おはようございます、

中元 礼子です。

 

 

 

私はいま 長野県の白馬村にあるスキー場で

息子と共にリゾートバイトをしているのですが、

 

 

職場に「柴さん」という推定70歳ぐらいの男性がいます。

 

 

 

 

この柴さんが、

「中元さん漬物は好きかい?」と声をかけてくれました。

 

 

 

おそらくこれには理由があります。

 

 

 

一週間ほど前に、

 

職場の休憩室の机の上に置いてあった干し柿を

私と息子が「おいしい!」とむしゃむしゃ食べたからです。

 

 

 

あとから聞けば、その干し柿は一年以上そこに放置されていたらしい。

(この職場には20~30代の若者が多く、誰も手を付けなかったようです)。

 

 

 

 

私は干し柿を作るので、

 

その干し柿が黴らかすことなく

いかに上手に干されているか がよく分かりました。

 

 

 

その滋味深い干し柿が「柴さん」のお手製だと聞いて驚き、

作り方をご本人に訊ねたことがあったのです。

 

 

 

 

それがあったからきっと、

“この人(中元)は漬物も食べるかな?”

 

と思われたのでしょう。

 

 

 

 

 

若い頃に数年ほど東京に住んでいたことがある、という柴さんは

 

小林旭のようなソフトな声を歯切れのいい江戸弁にのせて

 

 

「野沢菜がいっぱい採れたから作ったんだけどね。

漬物食べるなら、休み明けに持ってくるよ。」

 

と声をかけてくれました。

 

 

 

 

 

長野といえば野沢菜漬け。

 

 

雪深い長野では、

 

保存食を作る知恵がいろいろと遺されているんだろうなと

以前から関心を寄せていたので

 

 

こうした形で地元の人が昔からやっている漬け方で

作られたものを見せてもらえるなんて!

 

 

 

長野に来てよかったなあと思いました。

 

 

 

 

 

+++++ 

 

 

 

 

「柴さんはおじいちゃんだから、

ときどきおかしなことやっちゃうんですよー。」

 

なんて言いながら30歳ぐらいの女の子が

 

仕事を始めた頃、私に仕事の手順から

一緒に働くスタッフの人物像までガイドしてくれたことがあります。 

 

 

 

 

 

大忙しの飲食店で働くことに慣れている若者たちは

 

いろんな所に目配りが効いており、

そつのない動き方でテキパキと働きます。

 

 

 

そんな若者たちの裏方として柴さんは

 

大釜でお米を炊いたり、

たくさんのお皿や大きなお鍋を洗ったりしています。

 

 

 

「飲食畑(での勤務経験)長いんですけど、

自分でごはん作る事なんて全然ないっス!」

 

なんて若い従業員が仕事の合間に話している脇で、

 

 

柴さんは私に

 

「野沢菜はね、手でちぎってしばらく干すんだよ。

塩もみはしない。

 

で、粗塩、みりん、酢、あと醤油ね。

これで味をつけるんだよ。」

 

と教えてくれます。

 

 

 

 

柴さんの話を聞きながら、

 

知恵を出し、ひと手間かけて「価値を生む」ということについて

考えてみました。

 

 

 

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何もないところに、

価値を生み出す。

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海から遠く離れている長野ではその昔に、

 

海塩を運びながら経済活動を生む「塩の道」が出来ました。

 

 

 

放っておけば

しおれていく野沢菜ですが、

 

 

この「塩」を使えば

保存できると気付いた先人が、

 

生き延びるため、そして食を豊かにする知恵として

周りの人へ伝えていきました。

 

 

 

それは「野沢菜漬け」となって、

 

 

またさらに、

野沢菜漬けをおまんじゅうの具にして食べる「おやき」へと展開されていき、

 

地元の人のおなかを豊かに満たす食文化に発展していきました。

 

 

 

 

何もしなければ

そこに人の意識は集まりませんが、

 

 

誰かがそこに意識を向け、

考え続けることで、

 

 

 

それはやがて

 

多くの人を動かす「場」となります。

 

 

 

 

その他にも

 

 

明治時代に軍用として導入されたスキーは、

 

「もっと積雪地の人のために活かすべきである」という知恵者がいたことによって

 

 

民間人が楽しむために研究され、

 

今では長野県になくてはならない大きな観光資源にまで成長しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、

私たちが働いているスキーゲレンデにて小さな雪崩が起きました。

 

 

 

 

さいわい、

営業外の時間帯に起きたので 人災は出なかったのですが

 

 

雪の斜面が崩れた復旧工事のため、滑り客が激減しました。

 

 

 

その影響を受けて

私たちの働いている併設レストランやショップも閑散としていたのですが、

 

 

”何も無い状態から

価値を生み出せるのが私たち人間の強み”ですから

 

 

「今こそ、

知恵の絞りどころだな」と、

 

 

お喋りをする若者や

 

床タイルをデッキブラシで大掃除はじめた柴さんの横で

 

 

私もショーケースをピカピカに磨き上げながら、

 

「今できる、よりよい選択」のアイディアを出す稽古をしていました。

 

 

 

「今日は雪質、どうでした?」など

言葉をかけることから小さく交流が生まれ

 

”また来たいな”とお客さんの心が動く。

 

 

 

「食べに来てもらう」から

「こちらからお弁当をもって届けに行く」方法へ

 

フットワーク軽く切り替える、など。

 

 

 

 

 

+++++

 

 

 

 

何もない場所に

価値を生み出して、

 

心がワクワクしたり、人の交流が起きたりすることって、素敵だなと思います。

 

 

 

アイディアが次々湧いてくる人がいますが、

 

それは才能ではなく

スポーツや作業と同じで、稽古の賜物だといいます。

 

 

 

日常の小さなことに 「おや?」と気づきやすくなって、

「こんなの、どうかな?」と浮かんだ事を

 

具体的にどう動いて形にしていくか?を考える。

 

 

 

それが当たり前になると、

 

 

 

ほんのちょっとした創造で

 

誰かを喜ばせられるようになります。

 

 

 

 

 

これは、

人とのコミュニケーションや仕事において

 

 

 

「アイディアを生み出す」という尽きない資源を

自分の中に持った、ということです。

 

 

 

在るものを楽しむだけの“100%消費者”から、

自らも“生み出す人”になる。

 

 

 

 

「あ、あれ作ってみよう」

 

「こんなことやってみようかな」があると、

 

あてがわれたものを消費するだけの人生から

 

別の次元へ移ることだ。

 

 

 

 

スキー場のレストランで

柴さんをはじめいろんな人と働きながら、

 

そんなことを考えました。

 

 

 

 

 

それでは今日も、

よい一日にいたしましょう。

 

 

中元 礼子

 

 

 

 

追伸

 

気づきが起きやすくなり、

それを実行に移すまでの頭をつくるには、「ノートをとる時の、ちょっとした工夫」。

 

 

これは海江田和記さんという方が

「僕はこれで成長できました」と教えてくれた方法で、

 

 

私も毎日「これは気付きが起きやすくなるな!」と思いながら実践中なのですが、

ご興味のある方はいらっしゃいますか?

 

 

いらっしゃったら、

来週末までに「生み出す頭をつくるノート術」の説明動画を作ってお見せしますね。

 

 

ご希望の方は、こちらからお申込み下さい。

 

 

 

 

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(アーカイブ画面まで多少時間がかかる場合もあるようです。)

 

 

 

 

 

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