ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【アラブ3か国による多国籍軍がガザ駐留へ】(Y,P,H)
訪米から戻ったガラント防衛相が29日の戦争内閣の閣議で、アラブ3か国による多国籍軍のガザ派遣・駐留計画が進んでいると報告した。具体的な派遣時期については未定で現段階で国名は公表されていないが、この多国籍アラブ軍はハマスなどによる人道支援物資の強奪が続く人道支援トラックや、埠頭の警備を行う予定。
ここ最近イスラエルは軍と防衛省の代表団がアラブ諸国を訪問し、アメリカと共同でこのプロジェクトを水面下で進めていた。軍は派遣しないものの、この派遣・駐留に関してはアメリカがイニシアチブと指揮を執るものと思われる。(3/29)

 

【「意図的にガザを飢餓状態」に対してイスラエルが反論】(Y,P)
EUやUNRWAなど国連機関が、イスラエルが意図的にガザで飢餓を引き起こしていると批判していることに対し、西岸・ガザ地区との調整を行う防衛相内の組織(COGAT)が31日に独自のレポートを発表した。それによると現在ガザには、約150~200台の人道支援トラックが搬入されているがそのほとんどは食糧で、これは10月7日以前と比べて80%増になり、それに加え海や空からの食糧投下も行われている。
また水の供給について国連の報告書では1人当たり1日1リットル以下としているが、UAEによる2つの海水淡水化施設では1人当たり20リットル以上の水が供給されているとし、国連・EUの主張に対して反論した。(3/31)

 

【シファ病院での作戦完了】(Y,P,H)
国防軍は1日、2週間にわたるシファ病院での特別作戦が完了したため撤退したと発表した。司令官クラスを含む約200人のテロリストが排除され、500人以上のテロリストが逮捕された。今回の作戦について、取材に応えたナハル旅団幕僚は「病院の外から包囲網を敷き、病院のスタッフの中からテロリストを識別・選択する作業を行い続けた。(少なくとも6200人の)非戦闘員を病院の外に避難させた後は比較的スムーズだったが、作戦は複雑なものだった」と語った。
病院からは大量の兵器の他に、「ハマス・イスラム聖戦からの贈り物」という言葉が両組織のロゴと印刷された大量の封筒と、計4.5億円相当の現金が見つかっており、国防軍が撤退した去年11月末以降ハマスが再び病院を軍事拠点としていたことが分かっている。(4/1)

 

【ダマスカスでソレイマニ以来のイラン攻撃、イスラエルによるものか】(Y,P,H)
ダマスカスにあるイラン大使館に隣接するビルに空爆があり、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊のシリア・レバノンの司令官モハンマド・レザ・ザヘディをはじめ、7人の司令官が死亡した。2020年に米軍によって殺害されたソレイマニ司令官以来イランに対する最大の攻撃であり、アラブ・メディアはイスラエルによるものだと報道。
ザヘディはシリア・ヒズボラへのイランによる軍事支援の中心的人物でその武器はイスラエル攻撃にも使用されており、イスラエル国内でのテロも計画していた。31日の深夜にはイラクより飛来した無人軍用機によりエイラットの海軍基地が攻撃を受け、この爆撃はイランからの指令によるものとされており、イランに対する報復・警告的意味合いを含んだものではとの報道も。
イラン側はイスラエルによる攻撃と断定し「報復は激しいものになる」と警告していることから、イスラエル国防軍はもちろん各国のイスラエル大使館でも厳戒態勢が敷かれることになった。(4/1)

 

【イランによる報復攻撃に備えるイスラエル】(Y,P,H)
コッズ部隊のザヘディ司令官殺害への報復攻撃を明言するイランに対し、イスラエルが厳戒態勢を敷いている。3日には約1月前に任務から解かれた防空システムに関する予備役兵数百人の呼び戻しを決定し、北部のハイファ地区ではガラント防衛相も視察してのヒズボラからの攻撃を想定した訓練が行われた。
翌4日にはイラン最高指導者ハメネイが「シオニストにあの攻撃を後悔させる」とXにヘブライ語で投稿、イスラエル側ではレバノン・シリア・イラクからのイランによる攻撃から、イラン本国からの弾道ミサイルまでを想定のシナリオとしており、安全保障閣議で攻撃の可能性ならびに(攻撃を受けた際の)報復の規模・方法などについての議論が行われた。ラマダンもあと数日で終わるということもあり、イスラエルではイランからの報復攻撃はラマダン中にあると考えられている。(4/3-4)

 

【ベングビル国家治安相の暗殺計画が発覚】(Y,P,H)
シンベトは4日、アラブ系イスラエル人7人とパレスチナ人4人のグループによる、大規模なテロ計画を発見・阻止したと発表した。入植地でのイスラエル人男性の拉致やエルサレム・ベングリオン空港への独立記念日のテロ実行、複数の軍基地への襲撃などの準備をしていたもよう。
またヘブロン近郊でのテロ攻撃も計画しており、そのなかでベングビル国家治安相をロケットランチャーで殺害するという案も上がり、武器の入手などのためハマスとの連携を取り始めていた。ベングビル氏はこれを受け、「屈することなく強硬な対テロ政策を押し進め、イスラエルを攻撃する者への処置をさらに厳しいものにする」とコメントを出している。(4/4)

内政

【戦争の影響で独立記念日の祝賀飛行が中止に】(Y,P)
28日夜、ハレビ参謀総長とガラント防衛相が「戦争に注力している現状」を受け、毎年独立記念日にイスラエル全土で行われている祝賀飛行を中止することを決めた。前日の戦没者記念日については、例年と同じように各地で追悼式典が行われる。
政府や多くの地方自治体では規模を縮小しつつも祝賀イベント開催の流れになっているため、この中止という軍の決定は各市町村の決定に影響を及ぼす可能性もある。現段階で例年通り大規模な野外コンサートなどを行う町は北部のティベリアなど2都市のみで、エルサレムやテルアビブはまだ開催の是非をまだ検討している。(3/29)

 

【安息日明けに全国で大規模なデモ、16人が逮捕】(Y,P,H)
30日夜、人質の即時解放を求める被害者家族やその支持者、また総選挙実施を求める市民など数千人がテルアビブの軍本部の前に集結、大規模なデモが行われた。参加者の一部はたいまつを手に持ち、通りを封鎖し焚火を行い近くの高速道路にも侵入、多くの幹線通りが通行止めとなった。警官と衝突した参加者16人が逮捕されるなど、戦争勃発後としてはもっとも激しいデモに。
交渉が暗礁に乗り上げているのにはハマスの要求という1番の要因があるのだが、デモの参加者たちからは「政府は十分な努力をしていない」や、人質がガザに居るなか1月半の休暇に入る国会を批判する声が上がっていた。翌31日には国会前で数万人規模の抗議集会も行われ、エルサレムでも同様の光景が見られた。(3/30-31)

 

【ネタニヤフ首相がヘルニアの緊急手術】(Y,P,H)
30日夜にネタニヤフ首相が腹部に違和感を覚えたため検査を受けたところ、ヘルニアであることが発覚。31日の夜、全身麻酔による手術が行われた。手術日の朝には閣議が行われ首相も参加し、手術するような様子ではなかったとのこと。手術前から職務復帰までの間は、副首相でもあるレビン法相が首相代行を務めた。
手術は成功し容体は良好とのことだったが、首相府は翌1日に念のため入院期間をもう1日延長すると発表。病室から出来る職務を行い、2日午後に退院した。ネタニヤフ首相は74歳で2013年にも同様に臍ヘルニアの手術を受けており、去年には手術でペースメーカーが装着されている。(3/31-4/2)

 

【アルジャジーラ活動禁止法が可決される】(Y,P,H)
1日に国会はアルジャジーラをはじめアラブ系メディアについて、イスラエルの国防・安全に甚大な損害を及ぼすと首相が判断、閣議もそれを承認した場合、報道や放送の制限・HPのブロック、最悪の場合は支局の閉鎖を可能とする法案を可決した。通信相は「ハマスのプロパガンダ局に報道の自由の適用はなし」と歓迎、ネタニヤフ首相も「アルジャジーラの閉鎖を近く行う」との意向を示している。
しかしリクード内からも「国内で支局を閉鎖したところで、ラマラに移るだけ。パフォーマンス的要素が強く、有効な法律ではない」との意見もあり、アメリカからは報道の自由を侵害すると懸念する声が。(4/1)

国際情勢

【ガザで人道支援団体職員が空爆され死亡、調査へ】(Y,P,H)
1日深夜に国防軍が誤って、ガザで活動する国際人道支援団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の車両を軍事ドローンで爆撃し、職員7人が死亡した。2日に軍報道官は同団体の創設者と会話をした後に会見を行い、「彼らは必要な人々に食料を届けるという、重要な任務を遂行していた。透明な形で攻撃について精査する。」と述べた。
ヘルツォグ大統領も電話で創設者と会談し「真摯な謝意」を伝え、ネタニヤフ首相も入院先の病院から「意図していない攻撃という悲劇的な出来事。戦争ではこのようなことが起きるが、調査を行い再発しないために全てを行う」とコメント。4日に軍報道官は調査結果を現在参謀総長と防衛相・首相に報告中とし、死亡した職員の国の大使とWCKへ報告した後に、公表するとしている。(4/2)

 

【バイデン大統領が初めて即時停戦を呼び掛ける】(Y,P,H)
4日、ネタニヤフ首相とバイデン大統領との電話会談があった。1日のWCKへのイスラエル軍による誤射という背景もあり、バイデン氏は同事故について「容認できない」と厳しく批判。ガザの人道的状態を安定化させるためには休戦が不可欠、と初めて即停戦をイスラエルに要求した。また同時に非戦闘員への攻撃を防ぐ「具体的な手段」を取るよう要請し、ガザ市民や活動する非戦闘員へのイスラエルの対応に変化がなければ「それに応じてアメリカの政策も変わって来る」と強く警告した。
また人質解放についての議題では、カタール・ハマスだけでなく、ネタニヤフ氏が十分な権限をイスラエル交渉団に与えていないことが、交渉が行き詰まっている一因とし改善を求めた。イスラエル側の関係者からは「厳しい会談になることは想定していたが、最も厳しい結果となった」との声も。(4/4)

◯ 文化

【東京で親パレ支持者がイスラエル人選手の柔道着を盗む】(Y,H)
30日新宿で行われていた親パレスチナのデモに、合宿中だったイスラエル柔道代表の選手団が遭遇した。数百人以上のパレスチナ支持者が取り囲んで「Free Palestine」とのチャントを叫んだことに対し、選手団はイスラエル国旗の入った柔道着を取り出し国歌を斉唱するなど、両者ヒートアップ。
ある選手は参加していたアラブ人と冷静な議論ができたようだが、元世界チャンピオンのサギ・ムキ選手は参加した何者かによって道着が奪われるという被害を受けた。ムキ選手は合宿などでよく訪れている東京でこんな経験をすることに驚いたとしながらも、「これからもイスラエルを代表し、真理のためにも戦い続ける」と語った。(3/30)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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