【米イ両軍、イランからの攻撃に備え合同会議】(Y,P)防衛筋やメディアでは今週末にもイランからの攻撃があるとの予想がされているなか、12日にアメリカ中央軍の司令官たちがイスラエルを訪問、イスラエル国防軍との合同会議を行った。ハレビ参謀総長はイラン内外で詳細なモニタリングを行っているとし、「米国防軍と連携しながら、起こり得る脅威に対して絶えず準備している」と会議後に語った。会議の内容は報道されていないが、アルジャジーラに対して米政府高官は「地域の緊迫化を防ぎ、また自軍を守るために、中東の米軍基地の兵力を増強している」と話している。またイスラエルメディアに対して別の米政府高官は、イスラエル本土への攻撃の可能性を示唆している。(4/12)
【イラン特殊部隊、イスラエルに関連する貨物船を拿捕】(Y,P,H)イラン軍の特殊部隊が13日、ペルシャ湾へ繋がる海の要所ホルムズ海峡を航海中の海運会社MSC所有のコンテナ船を拿捕した。同船はイスラエルの海運会社がMSCにリースした船舶であるため、「イスラエルと関連する船舶」としてイラン軍の標的になったもよう。イラン側は明言していないが、1日にイスラエルによるとみられるイランの革命防衛隊司令官への攻撃・殺害への、報復行為と考えられる。船内のコンテナの多くはトルコ・ベルギーなど7か国へ向けられたもので、イスラエルへのコンテナは1%ほどだが、国防軍報道官は「イランがさらなる緊迫化を選択するならば、その影響と代価を負うことになる」と警告の声明を発表した。(4/13)
【イランがイスラエルに向け大規模な攻撃、被害は微少】(Y,P,H)13日深夜にイランはイスラエルに向けて、約180の無人攻撃機と約130の弾道ミサイル、そして約30発の巡航ミサイルをイスラエルに向けて発射、14日午前2時前に688箇所という広範囲でサイレンが発動した。無人攻撃機と巡航ミサイルは、イスラエルだけでなく米・英・ヨルダンなどにより全て迎撃され、イスラエル領空には飛来せず。弾道ミサイルもアロー2・3や近年導入されたダビデ・スリングなどにより大半は迎撃されたが、数発がイスラエル内に着弾しベドウィン系市民1人が重傷。また5発が、南部にある空軍最大の基地の1つネバティーム基地の倉庫・貨物機・使用されていない滑走路などに着弾した。軍報道官は「99%の脅威は全て迎撃した。基地に損害が生じたが、100%通常通り機能している」と強調。イラン側は「私たちにとっては、一連のできごとはこれで終わった。しかしイスラエルがさらなる過ちを犯せば、私たちの報復はこれ以上厳しいものとなるだろう」と、声明を発表している。(4/14-15)
【ハマス、再び休戦・人質解放案を拒否】(Y,P,H)14日にモサドは、アメリカが取りまとめ示していた休戦案に関してハマスが拒否との回答をしたと発表した。イスラエルはいくつかの条件はあるものの受け入れる姿勢を示しており、バイデン大統領もハマスが態度を軟化させるようカタール政府に対し圧力を掛けるよう要請していた。また条件もハマス側にかなり歩み寄ったものだったことからも、合意への前身が期待されていた。イスラエル諜報関係者によると「シンワルはイラン攻撃により戦火が広まれば、イスラエルのさらなる譲歩と国際社会による圧力が期待できるため、最初から交渉を望んではいなかった」と、ハマスの拒絶は想定内のよう。翌15日には、ハマス側が米案の半分の20人またはそれ以下の人質しか解放する意思がないとの、返答の内容が明らかになった。(4/14-15)
【ハマスの虚偽報道により、一部市民が北部へ帰還】(Y,P,H)ハマスと強い関係のあるクッズ・ニュースが14日、ガザ内で「14歳以下の子供たちと女性に対して、ガザ地区北部への帰還が認められた」との報道を行った。直後に国防軍は「偽の情報である」とアナウンスしたが、多くのガザ市民が南部から北部へと移動し、それに対して国防軍が発煙弾を使用する様子も。国防軍のアラビア語報道官は、「北部は危険な戦闘地域。身を守るためにも南の人道支援ゾーンに留まるように」との声明を発表。北部への帰還については休戦交渉の重要な項目で、米案には15万人の帰還とあったがこれを同日にハマスは拒否している。(4/15)
【西岸地区でパレスチナ人2人が銃撃され死亡】(Y,P,H)15日、ヨルダン渓谷の入植地近くで起こったパレスチナ人と入植者の数十人規模の衝突が発砲事件へと発展、20代と30代のパレスチナ人男性2人が死亡した。国防軍によるとパレスチナ人が羊飼いをしていたユダヤ人を攻撃したことを発端に、周りにいたユダヤ・パレスチナ人の双方が加わり一触即発の衝突になったもよう。しかし誰が発砲したかについては、その場にいた入植者たちは仲裁に入った兵士が「命の危険を感じたこと」による発砲だとする一方、国防軍は「兵士たちは身の危険を感じなかった。空に向けての威嚇射撃が行われ、双方が退散し始めた直後にさらなる銃声が聞こえた」と、銃を所持していた入植者によるものとのコメントをしている。(4/15)
【米政府「イスラエルによるイラン攻撃は限定的なものに」】(Y,P,H)米政府高官がCNNをはじめ国内主要ニュースの取材に対し、13日深夜に行われたイランの攻撃を受けてのイスラエルの報復攻撃について言及し、攻撃は限定的なものになるだろうとの見通しを示した。それによると今までになかった規模の攻撃を受けたイスラエルは、何らかの形でイランに対して報復を行うだろうが、中東での地域戦争を引き起こすような大規模な攻撃にはならないだろうと予想。また米による反対・中止があることへの恐れから、攻撃前にイスラエルからの事前通告があるかどうかは不明としながらも、「事前に知らされることを願っている」と話している。英・仏などもイスラエルに対し、中東全体を緊迫化させる攻撃に対する自重の要請があり、イスラエルも友好的な中東諸国に対して「地域戦争になるような報復にはならない」と通達しているもよう。(4/16) |