ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【イスラエルがイラン中部の空軍施設を攻撃】(Y,P,H)
18日深夜にイスラエルが戦闘機と無人攻撃機による攻撃を、イラン中部イスファハンの防空レーダー施設などに対し行った。イスラエルとしてはイランからの攻撃と同じ、無人攻撃機を使用しての空軍基地への攻撃を行った形だが、より小規模なもの。「イランとして報復攻撃を強いられる規模ではなく、相手に考えさせるような報復をあえてした」と現地報道。この基地はナタンツにある核関連施設の防衛も担当していたが、イランはより大規模な攻撃を想定し一時的に核関連施設の活動を停止しているなど厳戒態勢だったため、この局地的で小規模な攻撃に対しては報復を行わない可能性もある。政府高官が「ガザと北戦線に集中することが我らの望み」とメディアに話しているように、イスラエルはさらなるイランとの直接攻撃の応酬は望んでいない。
(4/19-20)

【国防軍、沿岸部に近いパレスチナの街で2日間の特別作戦】(Y,P,H)
国防軍と国境警察が約50時間に渡る軍事作戦を、イスラエル海岸部近くの西岸地区内トゥルカルムで行った。この地においては過去最大の作戦で、イスラム聖戦トゥルカルム大隊司令官をはじめ14人のテロリストが排除された。この司令官は西岸地区において国防軍が長年行方を追っていたのだが、死亡のニュースはパレスチナ・メディアによることから、国防軍では(死を装い地下に潜伏するための)フェイクニュースではとの声も。また爆発物や製造施設を発見、大量の武器も押収しテロ行為に関わった容疑で10人を逮捕している。この作戦でイスラエル側も9人が負傷。
(4/20)

【イランの被害を抑えるため、直前で作戦変更】(Y)
22日にNYT紙は4日前にあったイスファハンへの攻撃について、当初イスラエルはより大規模な報復攻撃を計画していたが、米英独による働き掛けを受けて規模を縮小していたと報道した。複数のイスラエル高官からの情報で、イスラエルはもともとはテヘラン近郊への攻撃も考えており、戦闘機でイラン領内に侵入した上でより多くのミサイル発射を計画していた。また実際に発射された1発目が地対空ミサイルシステムに命中したため、2発目はイスラエルが自ら撃ち落としたようで、これも被害が甚大になるのを避けたものだと判明。イラン同様イスラエルも戦闘拡大は望んでおらず、イランが反撃せざるを得ないような状況にしないために、あえて小規模な報復攻撃を行ったよう。
(4/22)

内政

【正統派ユダヤ教徒のみによる国防軍部隊、米制裁の対象に】(Y,P,H)
ホワイトハウスは20日、超正統派と厳格な正統派のユダヤ人兵士のみにより構成されている西岸地区の戦闘部隊、「ネツァフ・イェフダ」に対して制裁を科すと発表した。米政府は「兵士たちによるパレスチナ人に対する暴力行為」を理由としているが、個人ではなく部隊全体への制裁処置は初。現地では司令官や兵士たちへの逮捕状などについても報道されているが、まだ制裁内容は分かっておらず、まずはM16ライフル銃やハマーなど米国製の武器や装備への提供停止などが行われるもよう。ネタニヤフ首相は「常識に反した決定」、戦争内閣のガンツ党首も「イスラエルには軍への調査・裁判を行う、司法制度がある。この制裁は危険な前例」と批判している。
(4/20-21)

【ネタニヤフ首相、ラファ作戦を暗示するような発言】(Y,P,H)
過ぎ越しの祭を前日に控えた21日にネタニヤフ首相が、ビデオメッセージを出した。祭で歌われる「今夜は何が違うの」という歌から、「何が違うか―133人の兄弟姉妹が祭りの食卓に着かず、ハマスのもと囚われたまま」と発言し、人質の全員解放を誓った。また祭前ということでハマスを出エジプト時のファラオに譬え、「心を頑なにし、同胞を解放しない。したがって彼らにはさらなる災い(打撃)を、近く下すつもりだ。軍事的そして外交的な圧力を、ハマスに掛けることになる」と語った。メディアではこの発言を、近々行うであろうラファ作戦への布石ではないかと論じている。
(4/21)

【10月7日を受けて初の引責辞任】(Y,P,H)
国防軍の参謀本部諜報局トップのアロン・ハリバ司令官が22日、10月7日のハマスによる越境攻撃と虐殺を防げなかった責任を取り、ハレビ参謀総長に辞表を提出した。10月7日の軍・諜報部による失態を受けての引責辞任は初。「あの黒い日を私は昼夜、毎日背負っている。この戦争の痛みを、これからも永遠に引きずるだろう」と辞表にはあり、同時に軍・諜報部の失策については正式かつ客観的な調査委員設置を求めている。ハリバ司令官は10月中旬には辞任する意向を示していたが戦争に突入したため留任、ガザ戦争が一段落したこのタイミングで辞任することになった。
(4/22)

【軍・シンベトのトップ2人がカイロ入り】(Y,P,H)
24日に国防軍のハレビ参謀総長とシンベトのバル長官がエジプトを訪問、エジプト諜報庁そしてエジプト軍のトップと会談を行い、ラファでの軍事作戦について話し合った。国防軍内は作戦の準備が完了し政府からの指令を待っている段階とのことで、一般市民の避難には4・5週間が掛かると予想、4万張のテントを入手している。ラファ作戦に関してエジプトは、軍事作戦によって自国へのパレスチナ人の大量流入が起こるのではと危惧しており、ここ数か月間の間にイスラエルの関係者がエジプトを訪問し市民の避難などについて説明、理解を求めている。また最近ガザ南部に大規模なテント地区が設置されたのだが、これはエジプト・UAEがイスラエルと連携して建設したものであることも分かった。
(4/24)

国際情勢

【パレスチナ国家承認、アメリカが拒否権行使】(Y,P,H)
18日に国連安保理でパレスチナの正式な国家としての国連加盟に関する決議が行われ、ロシア・フランス・日中韓など計12か国の過半数が賛成、イギリス・スイスが棄権したが、常任理事国であるアメリカが拒否権を行使したため否決された。パレスチナ自治区政府は2011年に国連加盟の申請を行い、翌年オブザーバー国に。ここ数日間アメリカは、拒否権行使を避けるため日韓仏などに対し賛成票を投じないよう働きかけていたが、拒否権行使を余儀なくされた。イスラエル国連大使は10月7日後のこの決議に対し、「安保理へと語り掛けるのは、壁に向かって話すのと同じ」と批判。
(4/19)

【ガザ内で生存している人質は3分の1以下か】(Y,P)
英デイリー・メール紙は21日、シンベトからの機密情報によると現在ガザに居る133人の人質のうち生存しているのは、40人程度であると報道した。取材に応えたシンベト関係者は、「ガザ内の情報ソースが限定されていた10月7日と比べると、現在は格段に諜報活動が容易になっている」と話し、生存者が3分の1以下だという情報が信頼できるものだとしている。これを受けてシンベトは「報道に出ている人数はシンベトの考えではなく、発言者の個人的見解に過ぎずシンベトが持っている機密情報に基づいたものではない」と、報道内容を否定するコメントを発表している。
(4/21)

【コロンビア大のイスラエル人教授、キャンパス入場拒否】(Y,P,H)
米コロンビア大で22日イスラエル人のシャイ・ダビダイ教授が、職場であるキャンパス構内への立ち入りを禁じられるという事件が起こった。構内には親パレスチナの学生たちが無許可でテントを張ってデモを行う広場があり、ダビダイ教授はイスラエル支持の学生たちと対抗デモを行うためキャンパスに入ろうとした。すると大学側から「IDカードが停止されている」との理由から、入構を拒否されたとのこと。同教授はここ半年間、米各大学で広がる反ユダヤ的事例についてSNSで発信、警鐘を鳴らしてきており「30年代のナチスドイツを彷彿とさせる」と、現地メディアに答えている。
(4/22-23)

【国連事務総長、ハマスによる性的暴力との明言避ける】(Y,P)
国連の紛争下の性的暴力に関する調査団が、ハマスによる性的暴力についての詳細なレポートを取りまとめたにもかかわらず、グテーレス国連事務総長は自身のレポート内においてハマスとの明言は避けた。同レポート内は性犯罪の証拠はあるとしながら、短期間の調査であることから「性犯罪を犯した武装組織の特定や、犯罪の規模についての結論には、より完全な調査が必要」と主張。したがって、ハマスは性的暴力の疑いがもたれているブラックリストには入らなかった。またUNRWAとハマスとの関連性についても、「イスラエルからの信頼できる情報提供がなかった」との理由から、UNRWAは中立かつ替えの効かない団体であると結論付けている。イスラエルからは反発の声が。
(4/22-23)

【ハマスが23歳の人質男性のビデオを公開】(Y,P,H)
ハマスは24日、人質になっているヘルシュ・ゴールドバーグ=ポリンさんのビデオを公開した。ハマスによる動画公開は心理的テロの一環でもあるため、イスラエルメディアは動画自体は紹介していないが、家族への無事であるという報告と祭りを前にした愛の言葉、またネタニヤフ首相に対する「200日間も私たちがここに居ることや、国防軍の救出作戦が失敗し続けていることについて、恥じるべき」との批判の言葉もビデオにはあった。ヘルシュさんの母親のラヘルさんは先週、米誌TIMEの「最も影響力のある100人」に選出されており、その直後の映像公開。ラヘルと夫ジョンさんはビデオを受け「愛している。強く、どうか生き延びてくれ」とのコメントを発表。
(4/24)
 
【ハマス高官「67年ラインでの国家樹立なら、武装解除も」】(Y,P,H)
ハマス政治部の高官ハリル・アル・ハヤがトルコAP通信のインタビューに応じ、1967年境界線に基づきパレスチナ国家が樹立された際には、ハマス軍事部の武装解除にも応じる可能性があると示唆した。ハマスはイスラエルの殲滅を標榜しているため、公の場で武装解除について語るのは異例。しかし「占領者と戦った者が国を得れば、彼らは政治政党となり、彼らの軍は国防軍となる」と発言しているため、あくまでハマス単体の非武装化であり、ハマス軍事部がパレスチナ国防軍として残る可能性は否定していない。またこの2国共存案が究極的なゴールなのか、またはイスラエル殲滅に向けた通過点なのかについても明言はされていない。そして10月7日についての質問には意義があったと発言、イスラエル市民を標的にしたことは否定している。
(4/24)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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