こんにちは、イベントスタッフの坂本です。
MAMEHICO銀座では、イベントのときでもメニューを絞らず、
通常のメニューをご用意しています。
カフェがやってるイベントだから、きちんとしたものをご用意しよう、
という気持ちです。
さて、今回は、MAMEHICO銀座のカップ&ソーサーのお話。
銀座で使われているカップ&ソーサーは、
岐阜の多治見にある小さなお店で買ったものです。
手作りの陶器を専門に扱っています。
通りすがりのお客さんも買うことが出来る、一見、普通のお店。
このお店の要は、店主のおじいちゃんが、
美濃焼の色んな作家や窯元と仲良し、ということにあります。
「あいつは今腰を痛めてるから数作れない、まぁお願いしてみるか」だの
「あそこに頼めば近い雰囲気で作れる」だの
「この形は今は作れないけどこう変えればやってもらえる」だの、
事情に精通しています。
井川さんが、このおじいちゃんに要望を伝えて、
MAMEHICO銀座のカップ&ソーサーを、
作家さんに作ってもらうことになりました。
でも、オーダーメイドの手作りの陶器が、
事務的に迅速に納品されるはずがありません。
OL歴が長くて電話が得意な私が、世間話のふりして、現況を確認したり、
催促を重ねることに。
余裕を持って発注したつもりが、銀座のプレオープン前日に、
滑り込みセーフでなんとか届きました。
危うくカップのないカフェのオープンになるところでした。
あー良かった。
そんなこんなで届いたカップ&ソーサー。
カップは3種類、ソーサーは2種類あります。
温かな白色のカップは粉引で、取手つきと取手なしの2種あります。
カップの表面をヘラのような道具で削って、かたちを作っているらしく、
その削り方にも色々あるようですが、
銀座のカップのようにやるのは難しいんだよ、とおじいちゃん。
確かに他所ではあまり見ない削ぎ方だなぁと感じます。
珈琲を頼むと、粉引の取手つきのカップ。
日本茶を頼むと、粉引の取手なしのカップで提供されます。
珈琲にこだわるお店ほど、その味に集中するよう、
カップはシンプルなものを使うことが多いなと感じます。
でも、粉引のカップは、口をつけたときにも、
器の輪郭をはっきりと感じるように仕上げてあるので、珈琲の味と一緒に、
カップの存在感も味わえます(笑)
そして、お茶の熱さをダイレクトに感じるけど、
取手なしのカップはころころしててやっぱり可愛い。
お茶が熱いうちは、飲み口と底だけを持ってふうふうしながら飲み、
程よい温度になったら手で包むようにして飲むのが好きです。
カップが柔らかく素朴な触感で、落ち着きます。
もう1種のカップは、菊をモチーフにした和柄です。
大正時代からある美濃の名窯で作られています。
この柄であれば、湯呑みのかたちが一般的でしょう。
でも、洋のかたちでオーダーしました。
こんな柄なのに、あえての取手つき。
ソーサーも和に寄りすぎないように、縁だけに柄を入れました。
紅茶を頼むと、このカップです。
ポットには茶葉が入ってるので、
カップに注ぐときには茶漉し(オシャレにいうとティーストレーナー)を使います。
このゴールドの茶漉しにも合う、和洋併せ持つカップのバランス感が、
なんかMAMEHICOっぽいのです。
・・・カップとソーサーのことだけなのに、書き始めると、
前置き含めて長くなりました。
ひとつひとつにストーリーがあるなぁ。
和のような、洋のような、ちょっぴりおかしく、
印象的なカップとソーサーたち。
銀座でお茶するときは、ぜひ手でも味わってみてください。