第五十四候「楓蔦黄 (もみじつたきばむ)」
七十二候が霜降の末候に変わり、楓 (かえで) や蔦の葉が色づく頃となりました。
赤や黄に染まった美しい紅葉を楽しみにされている方も多いと思います。
葉が色づきはじめた頃も控えめで美しいですが、見頃は色づきはじめてから3、4週間後といわれています。
ところでみなさんは、「もみじの天ぷら」をご存知でしょうか。
大阪の箕面市では、もみじの天ぷらがお菓子として売られており、古くから伝わる伝統銘菓としてお土産にも人気があるそうです。
およそ1300年前、修験僧の役行者は箕面山で修行していました。
秋になり箕面大滝に映えるもみじの美しさに心うたれた役行者は、灯明の油でもみじ葉を揚げ、修験道場を訪ねる旅人に供したといいます。
また一説には西江寺の本尊である聖天様に、境内に多かった一行寺楓(いちぎょうじかえで)の葉を油で揚げてお供えをしたといわれ、これらが「もみじの天ぷら」の始まりとされます。
現在お土産として売られているもみじの天ぷらは、とても手の込んだもの。
収穫したもみじを丁寧に水洗いしたあと塩漬けし、1年間寝かせて灰汁(あく)を抜きます。
そして揚げる前に塩抜きをし、水で溶いた小麦粉に砂糖・白ゴマを加えた衣をつけ、菜種油で揚げるのだそうです。
紅葉の時期だけでなく現地では年間を通して売られているそうです。
チャンスがあればぜひ食べてみたいですね。
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