【アラブ3か国による多国籍軍がガザ駐留へ】(Y,P,H)
訪米から戻ったガラント防衛相が29日の戦争内閣の閣議で、アラブ3か国による多国籍軍のガザ派遣・駐留計画が進んでいると報告した。具体的な派遣時期については未定で現段階で国名は公表されていないが、この多国籍アラブ軍はハマスなどによる人道支援物資の強奪が続く人道支援トラックや、埠頭の警備を行う予定。
ここ最近イスラエルは軍と防衛省の代表団がアラブ諸国を訪問し、アメリカと共同でこのプロジェクトを水面下で進めていた。軍は派遣しないものの、この派遣・駐留に関してはアメリカがイニシアチブと指揮を執るものと思われる。(3/29)
【「意図的にガザを飢餓状態」に対してイスラエルが反論】(Y,P)
EUやUNRWAなど国連機関が、イスラエルが意図的にガザで飢餓を引き起こしていると批判していることに対し、西岸・ガザ地区との調整を行う防衛相内の組織(COGAT)が31日に独自のレポートを発表した。それによると現在ガザには、約150~200台の人道支援トラックが搬入されているがそのほとんどは食糧で、これは10月7日以前と比べて80%増になり、それに加え海や空からの食糧投下も行われている。
また水の供給について国連の報告書では1人当たり1日1リットル以下としているが、UAEによる2つの海水淡水化施設では1人当たり20リットル以上の水が供給されているとし、国連・EUの主張に対して反論した。(3/31)
【シファ病院での作戦完了】(Y,P,H)
国防軍は1日、2週間にわたるシファ病院での特別作戦が完了したため撤退したと発表した。司令官クラスを含む約200人のテロリストが排除され、500人以上のテロリストが逮捕された。今回の作戦について、取材に応えたナハル旅団幕僚は「病院の外から包囲網を敷き、病院のスタッフの中からテロリストを識別・選択する作業を行い続けた。(少なくとも6200人の)非戦闘員を病院の外に避難させた後は比較的スムーズだったが、作戦は複雑なものだった」と語った。
病院からは大量の兵器の他に、「ハマス・イスラム聖戦からの贈り物」という言葉が両組織のロゴと印刷された大量の封筒と、計4.5億円相当の現金が見つかっており、国防軍が撤退した去年11月末以降ハマスが再び病院を軍事拠点としていたことが分かっている。(4/1)
【ダマスカスでソレイマニ以来のイラン攻撃、イスラエルによるものか】(Y,P,H)
ダマスカスにあるイラン大使館に隣接するビルに空爆があり、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊のシリア・レバノンの司令官モハンマド・レザ・ザヘディをはじめ、7人の司令官が死亡した。2020年に米軍によって殺害されたソレイマニ司令官以来イランに対する最大の攻撃であり、アラブ・メディアはイスラエルによるものだと報道。
ザヘディはシリア・ヒズボラへのイランによる軍事支援の中心的人物でその武器はイスラエル攻撃にも使用されており、イスラエル国内でのテロも計画していた。31日の深夜にはイラクより飛来した無人軍用機によりエイラットの海軍基地が攻撃を受け、この爆撃はイランからの指令によるものとされており、イランに対する報復・警告的意味合いを含んだものではとの報道も。
イラン側はイスラエルによる攻撃と断定し「報復は激しいものになる」と警告していることから、イスラエル国防軍はもちろん各国のイスラエル大使館でも厳戒態勢が敷かれることになった。(4/1)
【イランによる報復攻撃に備えるイスラエル】(Y,P,H)
コッズ部隊のザヘディ司令官殺害への報復攻撃を明言するイランに対し、イスラエルが厳戒態勢を敷いている。3日には約1月前に任務から解かれた防空システムに関する予備役兵数百人の呼び戻しを決定し、北部のハイファ地区ではガラント防衛相も視察してのヒズボラからの攻撃を想定した訓練が行われた。
翌4日にはイラン最高指導者ハメネイが「シオニストにあの攻撃を後悔させる」とXにヘブライ語で投稿、イスラエル側ではレバノン・シリア・イラクからのイランによる攻撃から、イラン本国からの弾道ミサイルまでを想定のシナリオとしており、安全保障閣議で攻撃の可能性ならびに(攻撃を受けた際の)報復の規模・方法などについての議論が行われた。ラマダンもあと数日で終わるということもあり、イスラエルではイランからの報復攻撃はラマダン中にあると考えられている。(4/3-4)
【ベングビル国家治安相の暗殺計画が発覚】(Y,P,H)
シンベトは4日、アラブ系イスラエル人7人とパレスチナ人4人のグループによる、大規模なテロ計画を発見・阻止したと発表した。入植地でのイスラエル人男性の拉致やエルサレム・ベングリオン空港への独立記念日のテロ実行、複数の軍基地への襲撃などの準備をしていたもよう。
またヘブロン近郊でのテロ攻撃も計画しており、そのなかでベングビル国家治安相をロケットランチャーで殺害するという案も上がり、武器の入手などのためハマスとの連携を取り始めていた。ベングビル氏はこれを受け、「屈することなく強硬な対テロ政策を押し進め、イスラエルを攻撃する者への処置をさらに厳しいものにする」とコメントを出している。(4/4) |