【国防軍「人道物資をめぐる銃撃はパレスチナによるもの」】(Y,P,H)
14日夜に人道支援トラックの近くで起きた銃撃事件について、翌15日に国防軍は「調査を行ったところ、車両部隊に対する発砲・砲撃は行われていなかった」と発表した。
ハマス保健省は少なくとも21人が死亡したと主張、パレスチナ側では約40人が死亡・100人以上が負傷と報道されたが、国防軍の調査によると支援物資を待つ群衆に向かって武装したパレスチナ人複数が発砲、またそれにより起きた混乱によりトラックに轢かれて死傷者が出たとのこと。報道官は「他の場所を戦闘に巻き込むため、ラマダン最初の金曜日前にハマスが起こしたメディア戦」と断罪した。(3/15)
【ヘブロンのイマームが銃撃テロ未遂】(Y,P)
16日にヘブロンのイスラム教墓地からユダヤ人地区へ向け、アサルトライフルを乱射する事件が発生した。テロリストはヘブロンにあるモスクのイマーム(指導者)マフムード・ノファルで、ハマスのメンバー。近くに居合わせたユダヤ人の若者と子供が標的となったが、2人とも怪我無く逃げることができた。
若者はその後付近に駐在していた部隊に通報、急行した兵士たちとテロリストの数分間にわたる銃撃戦に発展し、犯人は射殺された。前日にはパレスチナ人の若者2人がナイフを手にユダヤ人入植地に侵入しようとしたところ逮捕されるなど、ラマダンが始まってからはテロ未遂事件の数が増えている。(3/16)
【ファタハがハマス批判「7つ星ホテルで悠々自適」】(Y,P,H)
戦後にパレスチナで樹立される予定となっている、テクノクラート(実務者)政権の首相任命をアッバス議長が行い、ハマスがその人選に反発していることを受けファタハが17日に反論した。声明文は「10月7日の危険な旅に出る前に、ハマスはパレスチナ指導層の誰に相談しただろうか。これにより48年(ナクバ)以上の惨劇が引き起こされた」と厳しい口調。
カタールのハマス指導層に対しても「7つ星ホテルで悠々自適。なぜハマス指導者の大半が海外で自身の家族と暮らし、パレスチナの民を残し残酷な戦争を強いているのか」と述べ、さらにイランとの関係性に対しても暗に批判している。ファタハがハマスをここまで非難するのは珍しい。(3/16)
【シファ病院で特別作戦】(Y,P,H)
18日の午前2時半頃、海軍の特殊部隊をはじめとする合同部隊がガザ地区最大のアル・シファ病院に突入、特別作戦を実行した。諜報部からの情報が入ったことによるもので、作戦初日はハマス治安維持部門の北部司令官をはじめ、約20人のテロリストを排除、80人を逮捕した。
この司令官は数日前、ハマスを介さない支援物資配給のためイスラエルが接触していた有力部族の長を、内通の罪で死刑に処していた。司令官の部屋周辺からは、大量の武器・現金が発見された。作戦の数日前から軍はハマス保健省に対し病院が軍事利用されていると伝え、テロリストを排除するよう要求していた。翌19日には2014年の軍事作戦の引き金となった、未成年のイスラエル人3人の誘拐殺害事件の計画・資金調達を行ったハマス高官や、11年に国防軍兵解放の引き換えとして釈放された計1000人のテロリストのうちの一部も逮捕された。
作戦はまだ続いており、21日朝までの段階でハマスのテロリスト140人以上が排除、数十人の役職についているメンバーを含む約350人が逮捕されている。この作戦については、ドーハで行われている停戦・人質解放交渉でハマスに圧力を掛けるため、参謀総長が明言している。(3/18, 20-21)
【国防軍がジェニンでテロリスト3人を排除】(Y,P,H)
20日午後に国防軍はシンベト協力のもと、西岸地区ジェニンで走行中の乗用車に軍用無人機から空爆を行い、乗車していたテロリスト4人のうち3人が死亡、1人が重傷した。
死亡したテロリストの1人は昨年5月、入植地近くで銃撃テロを行い、1人を殺害するなど複数のテロに関与しており、重傷した1人もイスラム聖戦のジェニンにおけるテロ活動の司令官として、多くのテロ事件・未遂に関わっていた。国防軍と諜報機関の情報によるとこの2人は、テルアビブ中央部での大規模な自爆テロ未遂が10日前にあったのだが、そのテロを計画・指示していた。(3/20)
【イスラエルに協力したとされる未成年、ジェニンで処刑】(Y,P)
20日深夜、イスラム聖戦がイスラエルに密告したとの疑いで、19歳の同団体戦闘員カレム・ジャバリンをジェニンで処刑した。パレスチナの報道によるとジャバリンはイスラエルに機密情報を密告し、それにより同日の国防軍による4人のテロリストへの攻撃が行われたとのことで、銃殺刑の前に本人も事実だと自供したもよう。
また死刑執行したのは、双子の兄弟だったとの報道もある。ネットで公開されているビデオからは、入院中の病院に武装した戦闘員たちが押し入り逮捕しベッドから引きずり下ろし連行する様子や、処刑後に遺体が見せしめにされ暴行を受けている様子が見られる。(3/21)
【ユダヤ教に改宗したパレスチナ人、誤射により死亡】(Y,P,H)
ヘブロンに住みユダヤ教に改宗した63歳のパレスチナ男性が21日、入植地近くのバス停で兵士の発砲を受け死亡した。男性は長年改宗を希望していたが、パレスチナ人ということで国家ラビ機関による改宗手続きは難航。改宗を終えた後の2019年には、パレスチナ警察により逮捕され約2月間拘留され、その後もパレスチナからの嫌がらせや迫害が続いていた。
兵士がバス停で男性に対してセキュリティーチェックを行ったところカバンの中にナイフを発見、テロリストと認識し発砲に至ったとのこと。しかし男性の背景から自衛のためであり、兵士による発砲の際にはナイフを振り上げるなど兵士に危険はなかった可能性が高いため、軍警察が取り調べを行っている。(3/21) |