鎌田慧セレクション 9月刊行開始!
第1巻は『冤罪を追う』
鎌田慧著、9月10日刊行 2,700円
行動するルポライター鎌田慧の、戦後日本の闇をえぐる作品から重要作品を自選し、さらに「拾遺」として「単行本未収録文集」 を加えた『鎌田慧セレクション』(全12巻)の刊行がはじまります。第一冊目は「冤罪を追う」。
冤罪という権力犯罪の追及、雪冤運動との同伴は鎌田さんの代名詞。財田川事件の『死刑台からの生還』、狭山事件、袴田事件、福岡事件、三鷹事件、菊池事件(藤本事件) などの論考を再編集して収録しました。袴田巌さんの無罪判決が期待される今月、この第1巻目をお届けします。死刑制度反対!
書店様で定期購読いただくと特典がつきます(詳細はお待ちください)。
『新版 〈海賊版〉の思想 18世紀英国の永久コピーライト闘争』
山田奨治著、9月10日刊行 2,700円
著作権保護期間をめぐる論争が起こるとき、たいてい「著作権を守ることは人格権を守ることだから、永久に(またはより長く)守られるべき」という意見と、「一定の年数がたった作品は自由に使える共有の文化になるべき」という意見が対立します。その論争が、250年前にすでにイギリスで起こっていたことをご存知でしょうか。大書店主たちとの法廷闘争のはてに、「パブリック・ドメイン」を勝ち取ったのは、なんとエジンバラの「海賊出版者」アレクサンダー・ドナルドソンでした。
いま、著作権をめぐる状況が急速に変わる時代の中で、保護と利用のバランスについてどう考えるべきか、本書を通じて考えてみたい。そんな視点から復刊しました。
【近刊】
『二代男と改革娘 日韓の人類学者が韓国を語ってみた』
金暻和、林史樹著、10月8日刊行 予価2,000円
日本のネット文化を研究する金暻和さんと、韓国の食文化や人の移動を研究する林史樹さん。研究関心も出身国も異なる文化人類学者の二人が、両国の社会事情について、肌で感じた経験からじっくり語り合います。
韓国の学生や社会人が抱える今日的な悩みは、例えば以下の言葉に象徴されます。「二代男」と「改革娘」、「デート通帳」「ソゲッティング」「N 放世代」「非婚宣言」……。猛烈な勢いで発展してきた韓国経済において、若者や勤労世代の抱える不安と上昇意識に着目し、新自由主義の功罪や、その根底に今なお息づく自然観や伝統的な風習についても読み解きます。
さらに、二人と接点のある神田外語大学で日韓の歴史・文化を学ぶ日本人学生と韓国人留学生の6人による座談会を収録しました。日韓の若者たちは同じ教室で学ぶ際、どのようなことを意識しているのでしょうか?
『長島愛生園・神谷書庫所蔵目録』
10月中旬刊行、B5判並製 約1500ページ 45,000円
岡山県瀬戸内市に位置する国立ハンセン病療養所・長島愛生園。その構内に、同園で働い
ていた精神科医・神谷美恵子(1914-1979)の名前を冠した「神谷書庫」という小さな図書室があります。長島愛生園に在籍していた患者有志が、全国のハンセン病療養所からこの図書室に集めたハンセン病関連の文献は日本屈指のものです。しかしながら、冊子体の蔵書目録はこれまで存在せず、機関紙「愛生」編集部に問い合わせるよりありませんでした。本書は、神谷書庫を管理する愛生編集部の駒林明代さんから所蔵データの提供を受けて刊行するものです。のちに寄贈された神谷自身の蔵書も含めて、その全貌が初めて明らかになります。
【ピックアップ】関東大震災
9月1日、関東大震災から101年が経ちました。100周年が終わっても9月にはこの災害、とりわけこの時におきた人災、虐殺された朝鮮の方々や社会主義者たちに思いを寄せたい。弊社の関連本を挙げます。
『シリーズ紙礫17文豪たちの関東大震災』児玉千尋編
そのとき文学者たちはどう行動したのか。
『シリーズ紙礫18血の九月』皓星社編集部編
表題作は、亀戸事件に取材した、知られざる名編。
『黒旗水滸伝 大正地獄編』上下巻 竹中労・かわぐちかいじ
若き日のかわぐちかいじと竹中労がコラボした傑作。長く品切れでしたが100年に合わせて復刊。
『大正十二年九月一日』福島泰樹歌集
大正という時代を短歌で描く。デビュー作『バリケード・一九六六年二月』以来の日付をタイトルとした歌集。
☆ハッピーオウル社出版ニュース
ハッピーオウル社は、親と子のこころを結ぶ、絵本と読みものをお届けする出版社です。2003年にもと岩崎書店の飯野寿雄さんが創業され、2022年から皓星社のグループ会社になりました。今号からハッピーオウル社のご案内もこのメールマガジンでお届けしていきます。
【近刊】
『うえをみて!』
チョン・ジンホ著 斎藤真理子訳 9月20日刊行 1500円
米・中・仏・台・ベルギーの世界五カ国で翻訳!ボローニャラガッツィ賞オペラプリマ部門など、良書選定実績多数。車椅子の主人公が外の世界に出会い直すまでを丁寧に描く韓国絵本です。
車いすで生活をするスジの毎日は、家のベランダから下を通るひとたちの頭を眺めるだけの日々。「わたしここにいるよ。だれでもいいから……うえをみて!」。するとある日、誰かがスジに気づいて下から声をかけてきて……? 障害を持つこと、また障害を持つ人と共に暮らすとはどのようなことか、心をバリアフリーにするにはどうしたらいいか、子どもの目線から考えてみませんか?
★イベント案内
【イベント出店】
9/20(金)-21(土)お茶丸広場ブックマーケット2024 @丸善お茶の水店
10/6(日)きのもと秋の本まつり @滋賀県江北図書館
10/26(土)-27(日)神保町ブックフェスティバル&第4回 皓星社ふるほん市
11/5(木)-7(土)図書館総合展@パシフィコ横浜
以上4つのイベントに出店します。本&データベース談義を、読者・利用者の皆さんとできれば嬉しいです。ぜひ足をお運びください。
【刊行記念イベント】
9/26(木)19時〜20時 都内書店さんにて
『パパイヤのある街 台湾日本語文学アンソロジー』刊行記念イベント
山口守編、8月9日刊行 2700円
表題作「パパイヤのある街」ほか、日本統治期の台湾人作家による7篇の日本語文学作品を収録。多層的な言語空間をもつ台湾で生まれた作家たちは日本の言語政策の変遷にいかに翻弄され、そのアイデンティティを形成し、自己表現へと辿り着いたのか。
植民地・台湾の日本語作品は、これまで日本の文壇からは閑却され、ほとんど手に入らない状況でした。言語という枠組みからその過程に光を当てることで、植民地主義の歴史を考え直します。
作品解説は、台湾文学研究の第一人者である山口守さんと垂水千恵さん。9月末に、都内の書店さんで刊行記念イベントを開催予定です。場所や申し込みページ等は、書店さんでの告知開始後に号外でお知らせ予定です。
【刊行記念フェア】
@丸善丸の内本店
9月上旬〜『もっと調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス2』刊行記念「調べの本」50選!
小林昌樹著、6月18日刊行、定価2000円
前著『調べる技術』刊行時に全国15店舗以上の書店様で開催して好評を得た、小林昌樹さんが選書したブックフェア「『調べる技術』の小林昌樹が選んだ「調べ本」50選」の第2弾を行います!
50選のうち15タイトルほどを差し替え、新たに推薦コメントを付けています。コメントをまとめた無料小冊子も準備中です!
9月上旬から丸善丸の内本店様で開催予定です。実施希望の書店様は弊社までご連絡ください。
@東京堂書店
9月中下旬〜 鎌田慧セレクション刊行記念「現代の記録」100冊フェア
本セレクション刊行を記念して、鎌田慧さんの選書&著書合わせて100冊をご展開いただきます。こちらも小冊子をご用意する予定。実施希望の書店様、ご連絡ください!
【出版目録】
『皓星社出版目録』2023年10月時点で、在庫のある書籍300点弱を、書影・紹介文付きで収録しています。「書名索引」「人名索引」付き。 ご希望の方はこちらから。送料は無料です。