第三十候「半夏生 (はんげしょうず)」
七十二候が夏至の末候に変わり、半夏が生え始める頃となりました。
半夏とは、別名カラスビシャクと呼ばれています。
あまり馴染みのない植物ですが、現在でも漢方として活用されています。
半夏生は、中国から伝わった暦「七十二候」の一つでもありますが、日本独自の暦「雑節」の一つでもあります。
農作業を行う上で重要な意味を持つ雑節の半夏生は、田植えを終える目安とされてきました。
天候不順などでどんなに作業が遅れたとしても、半夏生以降は田植えを行わないようにしていたそうです。
というのも、半夏生以降に植えられた稲は秋までに十分実らず、収穫にはつながらないとのこと。
そこから「半夏半作」と言われ、平年の半分ほどの収穫になってしまうから、この日までに田植えは終わらせよう!という目的で半夏生を設けたのだとか。
一方、半夏生は「物忌みの日」とも呼ばれ、「天から毒が降る」と言われてきました。
そこから、「働くことを控える」「井戸に蓋をする」「この日に収穫した野菜は食べない」などの習慣が生まれたのだとか。
地域によって「竹林に入ってはいけない(埼玉県)」や「妖怪がうろつく(三重県)」など様々な言い伝えがあり、これらは「たくさん働いた農家の人たちが、休息を取るように」という意味が込められているようです。
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