◆ ライフスタイルに影響を与える要因
ライフスタイルは自分自身の主体的な決断/選択の繰り返しによって形づくられますが、自分を取り巻く環境からの影響も無視はできません。
ただし、環境や先天的条件は“決定要因”ではなく、あくまで“影響因子”として働くにすぎないことを強調しておきますね。
ここで、代表的な影響因子をいくつか見てみましょう。
1.身体的な特徴(器官劣等性)
生まれつきの身体的な制約やハンディキャップは、ライフスタイル形成に影響を与えます。 たとえば「できないこと」(例えば目がよく見えない、上手く歩けない等)に向き合う過程で、それが「克服できない困難はない」といった自信につながることもあれば、「どうせ自分は…」という「諦め」の方向に向かうこともあります。
2.親から受け継ぐ価値観
家庭の中で親が示す価値観―お金、社会の在り方、学歴などに対する考え方――は、子どもの世界観に影響を与えますよね。親から聴いた 「人はこうあるべき」「こう生きるのが正しい」といった信念は、自然と心に刻まれていきます。
3.家庭の雰囲気
家庭が開放的で安心して話せる場だったか、 それとも緊張や不安が漂う閉鎖的な場だったか。 家族の雰囲気は、子どもが「世界は安全か、それとも危険か」を判断する重要な基準になります。
4.兄弟関係(誕生順位)
長男・長女、中間子、末っ子、一人っ子―アドラー心理学では、私たちは誕生順位に見合った「家族内での役割」を自分で選び取ると考えます。 長女は「しっかり者」であることに価値を見出し、末っ子は「愛されること」で安心を得る、などですね。 幼少時に選び取った「役割の演じ方」が、その後の人間関係にも影響していくことも多いものです。
◆ 「台本を離れる勇気」
こうして形成されたライフスタイルは、いわば自分が長年演じてきた脚本のようなものです。たとえそれが少し生きづらくても、長く慣れ親しんだ台本を手放すのは勇気がいります。「まずい台本でも、ないよりはいい」―そんな思いから、私たちは古いパターンにしがみつくこともよくあります。
けれども、アドラーはこう語ります。
「あなたはあなたの人生を描く画家である」
ライフスタイルは、私たちが勇気をもって新しい選択をするとき、今日からでも変えることができます。必要なのは、自分を信頼し、支え、励ます「勇気」なのです。