ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【ラファでの大規模作戦をネタニヤフ首相が指示】(Y,P,H)
9日ネタニヤフ首相は、「市民の避難とハマス壊滅を含む、ラファでの軍事作戦計画の提出を軍・諜報機関に指示した」との声明を発表した。ラファを本拠地とするハマスの4部隊の排除なくして、戦争の目的は達成し得ないと首相。しかしメディアによると、参謀総長や南部軍司令官はラファ制圧のための計画を3週間前から立て始めており、作戦開始前に数十万人規模の市民の避難の必要があるとの推測をすでに示している。人口20万人弱のラファに現在、ガザ中から約140万人が避難民として集結しており、アメリカ・エジプトは作戦実行に反対の意を表明している。(2/9)

 

【UNRWA本部の地下にハマスの諜報基地が】(Y,P,H)
イスラエル国防軍は10日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部の地下から見つかった、全長700mに及ぶハマスによる軍事トンネルを公開した。UNRWAの学校・本部の地下20mを通っており、ハマス諜報部のサーバーファーム・データベースといった心臓部を含む、10以上の部屋があり、その規模から移動のためには小型バイクが使用されていた。またトンネル内に電気を供給する電線は上から伸びており証拠隠滅のために切られてはいたが、UNRWA本部から供給されていたことも判明した。またUNRWA本部や隣接する学校内からも、大量の手榴弾や自動小銃、爆弾ベルトなどが発見されている。(2/10)

 

【ラファで極秘作戦、2人の人質が解放される】(Y,P,H)
12日の午前2時前ガザ地区最南端のラファ中心部で、国境警察の特殊部隊「ヤマム」とシンベト部隊が人質救出作戦を実行。10月7日に南部キブツから拉致された男性2人が、無事救出された。人質が監禁されていた建物の両脇の建物にもハマスのテロリストが居たため、後方支援の国防軍部隊などを加えると計1000人の大規模な作戦に。結果として人質を監視していた3人を含む約100人のテロリストが殺害される一方、イスラエル側は軽傷1人のみで、人質2人は負傷することなくイスラエル内の病院へと搬送された。人質たちにとっては129日ぶりのイスラエル帰還。(2/12)

 

【モサド長官がカイロ入りも、イスラエルは交渉に懐疑的】(Y,P,H)
13日モサド長官をはじめとするイスラエル使節団が、停戦・人質解放交渉のためカイロ入りした。会談はエジプト・カタール・米CIA長官も参加し、イスラエルとハマス双方が同意できる最終案を作成するのが目的。イスラエルは先週ハマスが提示した案を一蹴しておりカイロでの会談への欠席も考えていたが、バイデン大統領の要請もあり参加を決めた。しかし出発前、国防軍・モサド・シンベトが取りまとめた案がネタニヤフ首相に却下されたため、イスラエルは自分たちの案を持たないままの参加に。したがってあくまで各々の主張を聞くのが参加目的であり、交渉前進には懐疑的な声が上がっている。(2/13)

 

【シンワルが写った映像を国防軍が公開】(Y,P,H)
13日国防軍がガザにおけるハマスの指導者、シンワル氏の映像を公開した。戦争勃発3日後の10月10日にハマス軍事トンネル内の監視カメラで撮影されたもので、自身の兄弟に連れられ妻・子供たちと移動している後ろ姿を捉えている。カイロでの会談と同じタイミングでの公開には、到底受け入れられない要求を続けるハマスに対して圧力を掛けるという目的もあったもよう。また軍報道官はシンワルの側近をはじめハマス幹部を複数逮捕した、と発表している。(2/13)

 

【国防軍兵が1人死亡、イスラエル・ヒズボラ間で最大規模の交戦に】(Y,P,H)
14日イスラエル北部ツファット内の軍事基地に対しヒズボラによる攻撃があり、アイアンドームが作動せず1発がシェルターに逃げ込もうと走っていた兵士たちの近くで着弾。20歳の女性兵士が死亡、8人が負傷した。これを受け空軍はレバノン南部にある5つの町に対して、広範囲の空爆を行った。そのなかにはヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」の拠点も含まれており、翌日イスラエルは同部隊の指令官が空爆により死亡したと発表した。(2/14)

 

【ハンユニスのナセル病院で特別作戦を開始】(Y,P,H)
国防軍のハガリ報道官が海外メディアに向けての特別に声明を出し、ハンユニスにあるナセル病院内でハマスが人質の遺体を保持しているとの確実な情報が複数のソースから得られたため、特殊部隊による同病院内での作戦を開始したと発表した。この病院内に人質の遺体があったとの証言は、ハマスのテロリストの供述や解放された人質からも上がっており、同報道官は「シファやランティスィ病院で証明したように、ハマスはガザにある病院をテロ行為のための拠点として利用しているため」と作戦の理由について語った。(2/15)

内政

【ガザに渡りハマスに協力したアラブ系イスラエル人を起訴】(Y,P,H)
9日、ガザへと越境しハマスの一員となった26歳のアラブ系市民が外患援助罪で起訴された。男性は2016年「殉教者になりたい」とガザに行き、ハマス軍事部に入隊。10月7日の虐殺を主導したヌフバ部隊で、テロリストたちと軍事訓練を行っていた。またハマスによる取り調べで、南部の基地・駐屯地についても話していたもよう。2021年にハマスにより投獄されたが、去年12月に刑務所がイスラエルの空爆に遭い釈放され、イスラエルに戻ろうとした際にイスラエル当局により逮捕されていた。(2/9)

 

【イスラエル、信用格付けで初の引き下げに】(Y,P,H)
米格付け会社ムーディーズは9日イスラエルの格付けをA1からA2へ、そして見通しについても「安定的」から「ネガティブ」へとそれぞれ一段階引き下げた。イスラエルへの格付けを始めて36年で初の引き下げとなったが、同社はその理由としてハマスとの戦闘や戦後のガザに関する計画の欠如のほか、司法改革から引き起こされている政治的不安定さなども挙げている。発表を受けスモトリッチ財務相は「政治的マニフェスト」、ネタニヤフ首相も「戦争が唯一の理由」とのコメントを発表しているが、国内の経済学者たちからは真摯な対応を求める声が。(2/10)

 

【新徴兵法案に内外から反発の声】(Y,P,H)
先週明らかになった新徴兵法案では、男性の義務兵役が4ヶ月増・予備役兵の招集日数も4倍になるにもかかわらず、超正統派の兵役義務は見送られており、これに対し内外から批判の声が上がっている。野党のみならず、リクード党の閣僚・議員もネタニヤフ首相に見直しを求める書簡を13日に送った。またハレヴィ参謀総長も「全員が我が家を守るために動員(徴兵)されるべきで、これは歴史的好機である」と話し、長年兵役免除を受けてきた超正統派も軍に加わるべきとの姿勢を示している。(2/13)

 

【ネタニヤフ首相、カイロ会談に使節団の派遣をしない意向】(Y,P,H)
13日にイスラエル使節団がカイロでの会談を終え帰国、合意までの道のりは遠いが「肯定的な雰囲気」との報道もあった。そんななか翌14日にネタニヤフ首相は、「ハマスからの新しい案は提示されなかった。彼らの馬鹿げた要求には屈しない」との声明を出し、モサド長官率いる使節団に対してカイロ会談への派遣を見送るとの通達を行った。この決定に拉致被害者の家族たちは反発。また首相はこの決定を、ガラント防衛相や参謀総長を経験した戦争内閣メンバーたちとは協議せず、独断で行ったことも判明した。(2/14)

 

【パレスチナ国家樹立案に、イスラエル「今はプレゼントの時ではない」】(Y,P,H)
15日に米ワシントンポスト紙が、米バイデン政権といくつかの中東アラブ国家がとりまとめている、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立へ向けたガザ戦後の中東和平案について報道。これを受け首相府報道官は海外記者たちに対し「自治政府は未だに10月7日の虐殺を非難しておらず、今はパレスチナ人へのプレゼントについて話す時ではない」と、反対の意を示した。また戦後のガザについては「ハマス後の話については、ハマス(が居なくなった)後に行う」と、具体的な明言を避けた。(2/15)

国際情勢

【UNRWA事務局長「地下トンネルについては知らなかった」】(Y,P)
UNRWA本部や学校の地下からハマスによる軍事トンネルが見つかったことを受け、ラザリーニ事務局長は10日、「本部の地下に何があるかは知らなかった」とXを通じてコメントを発表した。声明では、UNRWAは四半期ごとに調査を行っており去年9月に最後の調査があったこと、そして職員たちはイスラエル軍の警告を受け10月12日に本部から避難しており、それ以降については把握していないこと等の説明がされている。しかしトンネル建設には年単位の時間が掛かっていたと、国防軍は話している。(2/11)

 

【3週間ぶりの米イ首脳会談】(Y,P,H)
11日、3週間ぶりに米バイデン大統領とネタニヤフ首相の首脳会談が行われた。ラファでの軍事作戦とガザへの人道支援、人質問題という3点についての話し合いがあり、バイデン大統領はラファでの作戦は「惨劇に繋がる」と懸念を示す一方、ネタニヤフ首相は必要な作戦であり市民の被害を最小限に留めるため尽力すると強調。また大統領からは人道支援では1日にトラック約200台という基準を守るように、そしてカイロでの停戦・人質解放交渉についてはイスラエル側も使節団をハマス案への賛否に関わらず派遣するように、との要請があった。(2/11)

 

【英、暴力行為を行った入植者4人に経済制裁】(Y,P,H)
12日イギリス外務省は、近隣に住むパレスチナ人に対し拳銃を持っての脅迫や暴力行為、所有物の破壊などを行った極右ユダヤ人入植者4人に対し、経済制裁を行うと発表した。今月1日に米政府が経済制裁を発表した4人のうち、1人は英側のリストにも入っている。声明によると、英国はイスラエルに対し暴力行為を働く入植者に対し厳しい取り締まりを求めて来ており、12月には警告する声明を発表していたとのこと。これにより4人は、英国内での財産没収や英国への入国・査証取得の禁止をはじめとした、制裁措置を受けることとなる。(2/12)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、シオンとの架け橋からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは sorami@zion-jpn.or.jp よりsorami@zion-jpn.or.jp 宛に送信しております。
シオンとの架け橋、京都府


配信停止 | 登録情報更新 | 迷惑メールと報告する