1.従業員の休業について
新型コロナウイルス問題に関連して、従業員が会社を休む場合・休まざるを得なくなる場合として、たとえば、次のような場合が考えられます。
① 従業員自身が新型コロナウイルスに感染した
② 職場で感染者が出たため、職場が一斉休業になった
③ 従業員が感染者の家族や濃厚接触者だった
④ 従業員が出張や旅行で感染多発地域に行っており、帰ってきてから日が浅い
⑤ 微熱や咳など、感染が疑われる症状がある
⑥ 新型コロナウイルスの影響で仕事が激減し、会社から自宅待機要請があった
⑦ 子どもの学校の休業により、面倒を見るために仕事を休まなければならなくなった
従業員の休業について、会社が考えなくてはならない問題としては、主に
(i) 従業員が就業可能な場合でも休ませることができるか
(ii) 従業員の休業中の給料を支払うべきか
の2点があります。
2.従業員の休業中の給与支払い
新型コロナウイルス問題に関連して、従業員が会社を休む場合・休まざるを得なくなる場合は、前記1のケースが考えられ、これら①から⑦のケースについて、従業員に給料等を支払うべきかどうかを簡単にまとめると、次の表のとおりです。

それぞれのケースについて、次のとおり説明をいたします。
ケース①:新型コロナウイルスに感染した従業員が会社を休んだ
新型コロナウイルスに感染した従業員が会社を休む場合には、その従業員に対して、給料や休業手当を支払う必要はありません。
ただし、(i)その従業員が有給休暇取得を要請した場合や、(ii) 就業規則等に有給の「傷病休暇」や「疾病休暇」がある場合は、それらの規程に基づく対応が必要になります。
また、4日間以上の休みになる場合、従業員は、健康保険からの「傷病手当金」を受給できることもあります。
ケース②:職場で感染者が出たため、職場を一斉休業にした
新型コロナウイルスに感染した従業員自身への対応は、ケース①のとおりですが、その他の従業員には、少なくとも休業手当(平均賃金の60%以上:労働基準法26条)を支払うべきと考えられます。
ケース③:従業員が感染者の家族や濃厚接触者だったため、その従業員を休ませた
従業員自身に症状が出ていないものの、職場での感染予防のために休ませる場合は、少なくとも休業手当を支払う必要があります。
ケース④:従業員が旅行で感染多発地域に行ったため、その従業員を休ませた
ケース③と同様、従業員自身に症状が出ていないものの、職場での感染予防のために休ませる場合は、少なくとも休業手当を支払う必要があります。
ケース⑤:微熱や咳など、感染が疑われる症状がある従業員を休ませた
まずは「給料を支払うべきか」や「休業手当を支払うべきか」という検討・判断よりも、そのような症状があるものの感染自体が確定していない従業員を休ませるかどうかの早急な検討・判断が必要になります。
感染判明前に休ませる場合には、少なくとも休業手当(平均賃金の60%以上:労働基準法26条)を支払う必要があります。ただし、その従業員に対して、有給休暇取得扱いとするよう話を持ち掛けること自体はできます(有給休暇取得の強制はできません)。
その後に結果として感染が判明した場合で、4日間以上の休みになったときは、従業員は、健康保険からの「傷病手当金」を受給できることもあります。
ケース⑥:新型コロナウイルスの影響で仕事が激減し、従業員に自宅待機要請をした
この場合は、少なくとも休業手当を支払う必要があります。
このようなケースに会社が支払った休業手当は、「雇用調整助成金」による補填の可能性があります。
ケース⑦:学校が休校中の子どもの面倒を見るために従業員が仕事を休んだ
この場合は、従業員に対して給料や休業手当を支払う必要がありません。
ただし、休校中の子どもの面倒を見るために従業員が有給の休暇(年次有給休暇ではありません)を取得して会社が有給手当を支払った場合には、会社は、「小学校休業等対応助成金」を受給できる可能性があります。
参考資料:
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」