第六十八候「水泉動 (しみずあたたかをふくむ)」
七十二候が小寒の次候に変わり、地中で凍っていた泉が融け動き始める頃となりました。
小寒とは、「寒の入り」といわれ、これから更に寒さが厳しくなるころ。
小寒から節分までの三十日間のことを「寒の内」といい、寒が明けると立春になります。
『みんなのうた』で知られる「北風小僧の寒太郎」。
みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「寒太郎」という名前は、歌になる以前からあった言葉で、寒の入り、つまり小寒の初日を擬人化した表現だそうです。
「寒四郎」という言葉もあり、これは寒の入りして四日目のこと。
昔の人はこの日の天候で、今年の麦の収穫を占いました。
晴れると麦は豊作に、雨や雪だと凶作になるとされていたようです。
そして「寒九」は寒の入りから九日目(1月13日か14日頃)。
大事な水の日でもあり、「一年でもっとも水が澄む日」、「この日に汲んだ水は腐らない」といわれ、「寒九の水」は薬になるとか、肌がなめらかになるといわれていました。
人々は厳しい寒さの中にも微細な変化を感じ取り、春に向けての準備をしていたのでしょう。
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