第二十六候「腐草為蛍 (くされたるくさほたるとなる)」
まもなく七十二候が芒種の次候に変わり、草の中から蛍が舞い、明りを灯しながら飛び交う頃となりました。
古くは、暑さに蒸れて腐った草や竹の根が、蛍になると信じられていたそうです。
世界で2000種以上いるホタルの仲間は、実は陸生の方が圧倒的に多く、幼虫期を水中で過ごす水生のホタルは5種しか知られていません。
日本では46種のホタルが確認されており、水生のホタルはゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマボタルとイリオモテボタルの4種類です。
なんと希少な水生の5種のうち4種が日本で生息しているのですね。
水生ホタルの幼虫は成長すると水中から土手に這い上がり、土にもぐりこみ、数週間さなぎの期間を過ごします。
幼虫たちは、土がやわらかくなる雨の日に水から上がってくることが多いそうです。
そしてホタルが羽化するのは、ちょうど梅雨の始めごろ。
土が乾いて固くなっていると出てこれなくなってしまうこともあるとか。
梅雨の雨はホタルにとっても大事な条件だと思うと、これから来る雨の季節も違った心持ちで過ごせそうな気がします。
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次号は7月5日に配信予定です。