第七候「蟄虫啓戸 (すごもりのむしとをひらく)」
七十二候が啓蟄の初候に変わり、地中で冬ごもりしていた虫たちが、暖かい春の気配を感じて姿を現し始める頃となりました。
昔の人は、冬のあいだ土の中にいた虫たちが「戸」つまり穴を開いて顔を出すと表現しました。
虫と言っても、いわゆる昆虫だけでなく、蛇や蛙、とかげなど、土にひそんで冬を過ごす様々な生き物のことを指しています。
蟄虫啓戸の時期には、色々なことを虫と関連付けているようです。
中でも、この時期に鳴る雷(正確には立春の後に、始めて鳴る雷)を「虫出しの雷」といい、これは地中で眠っている虫たちの目を覚ますといわれています。
虫たちの目を覚ます雷は、私たちに本格的な春の訪れを告げてくれるサインになります。
立春の後に始めて鳴る雷はちょうど蟄虫啓戸の時期に鳴ると、昔の人はちゃんとわかっていたのですね。
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次号は新年度、4月6日に配信予定です。