ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【軍がユダヤ人による拉致を想定した訓練を行い、非難轟々】(Y,P,H)
5日に国防軍は100以上の様々な状況を想定した軍事訓練を行ったのだが、その1つに「ユダヤ人入植者によるパレスチナ人拉致」という訓練があったことが判明。入植地の首長や、右派閣僚から反発の声が上がった。首相府からも「現実からかけ離れており、同胞に対する心無い行為」と批判する声明があり、軍が謝罪。しかし、与党ガンツ党首は、訓練の仕方自体には間違いがあったとしつつも、「政治的目的からの国防軍攻撃だ」と政権内で温度差のある反応に。(2/6)

 

【最低でも32人の人質が死亡と米紙、国防軍も認める】(Y,P,H)
米NYT紙は6日、136人の拉致被害者のうち少なくとも32人は死亡しており、国防軍はさらに20人がガザで殺されたという機密情報を手にしている、と報じた。同日夜には国防軍の報道官が会見で、「31人の家族に対して、親愛なる家族のメンバーが人質として殺害されたと伝えた」と発表。(2/6)

 

【ハマスが135日間の停戦案を提示も、イスラエル側は拒否の姿勢】(Y,P,H)
ハマスは先月末にパリで取りまとめられた停戦・人質解放案を拒否し、代替案を提示。この案では、停戦期間は計135日。最終的にイスラエルはガザから完全撤退し、ハマスが指定した終身刑中のテロリストを含むパレスチナ人囚人1500人を釈放することになる。ネタニヤフ首相は「馬鹿げたハマスの要求に屈しても、人質解放には繋がらない」と断固拒否の姿勢。米バイデン大統領も「度が過ぎている」としながらも、交渉・停戦のための動きは見られると一定の評価もしている。(2/6-7)

 

【シンワル、音信不通で停戦交渉には関与せず】(Y,P)
ガザ・ハマスの指導者シンワルと、カタールのハマス指導層との連絡が、ここ10日ほど取れていないとイスラエル関係者が明かした。したがって6日にハマスが提示した条件について、シンワルをはじめガザ指導層の意向は反映されていない。3日前にガラント防衛相は「シンワルはすでに軍司令官として機能せず、逃げ惑うテロリストと化した」と記者会見で明かしていた。(2/8)

内政

【ベングビル国家治安相がバイデン批判を展開、物議に】(Y,P,H)
米WSJ紙の取材でベングビル国家治安相は、米バイデン大統領に対し「私たちへの後ろ盾ではなく、ハマスの手に届いている人道支援に腐心している。トランプ氏が大統領であれば、全く状況は違った」と非難した。またガザ市民に対して経済的補助を行い、選択的移住を進めることについても「真の人道的解決」と言及、この記事の内容はイスラエルで非難を呼んでいる。野党はもちろん与党のガンツ党首からも「米イで意見の相違あるが、無責任にではなく適切な方法で行うべき。国の安全保障を揺るがす行為」との声が上がっている。ネタニヤフ首相は言及せず。(2/4)

 

【修道院長に唾を吐き罵倒した、正統派2人を逮捕】(Y,P,H)
エルサレム旧市街でカトリック修道院長に唾を吐き罵倒した容疑で、ユダヤ教正統派男性2人が逮捕された。現在2人は自宅での軟禁処分となっているが、取り調べは引き続き行われるとのこと。内務相はカトリックのエルサレム枢機卿に対し「ユダヤ教の教え・道ではなく、2人には公正の裁きが行われる」と弁明・約束してはいるが、極右の躍進もありここ1・2年ほど旧市街におけるキリスト教徒への攻撃・嫌がらせは増加している。(2/4)

 

【性的指向から自治区に居られなくなった男性、イスラエルへ】(P)
自身の性的指向をカミングアウト後、コミュニティー内で命の危険を感じるほどの迫害を受けイスラエルへと避難していた29歳のパレスチナ人男性に対し、テルアビブ地裁は4日男性の亡命申請の権利を認める判決を下した。この男性はパレスチナ自治区に生まれ住んでいたが、自身の性的指向を明かしたところ父親からの暴行を受けた。さらに父親は親族に対しても息子への攻撃・暴行を依頼したため、パレスチナ内に居場所がなくなり2015年にイスラエルへと避難していた。(2/4-5)

 

【米制裁を受けた入植者、国内口座も凍結へ】(Y,P,H)
パレスチナ人に対する攻撃行為からアメリカの経済制裁の対象となった入植者たちについて、4日イスラエル大手銀行の2行が彼らの個人口座を凍結した。スモトリッチ財務相は銀行側に凍結解除を要請したが、イスラエル銀行は「制裁措置無視は、資金洗浄やテロ行為への支援の可能性を含み、銀行の信用を損なう」と、2行の決定を支持する声明を出している。(2/4-5)

 

【ハニヤ氏の姪がイスラエルの病院で出産・集中治療】(Y,P,H)
5日、南部ベエルシェバの病院でハマス政治部指導者のハニヤ氏の親族が、集中治療を受けていると報じられた。ハニヤ氏の複数の姪はイスラエルのベドウィン人男性と結婚し、イスラエル市民として暮らしている。最近その姪の1人が出産したが未熟児だったため、現在同病院内で集中治療を受けている。複雑な状況ではあるが「イスラエル人の命を救うことに変わりはない」と、イスラエル人医師たちが治療。過去10年でハニヤ氏の妹・娘・孫なども、イスラエルで治療を受けている。(2/6)

 

【エルサレムで停戦反対を訴えるデモ】(Y,P,H)
8日夕方、エルサレムの国会議事堂近くで「ガザ戦争での完全勝利」を訴え、停戦に反対するデモが行われ、右派宗教層を中心に数千人が集まった。息子をガザ戦闘で失った両親なども参加し、多くのテロリスト釈放が伴う交渉ではなく武力行使による人質救出や、ハマスの徹底的排除・圧倒的勝利のための戦闘継続を求めた。参加者の中にはガザへの帰還(再入植)や、ガザ市民の移住を呼び掛けるプラカードなども見られた。(2/8)

国際情勢

【米・イは楽観ムードも、サウジはパレスチナ国家樹立を強調】(Y,P,H)
2日ロイターは、アメリカとの防衛条約の早期締結のため、サウジアラビアがイスラエルとの国交正常化の条件を「パレスチナ国家樹立のための外交的約束」と、譲歩する可能性を報道。しかし6日夜にサウジアラビアは1967年境界線に基づき、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家が樹立されるまで、イスラエルと外交関係を結ぶことはないとアメリカに伝えた。前述の楽観的な報道もあり、ヘルツォグ大統領や複数の閣僚も楽観的なコメントをしていたが、サウジが従来の姿勢を変えるつもりはないと表明した形。(2/2,7)

 

【ローマ法王が高まる反ユダヤ主義を非難】(Y,P)
ガザ開戦後、反ユダヤ主義の事件が世界的に増加していることを受け、フランシスコ教皇がイスラエルのユダヤ人に対して書簡を送った。「イスラエルに居るユダヤ人の兄弟姉妹へ」との書き出しから始まる書簡には、人質たちの解放や戦争終結の願いのほか「ユダヤ人とユダヤ教への憎悪・攻撃は、神に反する罪である」と書かれるなど、親イスラエル的内容になっている。(2/3)

 

【トランプ氏:ソレイマニ殺害にイスラエルが直前まで関与】(Y,P,H)
米大統領選の共和党候補最有力のトランプ前大統領が米FOXニュースの取材で、2020年に行われたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害作戦に関し、「イスラエルも作戦に参加していたが、実行2日前に『できない』と手を引いた」と発言した。イスラエルの関係者はトランプ氏の発言を事実としたうえで、イスラエル要人の暗殺というイランによる報復への恐れから、ネタニヤフ首相は作戦から撤退したと伝えている。(2/4)

 

【イスラエル軍が撤退した北部で、ハマスが立て直しを開始】(Y,P,H)
イスラエルが撤退したガザ地区北部で「ハマスが支配体制の復活を試みている」と、サウジ紙の報道。各地区に軍事と政治担当者を任命したほか、ハマス職員への一部給与の支払い、警察の再構成と治安維持を行い始めた。警官たちは制服を着ておらず民間人と同じような身なりで、一部は覆面で建前上は市場での販売価格の監視と窃盗防止のためにパトロールしているとのこと。また空き巣を行った容疑で市民を逮捕し、上半身裸の姿で『辱めの行進』を行っている。(2/4)

 

【バイデン大統領、ネタニヤフ首相をFワードで呼ぶ!?】(Y,P)
米メディアのコラムが、バイデン大統領が非公式の場でネタニヤフ首相に対しFワードを使い、「バッド・ガイ」と呼んでいたと伝えた。大統領を含め民主党内では同首相への不信感が強まっており、イスラエルの擁護を繋げることにより大統領選でリベラル票を失ったり、ネタニヤフ首相により中東紛争にさらに引き込まれたりとの危惧から、大統領に対してネタニヤフ政権と距離を取るようにとの声が上がっている。この発言はそんな背景から出たもののよう。(2/5)

 

【親イスラエルのアルゼンチン大統領が訪問】(Y,P,H)
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が最初の外遊として、6日にイスラエルを訪問。エルサレムへの大使館移転を宣言していることもあり、カッツ外相が到着を迎え、謝辞を述べた。また最初の訪問地として嘆きの壁を訪れ、祈りを捧げた。嘆きの壁の岩を触れながら涙を流した、と現地メディア。8日には虐殺に遭ったキブツをヘルツォグ大統領と訪問し、「非常に感動的で、私の心に深く触れる訪問だ」と述べ、またハマスによる虐殺行為を断罪した。(2/6, 8)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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