって広がるかも知れないご縁や、今より良くなるかも知れない待遇を諦めることになります。
どちらの場合でも、あれもいい、これもいい、どれも捨てたくない…つまり、迷って進めない時は「選ぶことを避け、可能性の中に生きること」を自分で「選択」しているんです。
言い換えると、実は自分は「進めない」のではなく「進まない」と決めている、ということです。
ですので、この「決められない」という状態に効く処方箋は、「どれかの選択肢を選び取ること」しかないんです。
つまり、「決めないで可能性に生きる」という目的から、「どれかに決め、現実の中に生きる」という目的に変える、ということです。