ここからは、プログラムと主な内容をご紹介していきます。
(1)これまでのフォーラムの振り返りと今回の趣旨説明:萩野 一彦(㈱ランドプランニング代表、LBA 代表幹事)
(2)「新しい生活様式とみどりの処方」の編纂:小野 隆((一社)公園からの健康づくりネット理事)
表題のパンフレット編纂に至るきっかけとなった「みどりは都市の総合政策としてとらえないといけないのでは」という着眼点に加え、ウェルビーイングに関する事例等の報告も頂きました。
(3)「都市政策の軸にみどりを据えるために」:鈴木 綾(㈱あい造園設計事務所取締役)
前段の小野氏の説明を受け、鈴木氏からはパンフレットの内容について概要版を使い説明頂きました。
コロナ禍のあとの新たな生活様式に対応したまちづくりにおける公園や緑のあり方を、教育、健康、経済、総合政策の4つの視点で提案しているとのこと。その中で総合政策について、「これからの小公園」、「まちを包む大きな緑」について具体の事例を用い解説して頂きました。
(4)「みどりの力はまちのチカラ」:佐藤 留美(NPO 法人 NPO birth 事務局長)
Well-beingなまちづくりをSDGsのウェディングケーキの模式図を使い、グリーンインフラを基盤にコミュニティ活動の活性化、地域経済の活性化が重なり、結果ウェルビーイングな社会へとつながることを紹介頂きました。
また、みどりの力を引き出し、まちづくりに活かすためにはそれをつなげるハブとなるマネジメント体制が必要で、NPO birthでの体制(RM,PM,PC)の説明と多様なみどりの力(グリーンインフラ)を引き出す活動を実際の事例で説明して頂きました。
(5)「健康政策を支える運動メソッド」:小林 原生(日都産業㈱ 技術部デザイン課長)
現代の健康に関する社会問題としての「フレイル(加齢に伴う心身の衰え)」の概念とその対策を紹介頂きました。
健康づくりの活動基準としては、あまり知られていないが歩行以外の様々な活動へ換算できる「METs」というものがあるそうです。これらの活動は小さな公園での身近な活動で計ることができ、公園をネットワークでつなぐことにより活動の幅も増えるとのこと。METsを知らしめる工夫が必要であると提言を頂きました。
その後、会場との意見交換が行われ、主に以下のような話題が挙がりました。
・このように多様な機能があるにも関わらず緑の活用が公園部局以外での認識がされていないのが課題。
・みどりを総合的な施策として取り組んでいくのが重要といったが、ランドスケープではいろんなことができ、実践しているが、それをもっと評価してほしい。
・いろいろな活動をしていることの情報が広く発信されていない。
・情報発信ではターゲッティングが重要で、いろんなツールがでてきているので、それらを活用できる。地域の情報発信としてローカルメディアは有効。
・部局間連携が重要で、とくに教育との連携は大切。今までの公園という考え方を変えないといけない。公園だけでは無理で、新しいマネジメントシステムが必要。
今回のフォーラムを通し、LBAとしては、これからますます多様な分野を取り込んで活動していくことが重要であるということが再認識されました。
また、具体的な展開としては、パンフレットに記載されている16の処方箋について、具体的事例をつくったらどうか、ということも検討できそうです。
多くの方々にご参加頂き、大変有意義なフォーラムとなりました。
皆様、どうもありがとうございました!