世代で引き継いでいくもの

こんにちは。

 心の相談室ハレラボのひがしさやかです。

 

 

今年は戦後80年ということもあり、メディアではしきりに戦争特集が組まれてますね。

 

 

この時期、戦争の話題が増えることや、お盆が近づくこともあり、
「なんだか気持ちや身体が重いな〜」という方も少なくないかもしれません。

 

 

「戦争?いやいや、経験してないから関係ないよ」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。

 

 

生まれ育った家族や祖父母世代、そのまたご先祖へと思いをはせてみると、私たちは多かれ少なかれ、正負の遺産を受け継いでいます。

 

 

その中には、戦争の傷跡が私たちが考えている以上に多く含まれています。

 

この時期に「心も体も重いな〜」という方は、世代間の傷が何かしら刺激されているのかもしれません。

 

 

「え〜…メルマガでもこの話題?」と思った方はごめんなさい…。

 

 

戦争トラウマと世代間連鎖に触れることで、この重さの理由が見えくるかもしれません。

それがわかれば、世代間の傷を癒すきっかけになると思い、今回はあえてこの話題に触れてみようと思います。

 

 

「いや、もういいよ」と思う方は、無理せずここで閉じてくださいね。

 

【戦争トラウマと世代間連鎖とは・・・?】

 

あるセッションのアシスタントをしていた時のことです。

 

そのクライアントさんは理由のわからない恐怖症を抱えていました。

(※事例は単純化しています)

 

 

そこでは、クライアントさん、お母さん、お母さんのお祖父さん、お祖母さんのイスが配置されていました。

 

これは、「エンプティチェア」という技法で、それぞれの椅子に家族が座っているとイメージしながら、家族間のもつれや受けた影響をみていきます。

 

さらにその人物の椅子に座ってみることで、その人の体感や気持ちが不思議と浮かび上がってきます。

 

(そんなことでわかるの?と思うかもしれませんが、私たちは無意識の中で多くの情報を受け取っています)

 

椅子は配置は、こうでした。

 

お母さんの椅子に座ってみる、ご本人と同じ恐怖感がありました。

 

 

その恐怖はどうやらお祖母さんお祖父さんから受け取ってきたもののようです。

 

 

次に、お祖母さんの椅子にも入ってみました。

 

 

やはり、大きな恐怖がある様子です。

理由を探りますが、いまいちはっきりとしません。

 

 

そこでセラピストさんは私に耳打ちして、ある「役」を言い渡しました。

 

 

私はその役として、お祖母さんお祖父さんの前にたちました。

(役といっても、その家系の座に入るだけです)

 

 

その瞬間、お祖母さん役に入っていたクライアントさんが、私の目の前で崩れ落ちました。

 

 

恐怖のために床に突っ伏してしまったのです。

言葉にはならない、沢山の傷つきと恐怖、悲しみ、怒りを全身で表出していました。

 

 

私に言い渡された役は「戦争」でした。

 

 

この家族は第二次世界大戦の苦しみを抱えたまま、世代間で引き継いでいたんですね。

戦争は、トラウマ体験の連続です。

トラウマとは命を脅かされるような圧倒的体験の後遺症を指しますが、戦争によるトラウマは、一度きりではなく、命を脅かす出来事が何度も連続して起こる、複合的なものです。

 

 

大切な人や環境が奪われる喪失も大きなトラウマですし、トラウマを被った人と関わることで間接的に影響を受けることもあります。

 

 

平穏な日常が崩れ去り、自分の足下や人生が圧倒的な力で破壊されていく――それはどれほど恐ろしい体験だったでしょうか。

 

 

圧倒的な体験は、人から言葉を奪います。

わき起こる感情や事柄が大きすぎて、言葉にできないのです。

 

感覚が麻痺したり、現実感が失われたり

 

感情が爆発して暴力的になったり、

少しの刺激や音に過敏になったりします。

 

生き残った罪悪感を抱え

体験を心の奥に封印し

 

一人でその重さを抱え続けます。

 

その人の一部は、戦時体験に閉じ込められたままとなります。

 

結果的にその人らしさが失われ、愛する人とうまく繋がれなくなり、共に暮らす家族や周囲にも混乱をもたらします。

 

これらはすべて、トラウマによる影響です。

そして、世代間へもその影響は伝わっていきます。

 

 

例えば、自分は親に愛されなかったと感じている人は、少なくありません。その親自身もまた、「自分は親に愛されなかった」と感じていることが多いのです。

 

 

お酒を飲んでは、家族に当たり散らす父親におびえ、黙って父に従う母親の姿をみては、可哀想なその母を助けるために頑張る子ども。

 

 

その実、親の意識は、戦争後遺症に奪われていたり、戦後の貧困に喘いでいたり、生きることに必死で子どもを慈しむ余裕がない…

(※アルコール依存も、暴力も、我慢して支配を受け入れることも背景にトラウマがあります)

 

 

「自分は愛されていない」と思い込んでも無理はありません。

 

 

そして、そんな悲しみや恐怖を圧し殺し、「厳しくすることが教育」「我慢が美徳」であるとして、次の世代を育てていく。

 

 

これが世代間トラウマの連鎖です。

 

戦争トラウマは、出会ったこともない祖父母や曽祖父母からでも、こうして連綿と影響を及ぼします。

 

例えばそれは

 

・感情のコントロール不全

・罪悪感、自責感

・自己犠牲的精神

・責任感が強すぎる

・ワーカホリック、過度な承認欲求

・休めない

・対人恐怖、恐怖症

・自己否定感

・うつ、引きこもり

 

といった形で現れます。

 

 

このように、戦争にはその後遺症としてのトラウマが無数にあり、それを受けた人の家族メンバーにも多くの影響を与えます。そして、それは世代間連鎖として、その後の世代に負の遺産として引き継がれてしまうのです。

 

さらに私たちは、個人や家族の枠を超えて、日本という国に暮らす一員として、戦争の影響をいまだに受けています。

 

政治や経済、文化、価値観、生き方に至るまで、集合無意識の領域で戦争のトラウマを抱え、その後のトラウマ反応の大きなうねりの中を歩んでいるのだと感じます。

 

さて、ではこの連鎖をどう癒し、どう止めていくことができるのでしょうか。

 

 

先のセッションでは、戦争から受けていた影響に気づき、

その恐怖や悲しみを受け止め、

押し込めていた怒りを、安全な方法で解放しました。

 

そして世代間のねじれや思い込みを一つずつ解いていきました。

 

クライアントさんは落ち着きを取り戻し、家族の座にあたたかな空気が流れていきました。

また、こうした連鎖は、日常の親との関わり方の中に、深く刻まれています。

 

だから私はセッションでよくこう尋ねます。

 

「親から本当はどのような関わりが欲しかったですか?」

 

どの世代にお聞きしても、心の奥底で求めているのは、厳しさや我慢を強いることではありません。

 

それは、例えばこんな想いです。

 

  • ただ、自分の気持ちに耳を傾けてほしかった
  • 自分に意識を向けてほしかった
  • 尊重してほしかった
  • 抱きしめてほしかった
  • 無条件に愛してほしかった

 

どれも、とてもシンプルで根源的な願いです。

 

けれど、その願いが叶わなかったとき──
人は、自分を守るために、心に鎧をまといます。


自分を忘れ、自己犠牲を課し、役に立つ自分を演じ、
人を疑い、恨み、敵を作って生きてしまうのです。

(心の防衛反応です)

 

 

世代間の痛みを丁寧に見ていくと、最終的に誰も悪くないことがほとんど。
ただ、どこかで捻れが生じ、その傷が連鎖しているだけなんです。

 

 

敵がいるとしたら、資源のなさや、環境の貧しさ、知識の未発展、そして人間の心の弱さです。

 

 

つまり──あなたを愛していなかったから、欲しい関わりを与えてこなかったのではありません。
そうできない土壌の中で、愛情を十分に伝える手段を持てなかっただけなのです。

 

 

家族の座から、重荷をとり除くと、親は自然に子どもにあたたかな眼差しを送り始めます。

 

 

もちろん、これは暴力や加害行為を容認する話ではありません。
また、「親世代を許しなさい」ということでもありません。

 

 

まずは何よりも、自分自身の味方であること。
そして、親世代との関係で生まれた痛みや悲しみ、怒りに、
そっと寄り添ってあげることが大切です。

 

 

私たちにできることは──
 
  • 戦争トラウマの影響や家族間連鎖に気がつき捻れを整理すること
  • 自分が悪かったわけではないと理解すること
  • 傷ついたことに対して、怒りをきちんと表すこと
  • 未消化の感情や、脅威への防衛反応を解消すること
  • 自分の尊厳や価値を取り戻すこと

 

そして最後に、自分が欲しかった関わり方で、自分に接してあげることです。

 

 

あなたが癒やされることはあなた一人のためだけではありません。

それは、世代間に続いてきた負の連鎖を、あなたのところで終わらせる力になります。

お盆の時期、里帰りする方も多いかと思います。この機会にお祖父さんお祖母さんの話を聞いてみたり、ただその存在に想いをはせるだけでも、自分のルーツや受け継いできた影響に気づくきっかけになります。

 

 

もちろん、無理は禁物です!

ただでさえ里帰り時期は、親子間のトラウマも刺激されて、どんよりしやすいですからね^^;

 

 

命を繋いでもらい、今を生きている私たちは、痛みや苦しみによるつながりを断ち切り、暖かさと思いやりによるつながりを、次の世代に渡していくことができます。

 

 

そのためにも、まずは私たち自身が癒され、世代間のもつれを紐解き、自分らしい生命力を取り戻していきたいですね。

 

 

最後にコンパッションの言葉を添えます。

よかったら心の中で一緒に唱えてみてください。

 

*・*・* 

 

私の大切な人が、苦しみから自由になりますように

私の大切な人が、幸せでありますように

 

私が、苦しみから自由になりますように

私が、幸せでありますように

 

私の敵が、苦しみから自由になりますように

私の敵が、幸せでありますように

 

生きとし生けるものが、苦しみから自由になりますように

生きとし生けるものが、幸せでありますように

 

*・*・*

 

それでは、また。

*初回カウンセリングをメルマガ会員様限定価格でご提供しています!*
 
〈内容〉
・今抱えているお悩みの整理
・お悩み解決のための心理教育
・心理療法の体験
 
zoomオンラインカウンセリング 90分 3,000円
※ご希望の場合は、お電話でもうけたまわれます。
ご相談くださいね。
個人セッション・継続セッションを受けることで、心のお悩みの解決を促します。
 
「生きるのが楽になった」
「夫婦の会話が増えて、日常生活に喜びが増えた」
「仕事の人間関係が円滑にいくようになった」
「安心感が増えて、落ち着いて行動できることが増えた」
「ママ友との交流を楽しめるようになった」
「自分のやりたいことができるようになった」
 
そんなお声をいただいています。
 
あなたの心が晴れますように
Hare Labo
メルマガへのご感想・ご要望などがありましたら、よかったらこのメールにご返信くださいね。直接、ひがし宛に届きます。

・こんなテーマで書いて欲しい
・こんな悩みにはどうすればいいの?
 
などなど、募集中です。
ご意見いただけましたら、うれしいです★
 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、心の相談室Hare Laboからのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは info@hare-labo.com よりinfo@hare-labo.com 宛に送信しております。
埼玉県さいたま市中央区本町東1-9-10-301


全てのメーリングリストから配信を停止する。 配信停止 | 登録情報更新