ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【国連部隊の基地から200mの場所にヒズボラの拠点】(Y,P)
国防軍は南レバノンでの地上作戦中、予備役兵による第9旅団が国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の基地からわずか200mの場所で、ヒズボラによるテロリストの訓練施設を発見したと発表した。
敷地内からはイスラエル北部に標準を合わせて設置されたロケット弾発射台や、テロリストのためのトレーニングマニュアル、またイスラエル北部で作戦を行うための地図など、テロリストを養成するための資料が発見されている。また施設内からは自動小銃の銃弾や手榴弾、ロケット弾、ロケットランチャー、対戦車ミサイル、暗視装置やスコープ、イラン製の車両の上に設置できる無反動砲など、大量の武器が見つかり、押収されている。(11/8)

 

【カタール、仲介停止とハマス追放か】(Y,P,H)
ハマス政治部がありアメリカと共に休戦交渉の仲介役となっていたカタールが、仲介役としての働きを停止するとアメリカ・イスラエル・ハマスに対し通達していたことが判明した。カタールは両者が交渉に対して真剣な姿勢を見せるまでは仲介を停止すると同時に、同国内にあるハマス政治部の事務所閉鎖と幹部らの国外追放を考えており、(ハマスは否定しているが)幹部たちに対して「望まれない存在」であることを伝えたもよう。
この背景には米国籍を持つイスラエル人が8月末、ハマスにより地下トンネルで殺害されたことがある。米国籍でもあることから、その人質は死なせないようにとカタールからハマスに特に強い圧力があったが、結果的には殺害されたことから米はそれ以降カタールを通じてハマス幹部の追放を要求していた。
外交関係者によると、カタールはハマス政治部を残すことによって休戦交渉を進められると考えていたが、ハマスが案に対して拒絶の姿勢を続けるため結果的にテロ組織であるハマスを匿っている状態になっており、トランプ氏就任を前にハマスとの距離を取りテロ支援国家ではないことを示したいのではとのこと。(11/9)

 

【ハマスによる政権反対者に対する拷問動画が公開】(Y,P)
国防軍は46分間にわたる、ハマスの治安維持部が政権に反対するガザ市民に対して行った拷問の様子を捉えたビデオを公開した。2019~20年に行われたハマスに対する抗議運動に参加していた市民が、ジェバリア地区にある通称「第17拠点」で取り調べを受けている様子で、天井や床に鎖で繋がれて顔に袋を被らされながら吊るされた状態でむち打ちされているのが分かる。
イスラエルメディアの取材に応えたエジプトに逃亡中の元ガザ市民は、「何も驚かない。日常的に行われていたことで、証拠がない場合はこういった『圧力』が掛けられる」と、ハマスによる統治の実態を語っている。
この映像は今年3月にジェバリアで行われた特別作戦時に押収されたもので、諜報機関が解析などを行ったのちに公開された。この拠点はハマス軍部ではなく治安維持部門に属しており、拠点の司令官であるタウフィカ・アブ=ナイムはいまだにガザ内で潜伏している。(11/10)

 

【200発以上のロケット弾が飛来、国境部ではすでに再軍備か】(Y,P,H)
ヒズボラはこの日、正午から夕方にかけてイスラエル北部に向けて計200発の大規模なロケット弾による攻撃を行った。特に被害が大きかったのは約90発が飛来したハイファ近郊で、5発が住宅に直撃し全壊し、約20人が病院で治療を受けた。
また北部のアラブ人の町にも住宅への着弾があり、隣接する住宅に住んでいたアラブ市民がベランダに残っていたことから、着弾時の破片に当たり負傷している。国境部に住む市民の目撃情報によると、複数のロケット弾は国防軍が軍事作戦を行いヒズボラが居なくなったはずの地域から発射されており、ガザと同様軍事作戦の終了と同時にテロリストたちが戻り再軍備・テロ拠点化が進んでいるもよう。
ちなみにヒズボラ系ヨルダンメディアは、攻撃の中には弾道ミサイル2発が含まれていたと発表している。ヒズボラからの連日の攻撃と並行して休戦交渉が進んでいるが、カッツ新防衛相は軍の会議で「軍事作戦を継続すべき。イスラエルが直接ヒズボラに協定を守らせ、テロを防ぐことが出来ない休戦案は拒否する」と発言、ヒズボラが協定に違反した場合は自ら直接攻撃が出来る条項が必要との立場を明らかにした。この条項に対して、ヒズボラは難色を示している。(11/11)

 

【カッツ新防衛相、ヒズボラの武装解除を戦争の目的と明言】(Y,P)
就任後初めて北部軍を視察で訪れたカッツ防衛相は司令官たちの前で「この戦争の目的であるヒズボラの非武装化を含まない休戦案には賛成しない」と語り、ヒズボラの武装解除が戦争の目的だと明言した。もともとの戦争の目的には含まれていないこともあり、ハレビ参謀総長はこの発言に驚いた様子を見せたことが現地メディアでは報じられている。
北部戦線では半月前に軍が、国境部のテロ拠点を壊滅させたことによりイスラエルへの越境攻撃・侵入の芽を摘む、という当初の地上作戦の目的は達成されたと発表。しかし作戦の延長・拡大が決定され、現在は国境から約10キロの地点まで到達している。
ヒズボラからの攻撃はこの日も続き、ロケット弾の他にも7機の無人攻撃機が撃ち込まれ、ロケット弾が2日連続で中央部に飛来、テルアビブ上空で迎撃されている。(11/13)

 

【空軍、イラン高官訪問時にダマスカスを空爆】(Y,P,H)
国防軍報道官は、シリアにあるイスラム聖戦の複数の軍事施設と司令部を攻撃したと発表した。「イランの指示とシリア政権の庇護のもと、イスラム聖戦は中東においてイランの代理勢力となっている」と攻撃の意図を説明している。
シリア国防省によると攻撃があったのはダマスカス郊外で、15人が死亡・16人が負傷しており女性や子供も含まれているとのこと。この日ダマスカスにはイラン最高指導者ハメネイの側近が『特別作戦』として訪問しており、そのタイミングでの空爆となった。
この住宅地ではここ数年、イラン革命防衛隊やイランの代理勢力がアパートを購入して拠点化を進めている。空軍はレバノンでもヒズボラ拠点への空爆を広範囲で行っており、特にヒズボラ拠点のダヒヤ地区では48時間の間で30以上のテロ拠点に空爆があり、空港周辺部も攻撃。攻撃前にはアラビア語の軍報道官が、標的の住民に対して多くの避難勧告を出している。(11/14)

◯ 内政

【来週にも7000人の超正統派に召集令状】(Y,P,H)
国防軍は来週日曜日から、兵役に該当する年齢の超正統派の若い男性7000人に対して最初の召集令状を送付すると発表した。
これはガラント前防衛相が下した決定であり、その翌日にネタニヤフ首相はガラント氏を更迭してカッツ氏を任命。そしてカッツ氏就任前、超正統派政党に対してこの7000人の徴兵を取り止めると約束していたなかの令状送付。
これに関してミアラ検事総長は「イェシバ(宗教学校)で学んでいる男性4500人に対しても、区別せずに送付すべき」との見解を示している。超正統派からの批判を受けているなかリクードはネタニヤフ氏から超正統派への約束を否定、「徴兵に関する決定権はカッツ新防衛相にある」とコメント。
この7000人への令状送付は第2波で、夏には3000人に対して送付が行われたが実際に軍の事務所にやって来たのは273人。実際に兵役に就いたのはわずか48人となっており、超正統派の兵役義務の履行は厳しい状況が続いている。(11/12)

国際情勢

【アムステルダムで『ポグロム』が発生】(Y,P,H)
7日夜にアムステルダムで行われたアヤックス対マカビ・テルアビブの試合後、スタジアム近くの鉄道の駅を中心に町の数か所で、観戦後ホテルに戻ろうとしているイスラエル人サポーター数十人に対しての暴行が行われた。
主に現地の親パレスチナのイスラム教徒による襲撃で、リンチしながら「フリー・パレスチナ」と叫ぶよう強要したり、棒やナイフでの襲撃や身ぐるみを剥がされたり、車でひき逃げされる例も報告されている。SNSなどで拡散されている動画にはリンチしながらアラビア語で罵っているものも多く、現地のアラブ人(移民)が主導になった可能性が高い。
この複数の襲撃で少なくとも10人のイスラエル人が病院で治療を受け、アムステルダム警察は62人を暴行に関与した疑いで逮捕している。多くのイスラエル人サポーターが滞在を切り上げて空港に殺到。3つのイスラエル航空会社は緊急チャーター便を飛ばして約2000人をイスラエルに緊急帰国させた。
国防関係者によると試合前に、イスラエル人サポーターに対する襲撃が行われる可能性が高いとの情報があったため、モサドがイスラエルとオランダの防衛機関に情報を共有、オランダ側にはスタジアム周辺やサポーターが多く泊まるホテルの警護を厳重化するよう要請していた。(11/8)

 

【ICC主任検察官にセクハラ疑惑、外部調査へ】(Y,P)
国際刑事裁判所(ICC)は、今年5月にネタニヤフ首相・ガラント前防衛相に対する逮捕状請求を行った、カリム・カーン主任検察官に女性職員に対するセクハラ疑惑が上がっていることを受け、外部調査を行うと発表した。
先月WSJ紙が報道した内容によるとカーン氏は自身の元で働く女性の部下に対して、彼女を自身のオフィスに呼びつけ手をポケットに入れるなど性的なボディタッチを行い、夜に女性が宿泊していた一室に押し入ってベッドに寝そべり、「頭が痛い」と嫌がっているにもかかわらずボディタッチをした疑惑が上がっている。
カーン氏は報道内容を否定しているが、内部調査では別の職員からその女性職員が「心理的に混乱し、泣き崩れていた」との証言があったもよう。ICC内ではカーン氏に対して主任検察官の職務から一時的に退くべきとの声が、内部文書などから上がっている。(11/9)

 

【海外でのスポーツ・文化イベント参加への自粛を呼び掛け】(Y,H)
7日夜に起こったアムステルダムでのイスラエル人への襲撃事件を受け、首相府内にある国家安全保障会議はイスラエル市民に対し、イスラエル人が参加するスポーツや文化イベントへの観戦・参加を自粛するよう呼び掛けた。
同会議によると親パレやテロ支援のグループが、イスラエル人が参加するイベントにデモ隊に紛れて接近し、襲撃を行うようにと扇動行為を行っている模様で、来週までの国際的なイベントへの参加自粛の呼び掛けを決定した。
特に14日にはUEFAネーションズリーグでイスラエルとフランスがパリで対戦することになっており、親イラン系武装組織は「アムステルダムで起こったことを14日はパリで行うよう、パリのイスラム教や自由の民たちに呼び掛ける」との声明を出している。フランス内務省によると、試合は予定通り開催する意向。(11/10)

 

【サウジ皇太子:イスラエルはガザでジェノサイドを行っている】(Y,P)
サウジアラビアの首都リヤドのアラブ・イスラム諸国サミットで、同国皇太子ムハンマド・ビン・サルマンがパレスチナとレバノンの現状に言及。
「イスラエルがパレスチナ民族に行っているジェノサイド、そしてレバノンでの軍事作戦を非難する」と、イスラエルがガザで『ジェノサイド』を行っていると発言した。また従来のイランに対する厳しい姿勢とは違い、イスラエルがイランの主権を尊重しイランの国土への攻撃を自制するよう国際社会が圧力を掛けるべきだ、とも主張した。
サウジは近年イランとの対立からアメリカを通じイスラエルと接近、穏健なスンニ派諸国を加えてのイラン包囲網が形成されつつあった。しかし今週にはサウジ・イランの参謀総長による会談が行われ、協力関係についての話し合いがもたれるなど接近の兆しが見られており、この皇太子のジェノサイド発言に懸念を示す声がイスラエルでは上がっている。(11/11)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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