ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【ヘブロン近郊でテロ未遂】(Y,P,H)
ヘブロン近郊の入植地アドラに3人のテロリストが柵を破って侵入、パトロール中の兵士が発砲に遭い負傷、テロリストたちは射殺された。テロリストたちは未成年だがライフル銃や手榴弾・斧・ナイフなどを持っており、軍は「大規模なテロを防いだ」との談話を出している。(1/12)

 

【イスラエルがガザ・エジプト国境部を制圧か】(Y)
エジプトに対してイスラエルが、近いうちにガザ・エジプト国境部の緩衝地帯「フィラデルフィア回廊」を制圧する意向を伝えたと、米WSJが報道。2005年以降同回廊の地下に掘削されたトンネルが、ハマスなどによる武器密輸やテロリストの出入りなどに使用されており、開戦後からイスラエルはエジプトに対し警備強化を要請していた。(1/13)

 

【ヒズボラによるミサイルで親子2人が死亡】(Y,P,H)
レバノン国境近くの自治体にヒズボラの対戦車ミサイルによる攻撃があり、40代男性と76歳の母が死亡した。数時間前には3人のテロリストが越境攻撃しようとしたところイスラエル兵により阻止・射殺されており、それへの報復攻撃の模様。ヒズボラは軍事標的に向けたものと、発表している。(1/14)

 

【新たな人質のビデオが公開】(Y,P,H)
ハマスが3人の拉致被害者の映像を新しく公開した。10月7日から100日が経った追悼イベントが国中で行われた直後というタイミングに、地元メディアでは「心理的テロ」と報道。ハマスはその中の2人はイスラエルの空爆により死亡と主張も、翌日に軍報道官は否定。しかし2人の命に関しては深刻な危機感があることを認め、もう1人の女性に関しては生存の情報を手にしているとした。(1/14-15)

 

【中央部ラアナナでテロ:1人が死亡、18人が負傷】(Y,P,H)
中央部の都市ラアナナで車両で歩行者をひき、その後刺傷するというテロが発生。70代女性が死亡し、18人が負傷した。バス停を含む複数の場所で歩行者に突っ込んだようで、負傷者のうち約半数は子供たち。警察は現場でヘブロン在住のパレスチナ人2人を逮捕した。2人は不法滞在者だが近くの洗車場で働いていたもようで、その経営者も逮捕され取り調べを受けている。(1/15)

 

【ガザから主力部隊が引き揚げ】(Y,P)
国防軍は第36機甲師団のガザからの引き揚げを開始した。軍は休養と訓練・戦闘能力の強化のためでありガザへの再配備については未定ということだが、同師団は軍内の主力機甲師団であることから同師団の撤退は、ガザでの戦闘が次のフェーズに入ったことの証左だと現地メディア。(1/15)

 

【撤退した場所から数十発のロケット弾が飛来】(Y,P)
 約50発のロケット弾が南部の町ネティボットとその周辺に飛来、そのうち1発は商店に着弾した。怪我人はいなかった。ハマスが犯行声明を出しており、ロケット弾は前日に第36機甲師団が撤退した場所から発射されたことが分かっている。(1/16)

 

【イスラエルによる検査後、人質への薬品がガザへ】(Y, P, H)
カタール・仏の仲裁によりイスラエルとハマスが、ガザへの医薬品を条件にした人質への医薬品供給に合意した。ネタニヤフ首相はガザ搬入時に検査を行わないことを了承していたが、国内で批判の声が。すると政府は「合意内容について首相は関与しておらず、軍部によるもの」と発言し、軍に対して急きょトラックをチェックするよう指示した。イスラエルのチェック後医薬品はガザに搬入されたが、実際に医薬品が被害者のイスラエル人に届いたかの確認について、国際赤十字は関与しないとの声明を発表しており、カタールが行うことになっている。(1/16-18)

内政

【超正統派にポークサンドを押し付ける】(P,H)
テルアビブの世俗高校前で世俗派女性が超正統派男性にポークサンドを食べさせようとしたことを受け、警察は大衆の気分を害した疑いでこの女性に事情聴衆を行った。同校ではここしばらく超正統派が祈祷ブースを設置し生徒たちに祈りを呼び掛けており、保護者側からは「宣教・宗教の強要」との反発。国を巻き込んでの論争が起こっていたが、それを受けての行為だと思われる。(1/13)

 

【極右・国粋主義者の活動家に有罪判決】(P,H)
過激なユダヤ的国粋主義団体のリーダー、ベンツィ・ゴプシュテイン氏が人種差別への扇動罪で有罪判決を受けた。ここ10年間にわたりアラブ人市民を癌と評し「私たちの中にある癌を捨てなければならない」と発言したり、アラブ人への暴力を呼び掛ける言動を繰り返したことを、エルサレム簡易裁が重く見ての判断。同氏の団体は過激なユダヤ教思想に基づいており、標的はアラブ人だけでなく、異人種間のカップルやメシアニック・ジューなども。(1/14)

 

【ガラント防衛相、ネタニヤフ首相を批判】(Y,P,H)
ガラント防衛相が会見を行い、戦闘の後には政治的決定という錨が必要であり、政府はそれに基づいた戦争の終着点を定めるべきだ、とネタニヤフ首相を暗に批判する発言。ここ数週間で同様の発言はハレビ参謀総長などからも上がっていた。また人質解放のためには引き続き軍事的圧力が必要であるとし、対立関係にある首相とガンツ大臣に対しては「兵士たちが体現する一致を、国の指導層も見習うべき」と一致と妥協を呼び掛けた。(1/16)

 

【人質の赤ちゃん、1歳の誕生日を迎える】(Y, P)
最年少の当時0歳でハマスによって拉致されたクフィル・ビバスくんが、1歳の誕生日をガザで捕らわれの身として迎えた。テルアビブの広場では親子連れを中心に数百人が集まり、親族がメッセージを捧げ子供番組に出演する有名人などによるパフォーマンスなどが行われた。ビバス家は親子4人で拉致され、クフィルくんと兄のアリエルくん(4)は去年11月の休戦中に解放されていない唯一の子供。(1/18)

国際情勢

【ハマスこそがジェノサイドを】(Y,P,H)
国際司法裁判所でイスラエル側は、10月7日の虐殺や高齢者や乳児を含む240人の拉致などの行為を示し、集団虐殺を行っているのはハマスと主張。ハマスが人間の盾を使用するなかイスラエルは市民への被害を最小限に抑えるため、パンフレット散布や人道回廊などの努力をしており、ジェノサイドではないと反論した。閣僚の過激発言に関しては直後の懲戒や訂正が政府によってなされており、政策ではない切り取った発言のみを取り上げるのは司法的にも適切ではないとした。(1/12)

 

【ドイツ:集団虐殺との提訴は「根拠なし」】(Y,P)
ドイツ報道官は、イスラエルに対するジェノサイドだとする提訴は根拠を欠いたもので、認められないと発言した。そのうえでドイツは、国際司法裁判所での審議においてジェノサイド条約がどのように適用されているかを明確化するよう、第三者として要請する意向を示した。この発言ののち、ショルツ首相とネタニヤフ首相は電話会談を行った。(1/12)

 

【米・英がイエメンのフーシ派を攻撃】(Y,P,H)
12日未明、米英による連合部隊がイエメンにあるフーシ派の拠点を数十攻撃した。シーア派武装組織である同派はイランを後ろ盾にガザ戦争勃発以降船舶への拿捕・攻撃を行っており、それを受けてのもの。フーシ派は「ガザで虐殺を行うイスラエルへの報復」としているが、標的になった船舶の多くはイスラエルとは無関係。翌13日にも米空軍は、同様の攻撃を行った。(1/12-13)

 

【ヨルダン:イスラエルとの和平は今もなお戦略的選択】(P)
ヨルダンのハサーウネ首相がイスラエルとの関係に言及。和平はヨルダンにとって未だに戦略的選択であるとしつつ、自国にパレスチナ人難民が流入することは「我が国の実存に関わる脅威」とイスラエルを牽制した。また両国間の貿易・エネルギー分野でのプロジェクトについては、「ガザでの惨状から、イスラエルの閣僚と席を共にしての交渉は想像できない」とし、戦闘中の協力については否定した。(1/16)

 

【アラブ諸国による休戦・人質解放の試み】(Y, P, H)
アラブ諸国が恒久的休戦・人質解放のためにイスラエル・ハマス間の仲介役として水面下で動いていると、英経済紙が報じた。イスラエルはサウジと国交正常化するが、パレスチナ国家樹立のための具体的なプロセスを承認するというもので、一時的な停戦案ではなくより長期的な地域安定化を目指した内容になっている。(1/18)

 

【ヒズボラが米からの戦局安定化打診を拒否】(Y, P, H)
イスラエル・ヒズボラ間の戦局悪化を避けるため、バイデン米政権はヒズボラに対して戦闘員の国境部からの撤退を盛り込んだ提案をしたが、ヒズボラは拒否した。しかし関係者によると交渉決裂ではなく、指導者のナスララ師は交渉を続ける準備はあるとのこと。イスラエル側も軍は戦争になる可能性も高いと警告しながらも、同時に政府報道官は「外向的チャンスの窓が開いている」と大規模な戦闘よりも外交的な着地点を探している様子。(1/18)

◯ 文化

【イスラエル人選手がトルコで拘束】(Y,P,H)
トルコのサッカーリーグでプレイするサギブ・イェヘズケル選手が、ゴールを決めた後にダビデの星と「(拉致から)100日」と書かれたテーピングを指差したことを受け、トルコ当局が国民感情を傷つけた疑いで同選手を一時的に拘束。両国の諜報機関による交渉もあり釈放された翌日にはイスラエルに帰国した。(1/14-15)

 

【培養牛肉の販売にGOサイン】(Y, P, H)
イスラエル保健省は同国の培養肉企業アレフ・ファームズに、培養牛肉の販売を承認した。アンガス牛の細胞から培養されたもので、薄いステーキ肉として順調に行けば今年中にイスラエルのレストランでも食べれるようになるとのこと。鶏肉の培養肉に関しては米・シンガポールで販売許可が下りているが、牛肉は世界初。(1/17)

 

【ユダ山地で前6世紀の銀硬貨が出土】(Y, P, H)
エルサレム近郊の道路工事前の発掘で、ペルシャ時代の銀貨が発見された。小アジア・ギリシャで鋳造されたものがイスラエルに流入したもので、国内では最古の銀貨に分類される貴重な発見。発掘者は半分の形で見つかったことから「銀塊が銀貨に取って代わるまでには数百年を要した。イスラエルでは当時銀貨が流通していなかったため、半分に破壊されて銀塊として使用されたのでは」と、話している。(1/17)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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