ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【ハマスが人質女性の動画公開】(Y,P,H)
ハマスが19歳の女性2人と30歳の女性、計3人の人質の動画を公開した。ビデオは「時間はなくなりつつある」とのテロップから始まり、3人とも「囚われて107日間」と話していることから数日前に撮影されたものだと考えられる。イスラエルメディアは「彼女たちの言葉ではなくハマスに言わされたプロパガンダ・心理的テロである」という理由から、一様にビデオの映像はもちろん内容も報道していない。(1/26)

 

【ハマスの地下トンネル、まだ80%は無傷で現存】(Y,P,H)
米WSJ紙に対してイスラエル・米国の専門家が、現段階でハマスの地下トンネルでイスラエル軍により破壊されたものは20~40%で、8割近いトンネルは未だに無傷で機能しているだろうと推測。イスラエル軍は空爆と地上部隊による爆破の他、ポンプを設置し水を注入・浸水させるなどトンネルの無効化を行っているが、どれも思ったほどの成果をあげていないことが判明した。ガザ全体に張り巡らされたトンネル網に関して、イスラエル軍は12月の時点ではの全長400キロとしていたが、2週間前には560~720キロと大幅に上方修正しているなど、作戦は難航している模様。(1/28)

 

【10%のUNRWA職員がテロ組織に関与】(Y,P,H)
米WSJ・NYT紙が、イスラエルが収集しアメリカに提供した機密情報の一部を報道。それによると12000人のUNRWA職員のうち10%がハマスまたはイスラム聖戦との関係があり、約半数は家族の中にメンバーがいるとのこと。10月7日の虐殺に直接関与したと数日前に報道された12人のうち7人は小中学校の教諭であり、ハンユニスのUNRWA学校のアドバイザーが息子と共に拉致に参加したり、ソーシャルワーカーの1人がテロリストに武器提供を行ったなどの例も上がっている。(1/29)

 

【ハイファで車での追突によるテロ発生】(Y,P,H)
北部の中心都市ハイファで29日朝、アラブ系イスラエル市民の男性が海軍基地近くで若い男性に向かって車で突っ込み、重傷を負わせるテロが発生した。テロリストはひいた後に車から降り、斧を手にし基地の入口に向かって200mほど走っていったところ、兵士に打たれて死亡。警察が容疑者の自宅を家宅捜索したところ約1000万円の現金が見つかっており、テロとの関連性を調査している。ハイファでのテロは2022年4月以来。(1/29)

 

【ハンユニスの墓地の下にもトンネルが】(Y,P)
イスラエル軍がハンユニスで発見された約1キロの長さの地下トンネルを公開。礼拝所や軍指令室・キッチン・寝室などの部屋が複数あり、その一部はハンユニスの共同墓地の地下数十メートルに位置している。軍は10月7日の虐殺の指令室としても機能していたとしており、トンネルは調査・記録収集の後爆破によって破壊された。(1/29)

 

【ジェニンの病院でテロリスト3人を殺害】(Y,P,H)
30日朝、イスラエル国境警察の対テロ特殊部隊がジェニンの病院に突入し、テロリスト3人を殺害した。リーダー格の1人はハマス所属で、10月7日の越境攻撃・虐殺に似たテロ攻撃を近く実行する予定だった。「人間の盾」として同病院内に司令部を設置し、過去にも西岸地区でのテロ活動に関与していた。もう2人は兄弟で、それぞれハマス・イスラム聖戦のテロリスト。作戦に参加した10人の兵士は、医師や看護婦の姿に扮装していた。(1/30)

内政

【10月7日のUNRWA職員関与にイスラエル反発】(Y,P)
少なくとも12人のUNRWA職員が10月7日の虐殺に関与していたことを受け、イスラエルのカッツ外相は団体の指導層の刷新と、独立機関による透明性ある調査を要求した。また野党議長のラピード党首も「憎悪とテロ関与を子供たちに教育することのない新たな機関を、立ち上げる時が来た」とUNRWAを痛烈に批判している。(1/27)

 

【ホロコースト教育が今年は選択科目に?】(Y,P,H)
10月7日の虐殺後に保護者や専門家から、「虐殺直後のホロコースト教育は、生徒の精神状態に対し悪影響を与える引き金となり得る」との声があったことを受け、教育省は今年の歴史科目においてホロコーストに関する教育を必須ではなく選択にすると決めた。生徒の心理状態に合わせて歴史の教師が判断し、今年の高卒認定試験にはホロコーストに関する出題は行われない。教育省は今年限定の措置としているが、「こんな時こそホロコースト教育がより重要」との反発の声も。(1/28-29)

 

【与党議員がガザ再入植のイベントに参加し物議】(Y,P,H)
エルサレムでガザへの再入植を呼び掛ける右派イベントが開催され、1000人以上が参加した。会議にはベングビル国家治安相やスモトリッチ財務相など10人の閣僚が参加、2005年の撤退以来のガザへの入植と、パレスチナ人のガザからの「自発的移住促進」などのメッセージが語られた。野党からは反発の声が上がっており、ネタニヤフ首相はノーコメントだが関係者からは「ガザへの入植はなく、首相はこれについて記者会見で明言している通り」とのコメントが。(1/29)

 

【法相のポストをラピード野党議長に提示?】(Y,P,H)
極右のベングビル国家治安相率いる「ユダヤ人の力党」が、長期停戦に反対し連立離脱を示唆していることを受け、リクードは野党第一党の有未来党に連立入りを呼び掛け。連立入りすればラピード党首には法相のポストが約束されているようで、現職のレビン法相も了承している。司法改革を進めるためにも10月7日まで法相は最も重要なポストだったため、法相が交代となれば司法改革が見直される可能性も。同党首は人質解放のための連立入りについては明言するものの、一貫して「極右の居る政権には加わらない」としている。(1/31)

国際情勢

【ICJ、6つの判決も停戦命令はせず】(Y,P,H)
国際司法裁判所は南アフリカによるガザ攻撃はジェノサイドであるという提訴に対して暫定措置を発表、ガザへの人道支援拡大やジェノサイドに対する扇動に対する処罰、1月のうちに報告書を提出するなど計6つの命令をイスラエルに下した。しかし南アが求めていた即時停戦命令は下されなかった。南アは「決定的勝利の日であり、マンデラも墓の中で微笑んでいるだろう」と祝賀ムードの一方、イスラエルでも「命令の内容は全てすでに行っていることであり、この決定が戦闘へ影響することはない。望んでいたなかでは最善の決定」と、一定の満足感を示している。(1/26)

 

【ガザでの会談で停戦・人質解放交渉が前進か】(Y,P,H)
28日にパリで、CIA長官とイスラエルのモサド・シンベト両長官、エジプト諜報相とカタール首相による会談が行われ、ガザ戦闘の停戦とイスラエル人人質解放のための交渉案についての議論が行われた。この会談はイスラエル・ハマス間の交渉が暗礁に乗り上げていたことに対する打開策として、バイデン大統領主導で開催されたもの。エジプト・カタールがそれぞれ病人・女性・兵士など、複数の段階に分けた人質解放とそれに応じた停戦案を提示した模様で、アラブ側では「ブレークスルー」と報道。イスラエル側はまだ大きな開きがあるとしながら、「全身の兆しは見えた」としている。その後一つに取りまとめられた案がハマスへ提示され、ハマスは「詳細について検討している」とのコメント。その反面、イスラム聖戦は「完全な停戦なくして、人質解放なし」と拒否する声明を出している。(1/28-30)

 

【国連の性暴力に関する調査団:沈黙を破って】(Y,P,H)
紛争下の性的暴力に関する事務総長特別代表事務所による調査団が、10月7日の虐殺の際に起こった性犯罪についての調査のためイスラエルに到着。パッテン団長は生存した被害者や遺族に対し、「沈黙は犯罪者たちにとって、再び凶悪犯罪をおこす機会を引き起こす。沈黙を破って欲しい」と呼び掛けた。調査団は拉致被害者との面会やベエリなどのキブツ訪問を行い、情報・記録を収集する。現状で性犯罪に関する多くの証言が確認されているため、スタッフの一部は滞在を2週間延長して情報収集を行い、帰国後に国連安保理にて報告の機会が持たれ、4月にはレポートも発表される。(1/30)

 

【バイデン大統領が極右入植者4人に制裁命令】(Y,P,H)
バイデン大統領は1日、パレスチナ人への攻撃・畑や所有物の焼き討ちなどを行った極右入植者4人に対して制裁を行う行政命令を下した。今後4人はアメリカへの入国拒否の他、米国内の口座や財産などの凍結、そして米国人は彼らへの送金・寄付やサービス提供が禁止されることになる。イスラエル首相府は「ユダ・サマリアに住む国民の大半は法律を遵守しており、イスラエルは法に違反する全ての者に対し厳重に対処している」との声明を出した。(2/1)

◯ 文化

【今年のユーロビジョンはイスラエル人歌手が2人】(Y,P)
ユーロビジョン2024のための国内大会がルクセンブルグで行われ、イスラエル人歌手のタリ・ゴレルガントさんが優勝し、同国代表として参加することになった。国土が小さいルクセンブルグでは、代表のほとんどが外国人歌手という歴史が。優勝したゴレルガントさんはイスラエル生まれの23歳、父親の仕事で海外を転々としその後ルクセンブルグに定住しており同国籍も所持している。この国内大会ではプロデューサー・監督としてイスラエル人スタッフが招聘されるなど、イスラエルが席巻する結果に。イスラエル代表は2月6日に決定予定。(1/28)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、シオンとの架け橋からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは sorami@zion-jpn.or.jp よりsorami@zion-jpn.or.jp 宛に送信しております。
シオンとの架け橋、京都府


配信停止 | 登録情報更新 | 迷惑メールと報告する