ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【米イ両軍、イランからの攻撃に備え合同会議】(Y,P)防衛筋やメディアでは今週末にもイランからの攻撃があるとの予想がされているなか、12日にアメリカ中央軍の司令官たちがイスラエルを訪問、イスラエル国防軍との合同会議を行った。ハレビ参謀総長はイラン内外で詳細なモニタリングを行っているとし、「米国防軍と連携しながら、起こり得る脅威に対して絶えず準備している」と会議後に語った。会議の内容は報道されていないが、アルジャジーラに対して米政府高官は「地域の緊迫化を防ぎ、また自軍を守るために、中東の米軍基地の兵力を増強している」と話している。またイスラエルメディアに対して別の米政府高官は、イスラエル本土への攻撃の可能性を示唆している。(4/12)

 

【イラン特殊部隊、イスラエルに関連する貨物船を拿捕】(Y,P,H)イラン軍の特殊部隊が13日、ペルシャ湾へ繋がる海の要所ホルムズ海峡を航海中の海運会社MSC所有のコンテナ船を拿捕した。同船はイスラエルの海運会社がMSCにリースした船舶であるため、「イスラエルと関連する船舶」としてイラン軍の標的になったもよう。イラン側は明言していないが、1日にイスラエルによるとみられるイランの革命防衛隊司令官への攻撃・殺害への、報復行為と考えられる。船内のコンテナの多くはトルコ・ベルギーなど7か国へ向けられたもので、イスラエルへのコンテナは1%ほどだが、国防軍報道官は「イランがさらなる緊迫化を選択するならば、その影響と代価を負うことになる」と警告の声明を発表した。(4/13)

 

【イランがイスラエルに向け大規模な攻撃、被害は微少】(Y,P,H)13日深夜にイランはイスラエルに向けて、約180の無人攻撃機と約130の弾道ミサイル、そして約30発の巡航ミサイルをイスラエルに向けて発射、14日午前2時前に688箇所という広範囲でサイレンが発動した。無人攻撃機と巡航ミサイルは、イスラエルだけでなく米・英・ヨルダンなどにより全て迎撃され、イスラエル領空には飛来せず。弾道ミサイルもアロー2・3や近年導入されたダビデ・スリングなどにより大半は迎撃されたが、数発がイスラエル内に着弾しベドウィン系市民1人が重傷。また5発が、南部にある空軍最大の基地の1つネバティーム基地の倉庫・貨物機・使用されていない滑走路などに着弾した。軍報道官は「99%の脅威は全て迎撃した。基地に損害が生じたが、100%通常通り機能している」と強調。イラン側は「私たちにとっては、一連のできごとはこれで終わった。しかしイスラエルがさらなる過ちを犯せば、私たちの報復はこれ以上厳しいものとなるだろう」と、声明を発表している。(4/14-15)

 

【ハマス、再び休戦・人質解放案を拒否】(Y,P,H)14日にモサドは、アメリカが取りまとめ示していた休戦案に関してハマスが拒否との回答をしたと発表した。イスラエルはいくつかの条件はあるものの受け入れる姿勢を示しており、バイデン大統領もハマスが態度を軟化させるようカタール政府に対し圧力を掛けるよう要請していた。また条件もハマス側にかなり歩み寄ったものだったことからも、合意への前身が期待されていた。イスラエル諜報関係者によると「シンワルはイラン攻撃により戦火が広まれば、イスラエルのさらなる譲歩と国際社会による圧力が期待できるため、最初から交渉を望んではいなかった」と、ハマスの拒絶は想定内のよう。翌15日には、ハマス側が米案の半分の20人またはそれ以下の人質しか解放する意思がないとの、返答の内容が明らかになった。(4/14-15)

 

【ハマスの虚偽報道により、一部市民が北部へ帰還】(Y,P,H)ハマスと強い関係のあるクッズ・ニュースが14日、ガザ内で「14歳以下の子供たちと女性に対して、ガザ地区北部への帰還が認められた」との報道を行った。直後に国防軍は「偽の情報である」とアナウンスしたが、多くのガザ市民が南部から北部へと移動し、それに対して国防軍が発煙弾を使用する様子も。国防軍のアラビア語報道官は、「北部は危険な戦闘地域。身を守るためにも南の人道支援ゾーンに留まるように」との声明を発表。北部への帰還については休戦交渉の重要な項目で、米案には15万人の帰還とあったがこれを同日にハマスは拒否している。(4/15)

 

【西岸地区でパレスチナ人2人が銃撃され死亡】(Y,P,H)15日、ヨルダン渓谷の入植地近くで起こったパレスチナ人と入植者の数十人規模の衝突が発砲事件へと発展、20代と30代のパレスチナ人男性2人が死亡した。国防軍によるとパレスチナ人が羊飼いをしていたユダヤ人を攻撃したことを発端に、周りにいたユダヤ・パレスチナ人の双方が加わり一触即発の衝突になったもよう。しかし誰が発砲したかについては、その場にいた入植者たちは仲裁に入った兵士が「命の危険を感じたこと」による発砲だとする一方、国防軍は「兵士たちは身の危険を感じなかった。空に向けての威嚇射撃が行われ、双方が退散し始めた直後にさらなる銃声が聞こえた」と、銃を所持していた入植者によるものとのコメントをしている。(4/15)

 

【米政府「イスラエルによるイラン攻撃は限定的なものに」】(Y,P,H)米政府高官がCNNをはじめ国内主要ニュースの取材に対し、13日深夜に行われたイランの攻撃を受けてのイスラエルの報復攻撃について言及し、攻撃は限定的なものになるだろうとの見通しを示した。それによると今までになかった規模の攻撃を受けたイスラエルは、何らかの形でイランに対して報復を行うだろうが、中東での地域戦争を引き起こすような大規模な攻撃にはならないだろうと予想。また米による反対・中止があることへの恐れから、攻撃前にイスラエルからの事前通告があるかどうかは不明としながらも、「事前に知らされることを願っている」と話している。英・仏などもイスラエルに対し、中東全体を緊迫化させる攻撃に対する自重の要請があり、イスラエルも友好的な中東諸国に対して「地域戦争になるような報復にはならない」と通達しているもよう。(4/16) 

内政

【14歳のユダヤ人少年の遺体が入植地近くで発見される】(Y,P,H)ラマラ近くにある違法入植地の近くで羊の群れの番をし、その後行方不明になっていた14歳の少年ベニヤミン・アヒマイル君が、13日近くから遺体で見つかった。遺体の近くからは少年が所持していた持ち物や血の付いた刃物と大きな石も見つかっており、国防軍とシンベトは「テロ行為による殺害」と発表、容疑者の行方を追っている。ネタニヤフ首相も「イスラエル国民を殺害した者とそのほう助者を、私たちは必ず逮捕する」と、安息日中に異例の声明。しかしその直後に(恐らく宗教層への配慮から)コメントは削除された。(4/13)

国際情勢

【「影響力ある100人」に、拉致被害者の母親が選出】(Y,P,H)米誌TIMEが17日に毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表、その1人にガザで人質の身となっている息子を持つラヘル・ゴールドバーグ=ポリンさんが選ばれた。彼女の息子ヘルシュさん(23)は10月7日に、音楽イベントに参加していたがハマスによる越境攻撃に遭った。避難したシェルター内に向けて手榴弾が投げ込まれるなか、腕の一部を失いながらも手榴弾を外に投げ返すなど身を挺して仲間たちを守ったが、拉致され現在もガザで囚われの身になっている。米国籍を持っていることから母親のラヘルさんは半年間、バイデン大統領やローマ法王との面会・国連で人質解放を訴えるなど、被害者の家族の中でも中心的役割を果たしており、それを受けての選出。(4/17)

 

【英独の外相がイスラエル訪問、イランへの過剰な攻撃を牽制】(Y,P,H)英キャメロン外相と独ベアボック外相の2人が17日、イスラエルを別々に訪問。ネタニヤフ首相とヘルツォグ大統領、カッツ外相との会談を行い、イスラエルがイランに対して報復攻撃することは理解しつつ、過剰な反撃ではなく冷静な判断を求めた。2国間での攻撃の連鎖が中東全体の緊張化、さらには地域戦争になることを危惧しての両外相の発言と要請。会談を終えたネタニヤフ首相は、「多くの助言や提案に感謝しているが、はっきりさせたい。自分たちについては、自分たちで決定する」と発言。アメリカ政府もイランへのさらなる経済制裁を検討しつつ、イスラエルに対して冷静な行動を求めており、イスラエルによるイラン直接攻撃を避けるため各国の外交努力がここ数日続いている。(4/17)

 

【米国高官「報復攻撃は過ぎ越しの祭の後」】(Y,P,H)18日にホワイトハウス高官がABCテレビの取材に応え、イスラエル政府内の状況などを考えるとイランに対する報復攻撃は、過ぎ越しの祭(今月30日)の後になるだろうとの予想を示した。またイスラエル政府の関係者は同テレビに対して、今週最低でも2度攻撃が計画されたのちに中止になったこと、そして現在イスラエルが検討している選択肢としては、イランへの直接攻撃ではなく代理勢力への攻撃やサイバー攻撃などであると、話している。現状ネタニヤフ政権内では超正統派政党シャスを除いては、イランへの報復の必要性については一致しているが、どの程度の報復かについては未だに議論がなされている。(4/18)

 

【イラン:原子力施設への攻撃があれば、政策変更も】(Y,P,H)18日にイラン政府が、「敵が原子力に関する施設を攻撃するようなことがあれば、我々の『原子力政策』に関して変更する可能性もある」と、イスラエルに対して警告した。どのような政策かについては話さなかったが、核兵器保有のために必要なウラン濃色を進めることを指しており、「イスラエルの核関連施設の正確な情報を持っており、ミサイルがそこに標準を合わせている」とも、核関連施設の防衛司令官がメディアに対して話した。イランは現在、イスラエルからの報復に備えてシリア各地から革命防衛隊の関係者を撤退させ、紅海で活動中だった情報収集艦も自国のホルムズ海峡まで引き上げさせている。(4/18)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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