ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【国防軍報道官「人道支援トラック事故についての調査を行う」】(Y,P)
ハガリ報道官は3日海外向けの記者会見を行い、人道支援トラックに殺到したガザ市民100人以上が死亡した先月29日の事故について言及した。第1段階の調査によると、大半のガザ市民はトラックの一団へと殺到したことにより、車両・群衆に踏みつぶされたことによって犠牲になったとし、イスラエル軍による空爆・砲撃はなかったと話した。
しかし暴徒化した群衆が兵士たちに接近し危険が生じたため、群衆が離れるよう威嚇射撃は行ったとのこと。「プロフェッショナルな軍隊として、徹底的に調査する義務を負っている」と、真相解明のため専門家によるさらなる独立調査を行うことを約束した。(3/3)

 

【ハマス、イスラエルが要求していた2点について回答せず】(Y,P,H)
2日夜にモサド長官のもとにカタール首相から電話があり、人質解放を含む停戦案に対するハマスの回答が伝えられた。ハマスからの回答には、イスラエルが強く求めている生存している人質のリスト提出と、人質1人の解放に対し何人のテロリスト釈放を求めているのか、という2点については全く言及されていない。
イスラエルはハマスの具体的な答えがない以上、交渉を進めても意味がないと考えているためラマダン前の停戦合意の可能性は低くなった。「シンワルはラマダン中の流血を選んだ」とイスラエル関係者。仲介役のエジプト・カタール・アメリカも、以上の2点について明確な回答を出すようハマスに要請していた。(3/3-4)

 

【国防軍、虐殺に参加したUNRWA職員4人の情報を公開】(Y,P)
国防軍は4日夜、国連パレスチナ難民救済事業機関の(UNRWA)職員が10月7日の虐殺・拉致に関与していたという、新たな情報を発表した。今回公開されたのは、UNRWAが運営する学校の教諭・スタッフなど4人。
録音された通話の中ではイスラエルに居た様子を笑いながら語ったり、「女性捕虜たちの居る場所に居る。1人は自分で捕まえた」や「良い牝馬(ISなどが捕虜たちの隠語として使用)だ」などと話す様子が。国防軍の持つ機密情報によると、虐殺に参加したテロリストのなかの450人以上がUNRWA職員であるとされており、これは全体の約1/7にのぼる。(3/4-5)

 

【停戦案が暗礁に乗り上げて居る原因は、ガザのシンワルか】(Y,P,H)
米WSJは7日、ガザのシンワルとカタールのハニヤというハマス指導者の間で、停戦案に対するスタンスの違いが浮き彫りになっていると報じた。それによると、ハニヤ側は人質解放とテロリスト釈放を伴う6週間の一時的停戦という、現状の案を受け入れる姿勢を見せる一方、ガザのシンワル側は拒否している。
エジプトによるとシンワルは、バイデン・ネタニヤフ間の関係悪化や人道支援に関して高まる米からの圧力、ネタニヤフ政権内の不協和音などから、イスラエル軍の撤退・恒久的停戦などさらなる譲歩を引き出そうと目論んでいる。イスラエルの関係者からは、「ラマダン中に苦しむガザの様子をアピールする意図」との声が。(3/7)

内政

【ガンツ党首、首相に伝えずワシントン訪問へ】(Y,P,H)
戦争内閣に加わっている国家団結党のベニー・ガンツ党首が、日曜日からアメリカを訪問することが1日分かった。開戦以降の世論調査では軒並みリクードを抑え第1党、首相適任者としてもネタニヤフを越え最多の指示を集めているガンツ党首。
ホワイトハウスは極右に影響されているネタニヤフ首相に苛立ちを募らせ批判もしており、そんななかのガンツ党首のアメリカ行きは大きな意味を持つ。ネタニヤフ首相の周囲は無断での米訪問と主張する一方、ガンツ党首の関係者は「首相は1度許可したが、態度を一変させた」と意見が食い違っている。(3/1)

 

【人質解放を求め、被害者家族と数千人が4日間の行進を敢行】(Y,P,H)
先月28日にガザ境界部を出発した、拉致被害者の家族たちによる計4日間の行進が最終日の2日夜、エルサレムの首相官邸前に到着。「人質解放のためへの一致」をスローガンに集まった数千人以上の支持者がエルサレムまでの道のりを歩き、到着後には集会が行われた。
レイームの音楽フェスで拉致されたエリヤ・コーヘンさん(26)の母シギさんは、「私の夢は、エリヤが他の人質たちとともに戻り、彼らの人質としての苦しみが無意味ではなく、人質解放を通してイスラエル民族が一致したのを目にすることです」と、壇上から語った。(3/2)

 

【ガンツ党首、副大統領・国務長官と会談するため訪米】(Y,P,H)
戦争内閣のメンバーである国家団結党のガンツ党首は3日、ワシントンに到着。ホワイトハウスを訪問し、ハリス副大統領やブリンケン国務長官、安全保障補佐官をはじめ米閣僚たちとの会談を持った。米側はガザの惨状と不十分な人道支援に対する危機感を示し、それに対しガンツ党首はハマスに届かない形での人道支援である必要性を強調、またアメリカのイスラエルに対する支持に対して謝辞も述べた。
この訪米についてはネタニヤフ首相が直前まで知らされず逆鱗に触れたとされ、首相が許可しなかったことからこの訪米は党予算からの負担に。さらに首相は在米大使館に向け、サポートしないよう言い渡したもよう。ガンツ党首は2日間の日程を終え、ロンドンへと向かった。(3/3-4)

 

【神殿の丘でのラマダンは、ほぼ例年通りのものに】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は5日国防軍やシンベトの助言を受け入れ、ラマダン中のイスラム教徒の神殿の丘入場について制限を厳格化しないと決定した。先月からベングビル国家治安相は70歳以下の立ち入り禁止と数千人という人数制限を求めていたが、軍・諜報機関は反対。厳しい規制は西岸地区を戦場とし、穏健なアラブ諸国による猛反発から宗教戦争にもなりかねない、と意見していた。
5~6万人という入場制限や、西岸地区のパレスチナ人に関してはシンベトからの許可が下りた者、といった項目は残るがこれらは過去数年間とほぼ同じ内容。ガザ戦争中のラマダンだが、ほぼ例年通りのものになる見通しとなった。(3/5)

 

【高校生のアウシュビッツ研修旅行、今夏から再開】(Y,P)
ガザ戦争の影響を受け中止となっていた、高校生を対象としたホロコースト教育のためのポーランド研修旅行が、今夏から再開すると5日教育相が発表した。夏休みの7・8月には79の研修旅行が行われ、7000人の高校生がアウシュビッツなどを訪問する予定。
コロナや、ポーランドのホロコースト関与に関する意見の対立から両国間の関係悪化し、ここ数年間ポーランド研修旅行の多くが中止となっていたため、このニュースは朗報。しかし情勢は流動的なため教育省は保護者に対し、旅行キャンセルに対して手厚い待遇の保険に加入するよう呼び掛けている。(3/5)

 

【メロン山事故の調査委員会「首相に責任あり」】(Y,P,H)
21年4月に北部メロン山で超正統派のユダヤ教徒45人が死亡した群衆事故に関し、真相究明のために設置されていた特別調査委員会が6日、結論を発表した。調査書は先延ばしにする傾向や責任所在を不明瞭なままにするなど、「悪質な文化が私たちの中にあり、メロン山の惨劇に繋がった」と結論付けている。
また事故当時に要職を務めていたネタニヤフ首相やオハナ元公安相・警察庁長官などに対し、命に係わる事故が起きる可能性があると理解しながら有効な手を打たなかった、と事故発生の直接的責任があると結論付けている。メロン山には古代の著名なラビの墓地があり、毎年春には巡礼祭が行われ事故が起こったのもその時。(3/6)

国際情勢

【アメリカが、ガザへの支援物資の空中投下を開始】(Y,P,H)
人道支援のトラックに押し寄せたガザ市民100人以上が死亡した事故を受け、1日夜に米バイデン大統領はガザ地区上空からの支援物資の投下を行う意向を示した。支援物資の空中投下はヨルダンがすでに行っており二国間で協力しながら、海からの支援物資の供給なども模索するとのこと。
大統領は、大半の犠牲者はトラックとの接触や踏みつけられたことによるものとの、イスラエルの見解に対し明確な否定も肯定もせず、この事故に関してイスラエルが調査を行うと「信頼している」と述べた。そして翌2日には、38000食分の物資の空中投下が行われた。(3/1,2)

 

【国連、ハマスによるレイプ・性的暴力を認める】(Y,P,H)
1月末から2週間にわたってイスラエルに滞在し、ハマスによる性的暴力についての調査を行った国連調査団が4日に調査報告書を発表し、10月7日の虐殺時にハマスが集団レイプや遺体への性的暴行、性器の切取りなどの性的暴力行為を行っていたと結論付けた。
またレポートでは、性的虐待は人質に対しても男女問わずに行われているとも論じられている。この報告書は調査団が行った36件のインタビューと5000枚の画像、計50時間の映像などを基に作成されたもので、今月中にイスラエルに対して提出され、イスラエルは1週間のうちに返答することができる。(3/4)

◯ 文化
【ユーロビジョンでイスラエルが披露する楽曲、2曲とも却下】(Y,P,H)
欧州放送連合は、イスラエルが「10月の雨」と共に提出していた「Dance Forever」に関しても、政治的な歌詞を含んでいるとコンテストでの披露を認めないと発表した。イスラエル公共放送は当初、失格処分となっても曲名・歌詞とも変更しない強硬姿勢だったが、水面下で様々な交渉がなされていた。提出した2曲ともが却下された事態を受けて、イスラエル側の関係者たちからは「イスラエルが参加する可能性は低い」との声も。
しかし3日に公共放送は、「大統領の助言を受け、イスラエルがユーロビジョンに出場するために必要な変更作業を行っている」と、候補1曲目の「10月の雨」の歌詞の変更作業を行っていると発表。7日には「10月の雨」の曲名を「ハリケーン」にし、歌詞を変更したことによりイスラエルのコンテスト参加が正式に認められた。(2/28, 3/1,3,7)

[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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