【WCK誤射事件、国防軍が過ちを認めたレポート発表】(Y,P,H)
国防軍は5日、支援団体WCKの車両に対して発生した誤射事件のレポートを発表した。最大の原因は攻撃を行った旅団指令室とその上の師団間でのずさんな連携で、旅団側には車両団に含まれる全ての車両に関する情報ことが知らされなかったこと。その結果途中から小型トラックが合流した際、旅団はテロリストであるとの疑念を持ち、その後のトラックからの空への発砲により疑いが強まった。
倉庫での荷下ろしを終えた後、車両団が二手に分かれたことを受け旅団指令室はこの車両にテロリストが乗っていると断定、攻撃を実施した。軍内の連携不足に加えドローンの暗視カメラ未搭載、兵士に身の危険が無かったにもかかわらずの許可申請なしの攻撃だったことなど、致命的な過ちが複数重なり起こったよう。米は一定の評価を下しているものの、WCKや死亡した職員の各政府は外部による再調査を求めている。(4/5)
【キブツに所属する人質の男性が遺体での帰国】(Y,P,H)
6日国防軍はガザ南部ハンユニスで特別部隊による作戦を行い、ガザから約3kmにあるキブツ、ニル・オズで拉致されていたエルアッド・カツィールさん(47)の遺体を発見した。イスラム聖戦はカツィールさんのビデオを12・1月に公開していたが、国防軍によると1月半ばに同組織のテロリストにより殺害されたとのことで、遺体は地中に埋められた形で発見された。
カツィールさんの父親は10月7日にニル・オズで犠牲になり、母親もガザに拉致されていたが11月下旬に解放され、その後息子の帰宅を待っていた。被害者の会は首相・政府に人質解放交渉の即時締結を求めた。(4/6)
【開戦から半年、国防軍がガザより大規模な撤退】(Y,P,H)
10月7日のテロ攻撃による開戦から半年を迎えた7日未明に、国防軍は1旅団を除くガザ内で活動する戦力を全て撤退させたことが分かった。南部のハンユニスで作戦に従事していた部隊もガザを出たため、当地での軍事作戦も事実上終了したことになる。ここ数か月間で最大20師団以上・4万人の兵士が投入されていたが、これによりガザ内に残っている兵力はナハル旅団の数百人程度で、軍事作戦ではなくガザを南北に分断する回廊のパトロールを担当している。
しかしガザのどの場所に対しても1時間以内に行ける距離には部隊が配置されており、シファ病院で行ったような奇襲作戦が主になると予想されている。撤退後の13時ごろにはハンユニスから、5発のロケット弾が発射された。(4/7)
【交渉団がカイロ入り、アラブ・メディアでは楽観的報道も】(Y,P)
バイデン大統領の要請を受け、より大きな決定権限を委任されたイスラエル交渉団が、8日にカイロに到着し交渉に臨んだ。情報筋からは、ハマスが重大な譲歩を行う用意がありアメリカも「手袋を外し」て本気になっていることから、交渉が水面下で進んでおり数日中にも合意に至るのではとの声も。ハマスは「完全な終戦とガザからの全面撤退」という基本姿勢を強調する一方、アメリカ政府の高官は「ハマスの返答待ちだが、一刻も早く6週間の休戦期間にこぎつけたい」と明言し、アラブ・メディアも数日中に合意が得られるのではと報道している。(4/8)
【米による人質解放・休戦案が明らかに】(Y,P,H)
アメリカがカイロ会談でイスラエルとハマス、そして仲介役のエジプト・カタールに対して提示した、休戦案の一部が9日報じられた。それによると休戦期間は6週間で、ハマスが40人の人質を解放する代わりに、イスラエルは100人の殺人犯を含む900人のテロリストを釈放。そして南部に避難したガザ市民15万人の北部への帰還を認め、現在兵力を残している回廊からも国防軍は段階的に撤退することになる。
殺人犯に関して一部のリストに対し釈放拒否権を求めているものの、イスラエルは大筋で合意。しかしハマス側は「生存している人質は40人以下」と主張するなど、未返答ではあるが拒否の姿勢を見せている。イスラエルが譲歩し始めていることや、国際的圧力が強まっていることから、さらなる条件を引き出す狙いがハマスにあると現地報道。(4/9)
【海のアイアンドーム「Cドーム」が実戦で初迎撃】(Y,P,H)
8日深夜に南部エイラット上空での無人機侵入を察知した海軍は、配備されていた最新の海上迎撃システム「Cドーム」を実戦で初めて使用、迎撃に成功した。
2020年に就役を開始した最新のミサイル艇に搭載されているこのCドームは、アイアンドームをベースとしておりロケット弾などの短距離ミサイルや、無人機に対する海上からの迎撃システムで、海軍に関する施設や海上の石油プラットホームなどの防衛を目的としている。去年5月には国防軍や防衛相、ラファエル社などによる実験に成功していた。(4/8-9)
【イスラエルの攻撃により、ハニヤの息子3人が死亡】(Y,P,H)
国防軍は10日ガザ市西部にあった車両に対して空爆を行い、乗車していたハマス政治部指導者ハニヤの3人の息子と3人の孫が死亡した。アルジャジーラは生放送でハニヤが息子・孫たちが死亡した知らせを受ける様子を中継、ハニヤは「私の家族からも60人の殉教者がおり、パレスチナの民たちと同じ血の代価を払っている。これは私たちをさらに強める」と語っている。
国防軍は標的がハニヤの親族だった事を認め、3人の息子はハマス軍事部のメンバーでありテロ行動を行っているところだったとしている。ハニヤの近親の死が交渉を決裂させるとの声もあるが、イスラエル側はあくまで決定権はガザのリーダー・シンワルだと強調している。(4/10)
【ガザ倉庫にはトラック約600台分の支援物資が】(Y,P)
防衛省管轄で西岸・ガザ地区との調整を行うCOGATが11日に、ケレム・シャローム検問所のガザ側の映像を公開した。それを見るとイスラエルから搬入されたトラック約600台分の支援物資が、ガザ側の倉庫に蓄積されており国連機関側が十分な配送・配給を行っていないことが分かる。
今回の映像公開の背景には、国連や国際社会からのイスラエルに対する「物資搬入を制限している」という批判があり、COGATは国連に対して「私たちは努力をしている。今度はあなたたちが課された任務をする番。支援のパイプを締めているのは、イスラエルではない」と呼び掛けた。(4/11) |