去る3月31日、第4回LBAフォーラムが開催されました。当日は年度末のお忙しい時期にも関わらず207名の方々にご参加頂き、今回も大盛況となりました。
はじめに、LBA代表幹事の萩野一彦氏から前回フォーラムの振り返りと今回の趣旨説明がありました。
フォーラム「ポストコロナ社会におけるランドスケープ経営を考える」のシリーズ第1弾ではLBAからの仮説の提示などから、withコロナ~ポストコロナ社会でのオープンスペースのあり方について議論が行われたこと、続く第2弾では公園以外の空間、パブリックスペースの使い方が、まちや社会を変えていくことを確認。
そして今回のシリーズ第3弾では、観光とランドスケープ経営と題して、ポストコロナの観光のあり方とそれに必要なオープンスペースの機能や空間のあり方を考えていきたい、ということが共有されました。
この内容を踏まえ、まずは(株)JTB総合研究所 主席研究員の中根 裕氏「ポストコロナ社会に向けた観光のあり方」と題した講演をいただきました。
コロナ禍のこの1年で、マーケットの消費側の動向として、観光や旅行に対しての意識の変化についてアンケートやデータによって説明されました。自然・環境・アウトドアの価値・魅力を改めて見直すことは、安全・安心の対策という視点からコロナをきっかけとした価値として考えるべきであるという問題提起がなされました。
続いて、(株)日本ホテルアプレイザル 代表取締役 北村剛史氏により「 withコロナによって変化した観光行動ニーズ」に関する講演。
コロナ感染下における宿泊業の実態と取り組みについて、アンケートやデータ分析から紹介して頂きました。コロナ禍の後、コロナ以前に戻るのではなく、新たなマーケットになること、そしてその変化としては感染対策とくに換気の重要性が宿泊施設の選択に大きな要素となること、更に、景観も付加価値を高めるということをご説明頂きました。
そして、(株)サンガーデン 取締役 土谷美紀氏、高野ランドスケープ(株)代表取締役村田周一氏による「まちづくりと観光の取組み紹介(恵庭花の拠点)」についてのご紹介。
北海道は庭、花を楽しむ文化があり、ガーデンアイランドとしての取組から始まり、様々な活動が展開し、花のまちづくりが各地で行われており、その一つとして恵庭の花の拠点があるということを説明頂きました。
これを受けて、恵庭の花とまちづくりについて、それが生まれた背景から、現在に至る30年の歩みについて、市民活動から市の総合計画に取り上げるまでの苦労や取り組みついて具体的に紹介。とくに地元の生活や文化が結果として観光に結びつくという観光とランドスケープのあり方の事例となるということを挙げて頂きました。
その後のパネルディスカッションでは、「美しい町で暮らす、そこで観光に取り組むということは素晴らしいと思うが、非常に多くの観光客が来てオーバーツーリズムになったときはどうするのか?」、「総合計画に入ったことで花のまちとしての将来を考えるきっかけになったとおっしゃっていましたが、将来は恵庭をどのようなまちにしたいとお考えでしょうか。」等の質問が挙がり、活発な意見交換が行われました。 |