苦しい時の救世主、だけどちょっとわかりにくい「共通の人間性 Common Humanity」を詳しく解説!
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   さん、こんにちは!今回もメールを開封していただき、有難うございます。マインドフルネス、セルフコンパッション、アドラー心理学を使って、自由で優しい心を育てるメンタルヘルス講師、ジュバ智子です。

前回のメルマガでは以前、セルフ・コンパッションの大切な3つの要素についてまとめてみました。

 

セルフ・コンパッションと大切な3つの要素は、一つ目は「自分への優しさ(Self-Kindness)」、二つ目が「苦しみ・不完全さは万人共通である(Common Humanity)」、三つ目が「マインドフルネス(Mindfulness)」でしたね。

 

今回は、私が大好きな考え方でもある、二つ目の「苦しみ・不完全さは万人共通」という認識(Common Humanity)について詳しく深掘りしてみます。言葉にするのが難しいので、できるだけわかりやすい例を挙げましたので、是非最後までお付き合いください。

Common Humanityは通常「共通の人間性」と訳されていますが、「共通している人間性」とはそもそもどういうことなのでしょうか。マインドフル・セルフコンパッションでは、例えば以下のような人間性を挙げています:

 

  • 人間は過ちをおかすもの(完璧な人はいない)
  • 人間はだれでも生きる苦しみを知っている

 

私たちは、人の過ちに対して、あたかも鬼の首を取ったような態度をとることがありますが(一部マスコミの報道やSNSでの誹謗中傷などは良い例ですね…)、人生で一度も過ちをおかしたことがなく、後悔もしたことのない人間は、ひとりもいません。何をやっても、常に完璧な人など、一人もいません。

 

生きる苦しみを知らない人もいないはずです。もちろん、苦しみを引き起こすきっかけや苦しみの内容は人それぞれ違います。でも、だれもが「手に入れたいものが手に入らないこと」に苦しんだことがあるはずです。

 

「手に入れたいもの」は物品のことだけを言うのではありません。あの人と一緒にいたい、子供に学校に行ってほしい、いい成績を取ってほしい、いつも健康でいたい、さらに業績を上げたい…こういったことも「手に入れたいもの」です。手に入れたいものが手に入らず、思い描いた通りに人生が進まず、苦しい思いをすることは、誰もが知っている体験です。

 

人間である以上、不完全なのは当たり前。失敗するのは当然のこと。思い通りにいかないことに出会うのも、当然のことです。落ち込み、後悔、情けなさ、やるせない気持ち…人間であればだれもが経験すること。決してあなた一人が体験していることではないのです。これがCommon Humanity、「共通の人間性」です。

「苦しいのは私一人」・孤独な気持ちが呼び込むもの

 

考えてみれば、「人間の共通性」の考え方は、ごく当たり前のことですよね。ですが、私たちは苦しみの中にいる時、このことを忘れてしまいがちなのです。そして、忘れてしまう時に出てくるのが、孤独感/孤立感です。こういった「私は一人ぼっちだ」という感覚は、すでに感じている苦しさの上に、さらに苦しみを作り出してしまいます。

 

仕事の失敗や大切な人との別れ、育児での問題や健康上の不具合など、理由はなんであれ、自分の心が痛んでいる時、   さんも「まるでこの痛みを感じているのは自分だけ」であるかのような、孤独感を感じたことはありませんか?

 

仕事でのミスは誰でもしたことがありますよね。それなのに、自分が仕事でミスをすると、「この悲しみ、恥ずかしさを感じているのは世界で私一人」のような気持ちになります。職場を見回して、屈託なく談笑している同僚を見ると、失敗への後悔で胸がいっぱいになるだけではなく、同僚と自分を比較して情けなさも感じてきます。同僚への嫉妬や理由のない怒りを感じることもあるかも知れません。屈託なく笑っているあの同僚だって、ミスをして落ち込んだことがあるはずなのに、自分はそれを忘れているのです。

 

私の場合、娘の学業が振るわず、かつ過呼吸やパニックを頻繁に起こしていた頃は、娘の友達の親御さんをみては「いいなあ、あの人たちは。子供に何の問題もないんだから」「なんで私の娘に限ってこんなことになるんだろう」と思い、「こんな目にあっているのは私一人だ」という感覚をとても強く持っていました。娘の友達の親御さんも、私のケースとは別の問題に向き合っているかも知れないのに。

 

「こんなに辛いのは私一人」という感覚は、自分と他者の間に境界線を引いてしまいます。他者とのつながりが絶たれてしまうと、自分というカプセルの中に閉じこもったような状態になります。でも、そのカプセルの中は当然視野が狭く、狭い視野の中では更に自分を苦しめる思考や感情、例えば自分責め、他者への嫉妬心、自己憐憫などが生まれやすくなってしまうのです。

 

自分の心が痛む時こそ、余計な痛みを背負わないように、意識して孤独から抜け出す必要があります。ここで意識的に「人間の共通性」を思い出すことは、孤独から抜け出すためにとても大切なことなのです。

「みんな同じなのだ」・孤独からの解放

 

仏教の経典の中に、こんな逸話があります。私が大好きなお話です。ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、幼い子供を亡くして絶望している母親に「死人が出たことのない家から、ケシの実をもらってくることができたら、子供は生きかえる」と言ったブッダと、その母親との逸話です。以下、私の言葉でお話を再現してみますね。

 

目に入れても痛くないほど可愛がっていた幼子を亡くした母親がいました。彼女は半狂乱になり、息のない子供を抱きかかえながら、道で出会う人に「どうか、この子を生き返らせて下さい」と訴えて歩いていました。哀れに思った人が、彼女をブッダのところに連れていきます。

 

ブッダは彼女に「この村の中で、今までに一人も死人が出なかった家から、けしの実をもらってきなさい。そうしたら子供は生きかえるでしょう」と言いました。

 

それを聞いた母親は、藁をもつかむ思いで、村の家を片っ端から訪ねて回りますが、今までに死人が出なかった家などありませんでした。そこで彼女は「人の命はいつか必ず尽きるものだ」と言うことを理解し、子供の死を受け入れることができた、というお話です。

 

このお話は、人の命に限りがあり、死は誰にも訪れ、免れることはできないことを教えてくれますが、私は、この話は「共通の人間性を使った孤独からの解放」のお話でもあると思っています

 

赤ちゃんを抱いた母親が訪れた家はすべて、家族の死を経験していましたよね。ある人は「昨年、主人に先立たれました」と言い、ある人は「二年前に娘が帰らぬ人になりました」と言ったでしょう。 母親が抱いている動かない赤ちゃんを見て、その時の悲しみがよみがえってきた人もいたのではないでしょうか。大切な人の死を思い出し、生前の姿を思い出し、けしの実を必死に求める母親の前で、新たな涙を流した人もいたに違いありません。

 

けしの実を手に入れることができなかった母親は、何を感じたのでしょう。だれも死から逃れることができない、ということを理解しただけだったでしょうか。私は、この母親は、他の人の悲しみに触れることで、「この悲しみは私だけのものではないのだ」と感じることができたのではないかと思うのです。

 

「私と同じように、自分の命を捨てても惜しくないと思える大切な命を失った人が、ここにいる。私と同じ、この張り裂けるような心の痛みを知っている人が、本当にいるんだ」。そう感じたのだと思うのです。そして、そう感じた時、彼女の孤独感は消え、悲しみは癒しに向かって和らぎ始めたのだと思います。

 

自分が傷ついている時、孤独感を感じるのはごく自然なことです。そんな時はまず、その気持ちに寄り添ってください。そして、心が少し落ち着いてきたら、その苦しみはあなただけのものでないことを思い出してください。

 

人は誰でも、それぞれの重荷を背負って生きています。あなたと同じ苦しみを感じている人が、今この瞬間、この世のどこかにいるのです。「人間の共通性」を思い出し、苦しみと共に生まれる孤独感から自由になってください。孤独感が消えた時、自分は一人でないとわかった時、   さんの中に自分を慈しむ心が芽生えていると思います。

 

このように、共通の人間性という考え方は、苦しんでいる自分を孤独感から解放し、他者の苦しみと繋がることで、自分の中のやさしさをよみがえらせる力があるのです。

 

というわけで、今日はセルフ・コンパッションの3つの要素の中の「共通の人間性」についてお話してみました。孤独感を感じる時の   さんの支えになればと思います。


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