ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【大贖罪日中、ヒズボラから200発以上のロケット弾が飛来】(Y,P)
イスラエルで最も神聖な日であり多くが断食をする大贖罪日の24時間の間、イスラエルでは約360回のサイレンが鳴り100万人もの市民がシェルターへと避難することになった。
11日の夕以降には120、12日には80発のヒズボラによるロケット弾がガリラヤ北部からイズラエル平原までの北部全土に飛来。3人がロケット弾の破片により軽傷、12人がシェルターに急いで向かう中で怪我を負った。
また11日夜にはテルアビブの北にある海岸部の町ヘルツェリアにヒズボラからの、無人攻撃機2機が飛来。1機は迎撃されたもののもう1機は、町の中心部の介護施設に着弾した。イスラエル領内を100キロ以上も迎撃されずに飛行したことから、国防軍は調査を行っている。
またガザからもロケット弾による攻撃があり、2発が南部都市の郊外に着弾している。(10/12)

 

【ハマス、21年から高層ビル倒壊などを画策か】(Y,P)
米ワシントンポスト紙は12日、イスラエル軍がガザ内のハマス指令部から押収した機密資料を公開し、ハマスはもともと10/7以上の大規模な越境攻撃を計画していたことが分かった。計59ページからなる資料からは、イスラエル南部に侵攻した後に鉄道網の一部を制圧し、馬車やボートなどと共にテロリストや武器を輸送・供給、9.11に着想を得たテルアビブ中央部の複合高層ビルの攻撃・倒壊などを企画していたことが判明した。
専門家によると内容の多くは明確なプランの欠けた実現性が限りなく低いものだが、10/7に実際に実行された計画も含まれている。また資料からシンワルがハメイニを含むイラン指導層に対して「2年以内のイスラエルの殲滅」を約束し、5億ドルの資金援助と1.2万人のハマスのテロリストに対しての軍事訓練という、軍事援助を要請していたことも明らかになった。
ハマスはこの大規模な越境攻撃を22年秋に実行しようとしていたが、ヒズボラやイランと同時にイスラエルを攻撃するために延期された。(10/13)

 

【ヒズボラからの無人攻撃機、50人以上の兵士が死傷】(Y,P,H)
中央部にあるゴラニ旅団の新兵訓練基地で13日、ヒズボラが発射した無人攻撃機が夕食中の食堂に着弾し、兵士4人が死亡し重傷者8人を含む50人以上が負傷した。犠牲者となった4人は全員兵役に就いて間もない19歳。
ヒズボラはハイファ一帯へのロケット弾による攻撃と同時に、イラン製無人攻撃機計3機を発射。そのうちの2発はアイアンドームと海軍により迎撃されたが、残りの1機は防空システムをかいくぐりイスラエル領内を数十キロ飛行し、基地に着弾した。
調査によると防空システムは海上を飛行しているのを把握していたが、その後検知出来なくなったため海に墜落したと考えられていた。しかしその後も低空を秒速30mというかなりの低速度で飛行したためシステムが捉えることができず、検知されなかったためサイレンも作動されず、大惨事となった。
軍事評論家によると無人攻撃機はプラスチック部が多くアルミをはじめ金属部が少なく、システムが検知しにくくなっていることや、弾道ミサイルなどとは違い不規則な軌道であること、そして小型であるためレーダーが大型の鳥などと識別困難なことなどが迎撃を難しくしているよう。
24時間以上が経った14日夜の段階でも41人が、入院している。(10/13-4)

 

【ハマス、暴力をもって住民の避難を阻止】(Y,P)
国防軍は14日、ガザ北部ジャバリヤの住民と国防軍との通話録音を公開。ハマスが再軍備を進めているため国防軍は軍事作戦を行っており、軍はジャバリヤの住民に対して人道支援ゾーンへの避難を呼び掛けていた。
公開された通話は避難しようとする住民と軍の会話で、「軍の指示に従いアル・マワシに避難しようとすると、反対する人々がに棒で叩かれ、戻るよう命令される」という住民の声が。軍の対応者が「暴力をふるっているのは軍か、ハマスか」と聞くと、「ハマスだ」との答えがあるため、ハマスが民間人の避難を阻止し戦場に残そうとしている様子が分かる内容になっている。
ハマスが避難中の民間人を妨害・攻撃するのはこれが初めてではなく、「市民が戦場から離れるよう全ての手段を尽くしているが、ハマスは市民が危険な戦線に残るよう全ての手段を尽くしている」と軍は批判。(10/14)

 

【1週間ぶり、テルアビブを中心とする広範囲でサイレンが】(Y,P,H)
14日午後にヒズボラは長距離ロケット弾3発をイスラエルに撃ち込み、テルアビブをはじめとした中央部から内陸部に掛けての広い範囲でサイレンが鳴り、100万人以上がシェルターに避難した。負傷者は2人でそのうちの1人は、屋根に居た際にサイレンが鳴ったため慌ててシェルターに避難しようとして転落し重傷した。
ベングリオン空港でもサイレンが鳴ったため一時離着陸が停止し、着陸態勢に入っていた旅客機は上空での避難・旋回を余儀なくされた。テルアビブには先月末にヒズボラから初めてミサイル攻撃があり、先週もサイレンが鳴っている。(10/14)

 

【中央部でガザ市民による拳銃乱射テロがあり、警官が死亡】(Y,P,H)
中央部の町ヤブネ近くの高速道路で15日朝、ガザに住むパレスチナ人による乱射テロがあり警官1人が死亡、4人が負傷した。
この警官(30代)は、高速道路の路側帯を歩き回っている怪しい歩行者がいるとの通報を受けたためバイクで急行したが、テロリストに対して発砲する前に銃撃を受け、その後マゲン・ダビッドにより心臓マッサージが行われたが死亡が確認された。負傷者は銃弾を直接受けたことか、銃弾が自身の運転していた窓に当たり飛散したガラスの破片による負傷だが、命に別条のある負傷者は出ていない。
現場で射殺された犯人はガザ市民のムハンマド・ダルドネと言い、数年前に人道的理由からガザからイスラエルの入国が認められたが、その後戻らずにイスラエルや西岸地区内で潜伏していた。調査からテロに使用した拳銃は、西岸地区内で入手したことが分かっている。この2週間国内でのテロが多発しており、犠牲者は10人になっている。(10/15)

 

【1週間ぶりに、ベイルートを空爆】(Y,P,H)
空軍は16日朝、6日ぶりにヒズボラ司令部のあるベイルート・ダヒヤ地区に対して空爆を行った。標的は同地区の地下にあるヒズボラの兵器倉庫で、一般市民を巻き込まないように「事前勧告など多くの手段が講じられた」と、国防軍報道官は発表している。実際にアラビア語の報道官が旧ツイッターを通じ、同地区内の色付けされた衛星写真と共に「イスラエル軍が攻撃するヒズボラ拠点の近くにあるため、直ちに非難するように」と呼び掛けていた。
先週水曜日の首脳会談時に、バイデン大統領はネタニヤフ首相に対してベイルートへの攻撃自粛を要請。これを受けベイルートでは空爆が行われず、その他の場所でも攻撃の規模が抑えられていた。(10/16)

 

【10月7日の首謀者、シンワルが殺害される】(Y,P,H)
国防軍は17日夜、ガザ・ハマスのリーダーで10/7の首謀者であるヤヒヤ・シンワルの殺害を発表した。
それによると16日午後にラファにて地下トンネルの捜索を行っていた部隊が、建物の間を移動する複数のテロリストを確認し発砲。するとその一団は二手に分かれたのだが、その中の1人で別の建物に逃げたのがシンワルだった。その時点ではそうとは気付かずに戦車がその建物に向かって砲撃を行った。
潜伏していた階が半壊した後に部隊がドローンを送ったところ、覆面をし、重傷を負ったシンワルが瓦礫の中でソファーに横たわり、ドローンに向かって物を投げている姿が確認された。そこで部隊は再び戦車とロケット弾による攻撃を行い、これによってシンワルは死亡。
そして翌17日に軍が死亡したテロリストの遺体を確認したところシンワルと酷似し、他のテロリストとは違い大金と偽のIDを所持していたことから、たまたま殺害したテロリストがシンワルだった可能性が急浮上。その後DNA検査や歯科所見・指紋鑑定などから(イスラエル収監時のものと)一致が認められたため、正式な死亡が発表された。軍も「事前の機密情報はなかった」と、排除したテロリストがたまたまシンワルだったことを認めている。
7月に殺害されたデイフと共に虐殺の首謀者であり、この戦争においては最大のターゲットをイスラエルは排除したことになる。国内メディアは「この軍事・戦術的な成功を、人質解放や非過激化した戦後のガザという戦略的な成功にどう結び付けるのかが重要」と、一様に論じている。(10/17)

国際情勢

【イランがアラブ諸国へ「イスラエルの報復攻撃に関与するな」】(Y,P)
イスラエルからの報復攻撃があるとされるなかイランは、アメリカと協力関係にあるアラブ諸国であるヨルダン・カタール・サウジ・UAEに対し、イスラエルの攻撃に軍事支援を行った場合イランからの攻撃を受ける可能性もあると警告した。
この支援には自国内からのイランへの攻撃参加はもちろん、イスラエルの戦闘機の領空上の通過許可なども含まれているという。米WSJ紙によるとこれを受けて4か国はアメリカに、イスラエルによる自国領空使用、また自国内に居る米軍の攻撃参加を希望しない旨を伝えている。
現在イスラエルは核または石油施設への攻撃を行うのではと予想されており、イランはこのような攻撃を受けた際には民用物に対しても激しい攻撃をイスラエルに行う姿勢を示している。(10/11)

 

【米「ガザ人道問題が改善しなければ、軍事援助の停止も」】(Y,P,H)
アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官がイスラエルに対し、ガザ北部への人道支援物資搬入の改善が30日以内に見られない場合、イスラエルへの武器輸出を停止する可能性があるとの、文書を送ったことが報じられた。
先月ある司令官によりガザ北部に残るハマス壊滅のため、市民に南への避難を呼び掛けた後に一切の物資の供給を断つという計画が発表され、ネタニヤフ氏は検討すると発言。そして国連によるとガザ北部にここ半月間人道支援物資が入っていないとのことで、ここから国際社会ではイスラエルはこの計画を実行しガザ北部に対して飢餓状況を引き起こしている、と批判する声が上がっていた。
この文書もこの流れを受けての米による警告だと見られている。米は北部への人道物資の増加の他に、収監されているテロリストへの赤十字による訪問や UNRWAに対する法的措置の凍結などを求めている。国内の関係者によると、ガザへの人道物資搬入に関するガイドラインは変わっていないため、書簡の背景にあるのはネタニヤフ首相に対する米政府の不信感が大きいとのことだが、「米からの書簡としては、ここ数十年で最も深刻」とコメントしている。
ちなみに書簡の宛名は首相ではなく、ガラント防衛相とデルメル戦略相になっており、これにもネタニヤフ氏へのバイデン政権の不信感が表れていると国内メディアは報道。(10/15)

 

【イギリス、極右閣僚への経済制裁を示唆】(Y,P,H)
イギリスのスターマー首相は16日にあった国会での答弁で、スモトリッチ財務相とベングビル国家治安相の2人の極右閣僚への経済制裁に対して、「現在、調査検討しているところだ」と発言した。
日頃から過激な発言で知られる両閣僚だが開戦以降は国際的な問題にも発展しており、首相への質問者は両氏によるガザでの飢餓を正当なものでもあると取れる発言や、19歳のパレスチナ人を殺害した入植者を「英雄」と評した発言を引用、経済制裁について質問。これに対し、首相は「嫌悪感を起させるもの」と回答している。これに対して両氏は「イギリスは委任統治領時代が終わったことを理解すべき」と、英国を批判するコメントを発表。(10/16)

 


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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