【イラクからの無人攻撃機により兵士2人が死亡、24人が負傷】(Y,P,H)
2日未明にイラクから飛来した無人攻撃機がゴラン高原の基地に着弾した件について4日、国防軍はゴラニ旅団に所属する19歳の兵士2名が死亡し、重傷2人を含む24人が負傷したと発表した。犠牲者の1人タル・ドロールさんは5月1日に兵役に就き、新兵訓練を終えたばかりだった。
イランから飛来したのは2機でその内の1発は迎撃に成功したものの、着弾したもう1発については防空システムが検知出来なかったため、基地内の警報が作動せず多くの死傷者が出たもよう。イラクの親イラン組織からの攻撃による死者は初で、7月にフーシ派の攻撃により死者が出た際、イスラエルはフーシ派の重要な拠点ホデイダ港を攻撃したことから、今回の攻撃にどう対応するのかが注目されている。(10/4)
【空軍がダヒヤ地区を攻撃、ナスララの後継者が死亡か】(Y,P,H)
空軍は3日夜、ベイルートのダヒヤ地区にある複数の建物に対して地中貫通爆弾を含む大規模な攻撃を行った。アラビア語の報道官が緊急の避難勧告を発表し、その数分後に空爆が。標的は地下にあるヒズボラ諜報司令部で、攻撃時にはナスララのいとこで後継者の有力候補ハシェム・サフィディンが会談のために居たとされている。
翌5日にサフィディン死亡とのイスラエル関係者の談話をアラブメディアが報道し、会談参加者全員が消息不明だとの情報もあるが、正式な発表はまだされていない。サフィディンはヒズボラ内の軍・執行部であるジハード協議会の主要メンバーで、ナスララの代わりに公共の場に姿を現すなど、ナスララの後継者とされてきた。また息子が(2020年に米により殺害された)イラン革命防衛隊の司令官カセム・スレイマニの娘と結婚しているなど、イランに近く過激な人物とされている。(10/4-5)
【国防軍、イスラエル国境付近のヒズボラトンネルを公開】(Y,P,H)
国防軍のハガリ報道官は5日夜に記者会見を行い、レバノン南部での地上作戦によって見つかったヒズボラ特殊部隊『ラドワン部隊』の地下トンネルの動画を公表した。イスラエル国境から300mの地点から見つかったもので、長さは約250mでイスラエル領内には到達していなかった。
動画には小さなキッチンや冷蔵庫や同部隊の司令部・大量の武器なども発見されており、このようなトンネルから(ハマスが行ったような)ガリラヤ地方への越境攻撃を企てていたと、報道官。またトンネル発見時にはテロリストたちとの戦闘もあり、地上作戦が始まってから440人のテロリストが排除されている。
軍部記者によるとガザとは地質が全く違い、硬い岩盤を掘削したヒズボラのトンネルは彼らの技術力の高さを物語っており、トンネル建設に掛かる時間などから数年単位の計画だった、とのこと。8日には別の場所でイスラエル領に10m侵入した地下トンネルが見つかったと、国防軍は発表している。(10/5,8)
【南部バスターミナルで乱射テロし、女性兵士1人が死亡】(Y,P,H)
南部の中心都市ベエルシェバで6日午後、テロリストが中心部のバスターミナルで銃を乱射、1人が死亡し9人が負傷した。犯人はベドウィン系イスラエル市民で防弾チョッキを着け、拳銃・サバイバルナイフを手にバスターミナル内のマクドナルドへ入り、昼食時で混雑しているなか拳銃を乱射した。
死亡したのは南部の国境警備隊兵士のシラ・ススリックさん(19)で、国境警備隊の兵士たちと共に居たところを至近距離から銃撃を受け、現場で死亡が確認された。このバスターミナルでは7か月前にもテロが起こっており、10月7日にはハマスが大規模なテロを再び起こそうとしている機密情報もあり、南部はいつも以上に厳戒態勢だったなかのテロだった。
犯人は2015年に同じバスターミナルでテロを行った犯人と親戚関係にあり、その犯人はハマスと関係があったため、警察はこのテロもハマスによるものではと調査している。(10/6)
【ネタニヤフ首相がヒズボラ後継者死亡と発言】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は8日、レバノン国民に向けたメッセージ動画を英語で発信。その中で「数千人のテロリストを殺害し、その中にはナスララと彼の後継者、そして後継者の後継者も含まれる」と発言し、ハシェム・サフィディンの死亡を認める発言をした。
サフィディンはナスララの後継者筆頭とされており、3日夜にイスラエルが行ったダヒヤ地区司令部への攻撃より消息を絶っており、イスラエル関係者からは死亡の可能性が高いとの声が上がっていた。しかしこのメッセージ後に国防軍報道官は、「ヒズボラが攻撃による被害を隠しており、まだ調査中」と首相の発言と矛盾する声明を発表している。(10/8)
【ヒズボラ指導者は停戦明言も、ハイファ地区に過去最大の攻撃】(Y,P,H)
8日昼に北部最大の都市ハイファとその近郊に2度サイレンがなり、約30分の間に100発を越えるロケット弾が飛来した。ハイファへはここ1週間ほど攻撃が続いているが、最大の規模。その多くは迎撃されたが最低でも3発は市街地に着弾、また迎撃されたミサイルの一部や、迎撃ミサイルの破片が落下しての被害なども報告されている。またガリラヤ湖畔のティベリアへの約25発のロケット弾攻撃も、確認されている。
直前にはナスララの補佐役で現在ヒズボラの指導者となっているナイム・カセムが、ガザでの停戦という条件なしに「停戦を支持する」との声明を出したなかでの攻撃となった。翌9日にも北部から中央部カイサリアまでの広範囲に200発以上のロケット弾が飛来、2人が死亡している。(10/8-9)