おはようございます、

中元 礼子です。

長野県白馬村から

やっと鹿児島の自宅に戻ってまいりました。

約一か月半もの間 ずっと雪を見ながら過ごしていたので、

初夏の匂いすら感じる鹿児島にくると

少し浦島太郎の気分です。

昨日は家の中と髪の毛を調える一日でした。

８か月ぶりにお会いした美容師さんに

髪を切って頂きながら、私が

「伸びていく過程の髪形も好きなので、

いつも“切らなくてもいいかなあ？”と思いながら来ています」

と話すと、

「わあうれしい！

でもじつは、そう言ってくださるお客様が多いんです。」

とのこと。

「ほう！

それはなぜだとご自身で分析されていますか？」

と訊ねてみたところ、

こんなお返事が返ってきました。

「生え方に沿って切っているからだと思います。」

・・なんでも、

私たちの毛には“生える方向”というものがひとり一人あって、

その生えていきたい方向を読んで

流れを妨げない角度で切り揃えていくと、

髪の毛はすくすくと伸びていくのだそうです。

だから手入れもしやすいし、

「あーもうボサボサになっちゃったから

どうにかしなきゃ！」とは、なかなかならないんですって。

これは目から鱗でした。

私たちの身体は形があるので

目に見えて分かりやすいですが、

身体という“形”になる前は

非常に細かな粒の「エネルギー状態」です。

エネルギーには動いていきたい方向があって、

目には見えないけれど“動き・流れ”があります。

「感情の流れ」などは、よい例ですね。

（緊張するとギュっと収縮した感じとか、

わー楽しい！！と思ったら気持ちがパア―ッと広がる感じとか。）

その、

形や行動になる前の見えない状態の

エネルギーの向かいたい方向を読めたら、

その力をうまく伸ばしたり、

いなしたりして、

対象物とぶつからずに気持ちよく流れていくことが出来るのだな。

ちなみにその美容師さんが言われていたのですが、

毛の生える方向を無視してカットすると、

その時は揃うのですが

いずれ てんでバラバラになっていくそうです。

子どもや人との接し方にも、

チームビルディングにも、

植物や動物の扱いにも通じる話だなあと思いました。

そんな「形になる前の流れを読む美容師さん」ですが、

まもなくお店を無期休業にされるとのこと。

長年のお客さん達から

「これから私はどこで髪を切ればいいの？？」と詰め寄られて困っているそうです。

休業の理由は伺いませんでしたが、その後の

「・・いやあ、私も高校を卒業して働き始めた頃は、

遅くまで呑んでは翌朝ウトウトしながら

パソコンに向かうようなダメOLでしたが、

とある先輩に出会ったおかげで

真剣に仕事に取り組むようになりましたね。

結局仕事は、何をやっても自分の取り組む姿勢が一番大事ですよね。」

といった話ひとつひとつに含蓄があり、

ずっと続くと予想していたこの美容師さんとの関わりも当面これが最後。

軽やかだけど濃い言葉をやりとりできて、

とてもいい時間でした。

会話を通して

お互いに何かしらヒントやアイディアが浮かぶって、

思考の枠に広がりが生まれて楽しいものです。

また、

いろいろな思考が入り乱れて散らかっているときに

対話からそれらを分類、整理するヒントが得られたりするものです。

自分一人ではなかなかその状況の見方を変えられない時に

誰かと話をすると アイディアが湧いて状況の変化が早いので、

とてもいいですね。

“何かに向かっている”と、

おなじように“何かに向かっている人”と

よいアイディアやエネルギー交換ができる。

これが、ただ気持ちを発散して終わりの“おしゃべり”でなくて

“対話”を通してやっていることなんだなと思います。

中元 礼子

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