ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【イスラエルが国境から100km地点のヒズボラ拠点を攻撃】(Y,P,H)
26日正午ごろ、ヒズボラからの攻撃を受けイスラエル軍は国境から約100km離れたレバノン中東部にあるバールベックを攻撃した。標的となったのはヒズボラの航空防衛システムに関する拠点3か所で、この攻撃によりヒズボラの戦闘員2人が死亡している。
レバノン領奥深くへの攻撃はこの戦争では初めてで、バールベックの攻撃は2006年のレバノン戦争以降行われていなかった。報復としてヒズボラはゴラン高原に向かって60発のミサイル攻撃を行うなど、10月7日以降もっとも大規模な交戦となった。(2/26)

【10月7日の前兆、数十のSIMカードがガザ地区内で有効化】(Y,P,H)
10月7日のハマスによる虐殺前夜に、ガザ地区内でイスラエルのSIMカードが数十枚規模で有効化されていたことが判明した。
ハマス精鋭部隊「ヌフバ」のテロリストたちが越境してのテロ攻撃を行うため、イスラエルのSIMカードを自身のスマホに入れて有効化していたのだが、この情報をシンベトは把握していた模様。しかし最初にシンベトがガザ国境部に諜報部隊を派遣したのは7日早朝で、その後も同様の情報が軍諜報部にも入り参謀総長や南部軍司令官が協議を行ったが具体的な策は講じられなかった。(2/26)

【人道支援のトラックに押し寄せたガザ市民、100人以上が死亡】(Y,P,H)
29日未明、ガザ地区に入った人道支援を載せたトラック約30台の一団に、物資を求める数千人のガザ市民が殺到し100人以上が死亡、約700人が負傷した。
パレスチナ側はイスラエル軍による攻撃による『虐殺』と報じる一方、国防軍は大半がトラックから支援物資を奪おうとする市民と車両の接触や踏みつけられたという事故死であると、その様子を上空からとらえた映像とともに発表している。しかし人道支援の導線確保のため国防軍兵も配備されており、トラックに集まった群衆の一部が兵士たちに急接近したため威嚇射撃を行い、10人以下が負傷したことは認めている。(2/29)

【入植地エリのガソリンスタンドで銃撃テロ、2人が死亡】(Y,P,H)
29日、西岸地区中部の入植地エリの交差点にあるガソリンスタンドで銃撃テロが発生し、16歳の少年と57歳男性が死亡した。テロリストはガソリンスタンドにあるレストランの店主によって、射殺された。
捜査によるとテロリストはエルサレム近郊在住のパレスチナ警察の司令官であり、銃器密輸によって逮捕され2019年にイスラエル側の刑務所より釈放されていた。パレスチナ警官がイスラエルナンバーの盗難車でやって来て、自動小銃を発砲するというテロだったが、ハンユニスで戦闘に参加する予備役兵でもある店主が一時的に戻っていたこともあり、被害は最小限に抑えられた。(2/29)

内政

【教育省「今年のプリムは、恐いコスチュームは禁止」】(Y,P)
教育省は25日、国内の小中高と幼稚園に対し「今年のプリムの祭には、恐怖心をあおるような仮装を生徒たちが着て来ないように」と通達した。10月7日の虐殺を受けてのもので、各学校長は近く生徒や保護者に対しイスラエルの現状に合った祝い方について説明する予定。
恐怖心や、虐殺のトラウマのフラッシュバックを起こす恐れのある仮装を生徒が着て来た場合、着替えるよう要請することになっている。プリムは聖書に起源を持つ仮装を着て祝う楽しい祭りだが、10月7日以降の状況から例年とは少し違った祭りになるもよう。(2/25)

【イスラエル全土で統一地方選挙が開催される】(Y,P,H)
当初は23年10月末に予定されていた統一地方選だが、ガザ戦争による2度の延期を経て27日に投票日を迎えた。エルサレム・テルアビブの大都市では現職の市長2人が再選、テルアビブのフルダイ市長はこれで6期目の長期政権になる。
その一方、第3の都市ハイファでは現職の女性市長が5%しか得票できずに敗北。英国統治領時代のハイファに生まれ2018年まで15年間市長を務めた79歳の候補と、財務省やユダヤ民族基金でキャリアを積んだ40歳の若い候補が票を伸ばし、対照的な2人による決選投票が行われることになった。(2/28)

【ガラント防衛相、超正統派も兵役を行うべきと明言】(Y,P,H)
28日にガラント防衛相は単独で記者会見を行い、現在は兵役免除の優遇を受けているユダヤ教超正統派も兵役に就く必要があるとし、「超正統派を含む連立内のコンセンサスが得られなければ、兵役法の改正案を提出しない」と明言した。
建国時から超正統派に対しては、宗教的教育を受けることによる兵役免除が認められているが、ここ10年ほど「平等にくびきを負うべき」との声が大きくなっている。兵役免除の条項は有効期限付きの法として改正され続けてきたが去年期限切れとなり、兵役免除を盛り込んだ内容で改正されなければ、超正統派も兵役の義務を負うことになる。超正統派にとって兵役免除は最も重要な問題であり、同法がどう改正されるかは戦時中の政権運営の命運を握るものになる。(2/28)

国際情勢

【虐殺に関与したカメラマンが報道賞を受賞、イスラエルは抗議】(Y,P,H)
在NYイスラエル総領事館は23日、世界的な報道賞「ジョージ・ポルク賞」がハマスに関与しているカメラマンを表彰したと、抗議文書を送った。同領事館によると受賞したガザ在住でNYT紙所属のヨセフ・マスウドは、10月7日の攻撃を事前に知っていたとのことで「これにより同賞は、ジャーナリストとしての評価と倫理観は完全に切り離すことができるという、危険なメッセージを発信した」と非難している。
これに対しNYT紙は領事館に対して疑惑を否定、「中傷キャンペーンに加わっている」と批判し返した。(2/23,25)

【パリで2回目の実務者会談、前向きな声も】(Y,P,H)
23日にパリで、イスラエル・アメリカ・カタール・エジプトの4か国による、ハマスとの人質解放・休戦交渉に向けた実務者会談が始まった。モサド長官がCIA長官やエジプトの諜報相、カタール首相と1対1の会談を行った後、4か国間でハマスに提示する新しい交渉案作成のための議論が行われた。
サウジメディアでは同じタイミングで、休戦期間や釈放するパレスチナ囚人の数、イスラエルが撤退する範囲において「ハマスが柔軟な姿勢を見せ始めている」と報じ、関係者たちからも前向きな声も。しかしイスラエル関係者は「人質がすぐに家族のもとに戻るというような、幻想を抱いてはならない」と慎重な姿勢を崩していない。(2/23-24)

【西岸での入植地拡大に、バイデン政権は失望】(Y,P,H)
22日の銃撃テロが起きたエルサレム近郊を中心に、3000戸規模の入植地拡大を政府が決定したことを受け、23日の記者会見で米ブリンケン国務長官は「失望した」と言及した。「民主・共和党政権に関わらず、新しい入植行為が平和に対し非生産的であるというのは、アメリカの長年の方針だ」と発言、また国際法に抵触するとの姿勢も示した。
前トランプ政権ではポンペオ国務長官(当時)が、入植地が国際法違反ではないという歴史的な見解を発表していたため、この発言は前政権の認識を否定した形になる。(2/24)

【米空軍兵、米イスラエル大使館前で焼身し死亡】(Y,P,H)
25日ワシントンにあるイスラエル大使館前で、空軍兵アロン・ブシュネルがガザ戦争への抗議行動として焼身を図り死亡した。ブシュネルは軍服を着て大使館の門前に立ち、SNSでライブ配信を開始。
「ジェノサイドには共犯しない。過激な抗議だが、パレスチナ人が植民地主義者たちによって受けているのに比べれば、全く過激ではない」と発言し、自らの身体に火を付けた。その後近くの病院に重傷者として緊急搬送されたが、その後死亡が確認された。米国内でのイスラエルに対する抗議の焼身は、12月のアトランタにある領事館前に続いて2例目。(2/25)

【パレスチナ自治区のシュタイエ首相が辞意】(Y,P,H)
26日にパレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相が、アッバス議長に対して辞表を提出した。戦後のガザについて協議しているアメリカとアラブ諸国からの圧力を受けての、アッバス議長による改革の1つとしての首相辞職のよう。実務者たちによるテクノクラート政権を樹立させ、ハマス後のガザ統治を行うというのが現状のプラン。
後任に関して、アッバス議長はパレスチナ投資基金のムスタファ総裁を支持しているが、同議長の求心力は著しく低下しており、反対派がアラファト前議長の甥を擁立するなど不透明な状況になっている。(2/26)

【バイデン大統領は「月曜日にも停戦合意」も、イスラエルは悲観的】(Y,P,H)
27日に米バイデン大統領は、「安全保障補佐官からは合意に近付いているとの情報があり、来週の月曜日には停戦への合意が得られそうだ」との見解を示した。またロイターやアラブメディアからは、人質40人の解放に対して凶悪なテロリストを含む400人のパレスチナ人囚人の釈放、といった内容の一部が報道され始めている。
このバイデン大統領の楽観的発言にイスラエル側は驚きをもって受け止めており、パリに引き続きドーハで行われた会談で進展がなくハマスも停戦案に未回答であることから、合意はまだ先になると悲観的な姿勢を示している。(2/27)

◯ 文化

【ヘルツォグ大統領「ユーロビジョン出場のため、賢くなるべき」】(Y,P,H)
ヘルツォグ大統領は25日、ユーロビジョンでイスラエル代表エデン・ゴランが歌う楽曲が欧州放送協会から「政治的な曲」との指摘を受けていることに言及し、「大舞台であり、参加することは非常に大事。正しいだけでなく、賢くもならなければならない」と発言した。
問題となっている曲は「10月の雨」で、「Never Againと約束する まだ10月の雨に濡れながら」など10月7日の虐殺を連想させるものになっている。イスラエル側は失格となっても歌詞や曲名の変更をしない姿勢を見せており、大統領は架け橋役になる意向があるとも話した。(2/25)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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