その方はYさんといいます。

 

Yさんは高校生のお嬢さんを持つ主婦で、勤め人でもあります。

 

ある時　武学に出会い、これはいいものだと直観されました。

これを多くの人に知って頂きたいと、Yさんは

知り合いのお寺で、武学の体験会を企画します。

 

 

イベントを立ち上げる

 

イベントというものを催す際には

そのイベントを運営するスタッフが何人か必要です。

 

そこでYさんは武学の仲間に声をかけ、

スタッフとしてイベント運営に入ってもらうことにしました。

 

武学を自分に教えてくれた師匠や、

お寺の僧侶にも体験会に参加してもらう手はずを整え、いざ開催！

 

・・・ところが、

当日その企画に申し込まれた方はたったおひとり。

 

その会場にいる人たちは、

すでに武学を知っている仲間（つまりスタッフ）の

人数の方が圧倒的に多い状態。

 

武学を知らない人へ知って頂くための企画が、

残念ながらまだ広くは伝わらなかったのです。

 

 

参加者が集まらなかったイベント

 

でもYさんは、

武学の師匠、そのお寺のお坊さんを含む、

実質たった一人の参加者の方を前に体験会を始めました。

 

師匠から学んだ話を取り上げ、

「これ、ご存知の方いらっしゃいますか？」と目の前の参加者

に問いかけたところ「はい！！」と元気よく手を挙げたのが武学の師匠。

 

Yさん：「はい、どうぞお答えください！」

師匠：「○○だと思います。」

Yさん：「はい、その通りです！！」

 

といった茶番を繰り広げながら　笑、

お坊さんに説法をしたり、

「このような体勢でやってみてください」と説明するために

お坊さんの禿げ頭を押さえつけたりと、

コントのように体験会は進んでいきました。

 

「あれは忘れられないカオスな体験会だった」と、参加した武学仲間は言います。

 

 

参加者が集まらなかった時の選択

 

さてここで、あなたに質問です。

 

あなたが企画したイベントに
もしおひとりしか申込みがなかった場合、
あるいは参加者ゼロだった場合、

あなたならどうしますか？

 

１・イベントを取りやめる。

 

２・イベントを決行する。

 

さて、どうなさいますか？

 

 

 ・・・・。

 

 

もちろん

自分のお仕事としてやっていくのですから、

提供する時間と対価が見合うか？を考えて

やめるという選択もアリです。

 

また、なぜ自分はこれをやろうと思うのか？

そこに明確な目的があり、やることが目的達成につながるのであれば

やるべきでしょう。

 

 

 

重要なのは、自分の目的が明確にあるか？という点

 

どちらの選択でもいいと私は考えますが、

これは迷いが生じるだろうなと思うのが

「なぜそれをするのか？」という明確な理由が、
よく考えるとあまり自分の中にない時。

 

この時が、

参加者の人数に一喜一憂してしまうだろうと思うのです。

たくさん参加者がいればそのイベントには価値があると思い、

逆にいなければ、価値がないと思ってしまう。

 

これは、人の反応に重要な価値基準を置いているので、主体性ゼロな状態です。

すごく振り回されて、本来使う必要のないエネルギーを浪費してしまいます。

 

重要なのは、

「状況はどうであれ、私はこれをやる。
なぜなら、私にはこういう目的があるから。」と
自分が思えることだと私は考えますが、

いかがでしょうか。

 

 

イベントを企画する時には

人から求められることって何だろう？

という視点から考える事も大切ですが、

ウケそうな理由だけで決めると

自分の身が入らないおそれがあります。

 

 

参加者がそれを得ることで変化した先や、

そのために自分ができることを考え合わせた上で導き出した事を

イベントにする、というのが参加者の人数に心が振り回されない秘訣かと。

 

 

追伸

 

文字通り「釈迦に説法」状態の体験会を開いたYさんは、

現在その時と変わらぬ熱い姿勢を貫いて、いまも体験会を開催し続けています。

 

その時と違うのは、その理念に共感する

参加者の方々が格段に増えてきたことです。

 

それでは、また。


中元礼子

 

※自分の目的が明確になってくる、武学体験会を毎月開いています。

今月は１１日（木）１３：００～です。
（詳細はタップ↑）