ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【休戦交渉に新展開?エジプト使節団がイスラエル入り】(Y,P)
諜報庁をはじめとしたエジプトの使節団が26日にイスラエル入りし、ラファ作戦が現実味を帯びるなか休戦・人質解放の交渉を行った。エジプト関係者によるとエジプトが提示している案はここ数か月の交渉の中で、イスラエル・ハマス両者が譲れない条項をバランスよく汲んだものとのこと。
報道によると女性や女性兵士・精神疾患を持つ人質など40人以下をハマスが解放し、イスラエル側は数百人単位のパレスチナ囚人を釈放。休戦期間は解放した人質に応じて変動といった内容になっている。この案にはガザの軍事回廊からの大規模な撤退も盛り込まれているが、イスラエルは前向きな姿勢を見せている。(4/26)

 

【先週に続きハマスが生存者(?)のビデオを公開】(Y,P,H)
ハマスは27日、ガザで人質となっている男性2人キット・シガルさん(64)とオムリ・ミランさん(47)のビデオを公開した。両家族は政府が人質解放案締結のために動くよう働き掛けたいとの願いから、各メディアに対して報道を許可したためビデオはTVでも公開された。
視線などからハマスによって指示された内容を話していると思われるが、家族と祝うことが叶わなかった過ぎ越しの祭について涙ながらに話し、次の祭である独立記念日までには解放されたいと訴えかけている。先週の23歳男性に続いてのハマスによる心理的テロではあるが、取材に応えた家族からは「生存が確認できる初めてのビデオで、感激で涙した」との声が。(4/27)

 

【トルコ人観光客がエルサレム旧市街で殺傷テロ】(Y,P,H)
30日にエルサレムの旧市街で、近くのホテルで滞在中のトルコ人男性がパトロール中の国境警察2人組にナイフを持って襲い掛かり、警官1人が中程度の負傷を負う殺傷テロが発生した。警官たちとの揉み合いになり、テロリストはその場で射殺された。
その後の調査でこのトルコ人は前日にヨルダンから入国し、当初はグループ旅行に参加していたがその後グループから離れ犯行に至ったことが判明した。テロ発生直後に警察は神殿の丘への入口をすべて閉鎖、これに反発したパレスチナ人たちと国境警察の間での衝突が散発的に発生した。(4/30)

内政

【テロ現場視察後に、国家治安相の公用車が事故を起こす】(Y,P,H)
ユダヤ・アラブ人の両方が住む中央部ラムラで26日ナイフによる殺傷テロ(18歳の女性が重傷・犯人は射殺)が発生し、事故現場をベングビル国家治安相が視察。その後、同相を乗せた公用車が交差点で信号無視による交通事故を起こした。この事故によりベングビル氏と自身の娘、運転手をはじめ計5人が負傷し病院に搬送された。
全員軽傷で意識もはっきりしているが公用車による交通違反のほか、ベングビル親子がシートベルト着用を怠っていたことなどが判明しており、警察は「記録があるため、全ては調査されたのちに公表される」と話している。(4/26)

 

【極右閣僚の圧力で、ネタニヤフ首相が交渉を遅らせる】(Y,P,H)
休戦を含む人質解放の交渉に当たっている政府関係者が28日、交渉の進展を妨げているとしてネタニヤフ首相を非難した。
戦争内閣内では軍部やガンツ党首などから「人質を解放できるのであればラファ作戦を延期、交渉を進めるべき」との声があり、ネタニヤフ氏も容認する姿勢を示しているが、ベングビル国家治安相やスモトリッチ財務相などの極右閣僚も加わった一般閣議内では態度を一変させ、「(極右閣僚の)圧力に屈服してしまっている」とのこと。
これに対してラピード野党議長は、「国の過半数は交渉を支持。私たちの24の賛成票を与えるので、彼らを内閣から排除すべき」とネタニヤフ氏に呼び掛けている。上記2人は「ラファの即時占領なくして、この政府には存在する権利なし」と連立離脱を匂わせ、首相に対して圧力を掛けている。(4/28)

国際情勢

【米、正統派ユダヤ教徒のみによる部隊への制裁取り消し】(Y,P,H)
先週に米政府が発表していた、超正統派と厳格な正統派のユダヤ人兵士のみにより構成されている西岸地区の戦闘部隊、「ネツァフ・イェフダ」に対する制裁について、26日に米メディアは政府が制裁措置を取り消す見込みだと報じた。
その理由としては①国と軍の司法制度が調査と必要な対策を講じている、②同部隊が西岸地区から(パレスチナ人と接触しない)ゴラン高原に配置換えされている、③与野党のリーダーたちから相次いで見直しを求める声が上がったことなどが考えられる。これによりネツァフ・イェフダ部隊は、現在使用しているアメリカ製の装備を今後も提供されることなる。(4/26)

 

【国連、UNRWA職員5人についての調査を終了】(Y,P)
10月7日の虐殺に関与した疑いのある計19人のUNRWA職員について、国連はそのうち5人に関しての調査終了と一時停止を発表した。理由は「疑いに対する確固たる証拠が、イスラエルよりなかった」とされているが、その5人がどの職員かについては発表されていない。
これを受けてイスラエル外務省は「国連内部監査部とは、UNRWA職員のハマス関与に関する詳細な情報を共有した」と、反発。報告書の中で国連は、UNRWA内には対処すべきいくつかの問題があり、女性の登用・理事会の設置などが必要とはしながらも、「国連の他の組織以上に中立的である」と結論付けている。(4/27)

 

【ネタニヤフ・バイデンが電話会談】(Y,P,H)
28日にホワイトハウスは、バイデン大統領がネタニヤフ首相と電話会談を行ったと明らかにした。イスラエルが計画しているラファでの軍事作戦について議論され、バイデン大統領は「米国の明確な見解を繰り返し述べた」とのこと。
詳細については明かされていないが、アメリカはラファに居る避難民を含め、100万人以上の市民の安全と人道支援が確約されていない状態での大規模な軍事作戦に関して、NOの立場を何度も公言しておりそれを再び伝えたもよう。しかし同時にイスラエルの安全保障へのコミットも強調、ハマスの回答を待っている人質解放案に関する議論も行ったとのこと。(4/28)

 

【ネタニヤフ:「ICCによる逮捕状=前例なき反ユダヤ主義的犯罪」】(Y,P,H)
ネタニヤフ首相は30日、国際刑事裁判所(ICC)が自身をはじめイスラエル政府・軍高官に対し逮捕状を発行する恐れがあることを受け、西側諸国のリーダーたちに向け阻止のために働き掛けるよう求めた。
もし逮捕状が出ることになれば「国際法に則り自らの生存のために戦う民主主義国家が、初めて戦争犯罪の罪に問われる」とし、「前例のない反ユダヤ主義的ヘイトクライム。世界中で巻き起こる反ユダヤ主義の火に油を注ぐことになるだろう」と、ビデオメッセージを通じて呼びかけた。
米政府は「ICCにそのような司法権はなく、イスラエル指導者への取り調べには反対」との立場を明確にしており、民主・共和両党から逮捕状が発行された場合にはICCに何らかの制裁を行うべきとの声も上がっている。(4/30)

 

【米ブリンケン国務長官とネタニヤフ首相が会談】(Y,P,H)
1日にブリンケン国務長官がイスラエルを訪問、ネタニヤフ首相やヘルツォグ大統領などと会談を行った。ブリンケン氏はネタニヤフ氏に対し、ガザへの支援物資の量が増加していることを評価しつつも、ラファでの軍事作戦に関しては現時点においては反対であると明言した。
反対の理由としては、人質交渉の決裂とサウジとの国交正常化計画の立ち消えを挙げている。ネタニヤフ首相は「ラファでの作戦は市民の避難を行ってからであり、綿密に計画されたもの」と強調し理解を求める一方、会談後に首相府は「ラファ作戦実行には何かしらの条件がある訳ではない」ともコメントしている。
またブリンケン氏は滞在中のホテルにやって来た被害者家族の前に姿を現し、拍手とともに迎えられ、「人質全員が戻るまで休む事はない」と語った。(5/1)

 

【カリフォルニア大で両支持者たちのいざこざが暴力に…】(Y,P,H)
カリフォルニア大で1日、親パレスチナ支持の学生たちと親イスラエルの学生のデモが衝突し、その一部が暴徒化。蹴り合い・物の投げ合いや、お互いに向かって花火を発射するなどという暴力的行為に発展した。この数時間前にはNYのコロンビア大で、建物を占拠しバリケードを作っていた反イスラエルの学生たちが警察による突入で逮捕されており、それに呼応して起こったものと思われる。
大学側は警察を呼んだが重装備で急行した警官たちの多くは、両者間の衝突には介入しなかった。親パレ支持の学生たちは「言論の自由は約束しつつも、暴力・反ユダヤ主義的メッセージには反対する」というバイデン大統領の主張には満足しておらず、大統領選も近いということもあり民主党内からは学生たちにより寄り添った発言をすべきとの声も。(5/1-2)

 

【コロンビア大統領、イスラエルとの断交を明言】(Y,P,H)
コロンビアのペトロ大統領は1日メーデーのイベントで演説し、「ジェノサイドを行う大統領(原文まま)が居るイスラエルとの、外交関係を明日より断絶する」と宣言した。ペトロ大統領は過去にもイスラエル国防軍をナチスドイツだと語るなど反イスラエルの急先鋒で、宣言後に他国に対しても同様の措置を呼び掛けた。イスラエルとの断交は、開戦以降ボリビアに続いて2か国目。
しかし大統領の発言とは対照的に同国外務省は「イスラエルでの領事サービスは継続」と明言しており、引き続きイスラエル人はコロンビアへの入国が可能なようで、実際はパフォーマンス的な要素が強いとの報道も。(5/2)

文化

【ホロコースト・10月7日の生存者が、今年の『命の行進』に参加決定】(Y,P)
毎年ホロコースト追悼日にアウシュビッツ内で行われる『March of the Living/命の行進』が、10月7日の虐殺と高まる反ユダヤ主義的な風潮を受け、今年は10月7日の虐殺を経験したホロコースト生存者を招待すると発表。今年で36回目になる同行進だが、今年はハンガリーでのホロコーストから80年ということで、ブダペストでも追悼イベントが開催される。
そしてアウシュビッツでの行進は55人の生存者が先頭に立つが、そのうちの7人は10月7日を南部で経験・生存した人が務めることに。そのうちの1人で、孫のヨタムさんをガザで失ったベラ・ハイームさんは、「私は背筋を伸ばして歩き続けます。ヨタムもこの行進に参加したことがあり、私は参加を決めました。彼の足跡もたどることになるからです」とコメントしている。(4/29)

 

【ユーロビジョン、シンベトが警備を厳重化】(Y,P,H)
スウェーデンのマルメで今月開催されるユーロビジョン・ソングコンテストについて、イスラエルはシンベトによる指示を受け代表団への警備をより厳重なものにすると発表した。具体的には、歌手のエデン・ゴランはもちろん代表団スタッフはSPなしの出歩きは禁止され、滞在先は非公開、SNS使用の大幅な制限、そして移動には警護車とヘリによる空の警護などが行われる。
スウェーデンでは反イスラエルの機運が高まっており、コンテスト中にイスラエルとその代表に対する大規模なデモ開催も決まっており、それを受けてのシンベトの決定。また外務省はマルメの渡航危険レベルを引き上げ、不要不急の渡航は延期するよう推奨している。(5/2)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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