ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【イスラエル南部で銃撃テロ発生、2人が死亡】(Y,P,H)16日午後、東エルサレムのシュアファト難民キャンプに住む40歳の男性が、ユダ平野南部の交差点で銃撃テロを起こし、一般市民2人が死亡し4人が負傷した。テロリストは自家用車で交差点近くまで接近し、乗客のいるバス停に向かってピストルで発砲。反対車線を走行中だった予備役兵が異変を察知し車を停め、約30mの距離から発砲しテロリストは死亡した。身元確認後に男性宅では国境警察による家宅捜索が行われ、ヘブロンに特設された弔問のためのテントは撤去された。(2/16)

 

【人道物資を盗もうとした若者をハマスが射殺、暴動に発展】(Y,P)16日午後、ラファ検問所からガザに入った人道支援物資を窃盗しようとしたとされるガザの少年が、ハマス警察による発砲を受けて死亡した。この少年がラファの主要部族の一員だったこともあり、部族のメンバーが集結し検問所近くでタイヤを燃やすなどの暴動へと発展した。この暴動に参加した若いガザ市民からはハマス政権からの脱却や、ハマスを排除したラファの自治委員会設立を求める声が上がった。ハマスは人道支援を十分な形で配給していないと見られ、物資を奪おうとする市民に対するハマス警官による暴行・発砲はたびたび発生している。(2/16)

 

【国防軍が、ビバス一家の動画を公開】(Y,P,H)19日に国防軍は、家族4人で現在も人質となっているビバス家の映像を公開した。映像は拉致された10月7日のハンユニス東部にある防犯カメラからのもので、母親のシリさんと息子のアリエル(4)・クフィル(0)くんたちがシーツを頭から被り、7人のテロリストたちに囲まれ車に乗せられる様子を捉えている。しかし母子3人の現在の状況については分かっておらず、報道官も「危惧している」と発言。ビバス家の4人については父親であるヤルデンさんの生存はハマスが公開したビデオなどで確認されている反面、母子についてはハマスが昨年11月に死亡していると発表したが証拠は提供されず、安否については不明のままの状態が続いている。(2/19)

 

【シンワルはエジプトへすでに逃亡? イスラエルは否定】(Y,P,H)サウジメディアは20日、イスラエルの安全保障関係者が取材に対し、「ガザのハマス指導者シンワルが、複数の人質と共にガザからエジプトに脱出した恐れがある」と答えたと報道した。記事はラファからエジプトへと延びる地下トンネルを使用し、シンワルや他の指導者たちがガザから出た可能性を指摘。ラファ・エジプト間には小型トラックが走行できるほどの大きさのトンネルが8本あり、イランからの武器密輸やテロリストの越境に使用されていることを、イスラエルも把握しているとのこと。この報道に対し、イスラエル側は報道内容を否定している。(2/20)

 

【ダマスカスでイスラエルによるイラン標的攻撃か】(Y,P,H)21日朝ダマスカスにある集合住宅に対して攻撃があり、シリアメディアは「イスラエル軍による攻撃」と報道した。9階建ての建物のなかで標的となったのは2・4階にある2部屋で、イラン軍司令官の家族たちが借りるなどイランの軍事拠点だったもよう。「直近の2日間滞在していた」や「去年末に引き払った」など複数の報道があるがイラン側の被害はなく、シリア人3人が死亡した。(2/21)

 

【テロリストが国防軍のアラビア語報道官を標的に】(Y,P,H)1月中旬にラアナナでテロ事件を起こした犯人が警察の取り調べに対し、数か月前に国防軍アラビア語報道官アビハイ・アドライ中佐をレストランで見かけ襲撃しようと思ったが、手元に武器がないので断念、その後ナイフを手に何度も同じレストランに通っていたと供述していることが、21日の報道で明らかになった。アラビア語で情報を発信するアドライ中佐はアラブ世界では知られた存在であり敵対視するアラブ人も多く、攻撃の標的になる恐れもあり、ここ最近は身辺警護部隊により護衛されている。(2/21)

 

【ガザ指導層の要請により、ハマスが態度軟化か】(Y,P,H)ここ1月ほど、カタールを本拠にするハマス政治部とシンワルをはじめハマス指導部との間の連絡が途絶えていたが、数日前カタール側にガザよりイスラエルへの要求を下方修正するように、との要請があったことが21日分かった。それによるとガザ側は、人質解放に応じて釈放されるパレスチナ囚人の数やイスラエル軍のガザからの撤退、また戦後もハマスがガザ統治に関わり続けるという国際社会からの確約などについて、妥協する準備があるとのこと。このガザ側による妥協の姿勢から、停戦・人質解放の交渉再開の兆しが見え始めたとの論調が広がっており、翌22日にイスラエルはパリ会談へ使節団を派遣すると了承した。(2/21-22)

 

【エルサレムの玄関口で銃撃テロ、1人が死亡】(Y,P,H)22日の朝、国道1号線の東側からエルサレムに入るための検問所付近でパレスチナ人3人による銃撃テロが発生、1人が死亡し8人が負傷した。3人はベツレヘムに住んでおり乗用車2台に分乗、検問所前の渋滞の列で追突事故を起こして車列の動きを止め、その後車から降り周囲に向かって自動小銃・短機関銃で無差別発砲を行った。現場に居合わせた警官や予備役兵が車から降りて銃撃戦となり3人はその場で射殺され、予備役兵も負傷。ラマダンを2週間後に控え、衝突やテロが起こるのではないかと危惧されていた中のテロ発生となった。(2/22)

内政

【ガラント防衛相、虐殺に関与したUNRWA職員を公表】(Y,P,H)16日にガラント防衛相は海外メディアに対し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員で、10月7日の虐殺に関与していた12人の身元を公表した。中には数学教師は虐殺にカメラマンとし参加しその後は人質の監禁に関与していた例や、ソーシャルワーカーの職員がハマス兵としてベエリに越境、イスラエル人兵士を人質として拉致していた例なども。同相は、1万3千人のUNRWA職員のうち1468人はハマスの活動員である、という情報を手にしていると述べた。また待機していたパレスチナ赤新月社の救急車が、負傷したハマス兵たちを搬送している様子もあり、赤新月社による関与の可能性も浮上している。(2/16)

 

【ネタニヤフ首相「一方的なパレスチナ国家承認には反対」】(Y,P,H)アメリカと複数の中東国による、パレスチナ国家樹立を盛り込んだ和平案についての報道を受け、ネタニヤフ首相は17日に記者会見を開き、「イスラエルはパレスチナ国家に対する一方的な承認に、強く反対する」と発言した。「10月7日以降、一方的な国家承認以上のテロリズムへの報酬があるだろうか」と続けた首相。翌18日には閣議で、イスラエルに対しパレスチナ国家の一方的承認を求める国際社会の流れに対し、断固反対するという趣旨の宣言を議決。21日には同様の内容が国会で、圧倒的多数で採択された。しかしあくまで一方的承認への反対であり、パレスチナ国家自体に対する反対は明記されていない。(2/17-18,21)

 

【ラマダン中の神殿の丘への入場、制限される】(Y,P,H)18日にネタニヤフ首相とベングビル国家治安相は、ラマダン中の神殿の丘への入場・礼拝についてパレスチナ人、アラブ系イスラエル市民ともに制限を課すことを決定した。国家治安相は70歳以上のみの入場許可を求めているが、現段階では年齢基準・人数枠などの詳細は決まっていない。この決定に対して検事総長は「自国民への制限は、礼拝の自由という司法的問題の可能性」と、軍・諜報部も「パレスチナ人への制限はガザでの戦況悪化・西岸への飛び火が起こり、イスラエル対ハマスではなくユダヤ教対イスラム教という宗教戦争的構図になり、穏健なスンニ派諸国との関係も悪化する」と警告している。(2/18-19)

 

【スモトリッチ財務相「人質解放は最重要事項ではない」】(Y,P,H)ラジオ番組に出演したスモトリッチ財務相が20日、人質解放が最重要ではないのかとの質問に対し、「最重要ではない。今何が重要かと言えば、ハマスの壊滅だ」と、ハマス壊滅を優先すべきと取れる発言をした。この受け答えに対しては拉致被害者の家族たちや野党、与党内の一部からも批判の声が。その後財務相は、「『人質解放>ハマス壊滅なのか』という質問への答えであり、ハマス壊滅と戦争勝利によってのみ人質を解放すべき」という、自身の姿勢を示した。国内では現在、ハマス壊滅と人質解放の二者択一ならどちらかという問題について様々な意見があり、真逆の世論調査結果も見られている。(2/20)

国際情勢

【ICJで、西岸地区の占領問題についての公聴会始まる】(Y,P,H)国際司法裁判所(ICJ)で19日、1967年以降西岸地区で続くイスラエル軍による統治体制の合法性に関する公聴会が始まった。ICJによる審議の後に勧告的意見が出されるが、1月前の南アフリカによる提訴とそれによる判決とは違い、この決定は法的拘束力を持たない。イスラエルはICJの権限を認めていないとの理由から、弁護団を送らない決定を先週下していた。初日はパレスチナ自治政府の外相をはじめ政治家たちが「イスラエルによりガザではジェノサイド、西岸ではアパルトヘイトが起きている」といった陳述を行った。(2/18-19)

◯ 文化

【水泳世界選手権で、イスラエル勢が初のメダル獲得】(Y,P,H)ドーハでの水泳の世界選手権で18日、イスラエルのアナスタシア・ゴルベンコ(20)が女子400m個人メドレーで銀メダルを獲得。イスラエル人として世界選手権で初めてのメダル獲得という、快挙となった。メダル獲得後のインタビュー時ではカタールということもあり、指笛によるブーイングもあったが、ゴルベンコ選手は意に介さず「この場所に私の国の国旗とともに立つことは、非常に意味の大きなこと」とコメントした。同選手は東京五輪でも決勝に進出しており、今夏のパリ五輪ではメダル獲得を狙う。(2/18)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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