🙋ホーリーのひとこと🙋
演出家の堀口さん(ホーリー)が、チェーホフの言葉を通して、思うこと、感じることを、キャストとスタッフに向けて、メッセージで送ってくれています。ワーニャおじさんを理解するヒントになると思うので、参考にしてくださいということから始まり、毎日欠かさずに、お知らせが届いています(笑)。MAMEHICOが大切にしている10のことにも通ずるのではと、堀口さんは熱く言います。
ホーリーのひとこととして、みなさまにもご紹介しますね!
by Anton Chekhov
"あなたのお手紙の一つに、ぼくに何かローカル生活に取材した国際的な小説を書いてほしいとありましたね。そういう小説(短篇)はロシヤに帰ってから、回想してこそ書けるのです。ぼくは、過去のことを回想してしか書けないんです。いちどだって直接に写生的に書いたことはありません。ぼくは、ぼくの記憶が筋を濾過して、その濾過紙に重要で、典型的なものだけが残る時期を待たねばならないのです。"
〈Holii feels something special.〉
「今年の5月、ワーニャおじさんを上演することが決まって、最初に取り組んだのが、脚本作りです。6冊の日本語訳と1冊の英語訳、数え切れないチェーホフ関連の本を基に書きました。
それぞれの翻訳は、それを書いた人によって、驚くほど違います。解釈、訳された年代、誤訳......。
さらに、ロシア功労芸術家、パリ国立高等演劇院教授、ロシア国立モスソヴィエト劇場芸術副監督、3人に演出された時の記憶が蘇ります。全くと言っていいほど、3通りの別の作品。
1日2ページずつ書き進めるのが、やっとでした。
ワーニャおじさんが書かれたのが100年以上前、日本で初めて翻訳されたのが70年前、僕が初めて演じたのは20年前......
MAMEHICOの食事会に初めて参加した時、全員が自己紹介をしました。笑いました。楽しかったです。みなさんそれぞれが過去を回想して、その場でなんとか自分を表現されてる姿が、愛おしくなりました。
"自己紹介は何回やってもいい"、と誰かが言ってました。確かに。過去が濾過されて、現在は更新されて、最新になるから。
本当にたくさんの色々な人を濾過して、来年、MAMEHICOで上演するワーニャおじさん、楽しみです。」