ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週水曜と土曜です。)
◯ 治安

【半裸でガザへ連れ去られたルークさんら3人、無言での帰国】(Y,P,H)
10月7日にノバ音楽祭で殺害後ガザへと連れ去られたシャニ・ルークさん、イツハク・ゲレルネテルさん、アミート・ブスキラさんの3人の遺体が17日未明、国防軍とシンベトによる特別作戦により発見された。ルークさん(22)は半裸の姿での遺体を載せたトラックがガザ市街地を回り、市民たちが喜び祝う動画が日本を含む海外メディアでも放映されていた。
遺体が隠されていた場所については、逮捕されたテロリストたちの供述によって判明したようで、諜報機関はかなり前から正確な遺体の場所を掴んでいた。そして前日夜に戦争内閣が遺体救出を承認し、作戦が実行された。国防軍報道官の正式発表後にネタニヤフ首相は、「遺族たちと共に私も妻のサラも、喪に服している。私たちは全ての拉致被害者を、遺体や傷ついた姿であっても必ず救出する」とコメント。
ドーハにいるハマス幹部はこれを受け、「7か月も経った後の遺体での救出は、成果ではなく失敗の証左。イスラエルは今後も、このような形で遺体としてでしか救出できないだろう」と発表している。翌18日にはもう1人の拉致被害者ロン・ベニヤミンさんの遺体も、特別作戦により発見されイスラエルへと戻っている。(5/17-18)

 

【ジェニンへの空爆で、1年前の銃撃テロ首謀者を殺害】(Y,P,H)
17日夜に国防軍は、戦争開始から3度目となる攻撃ヘリコプターによる空爆をジェニンに対し実施、テロリストたちが潜伏していた指令室を攻撃した。この攻撃により、去年5月に入植地ヘルメシュで銃撃テロを起こし30代男性の入植者を殺害した、イスラム聖戦ジェニン旅団司令官イスラム・ハマイサが死亡した。
国防軍とシンベトの声明によると、標的となった聖戦の指令室内には複数のテロを起こそうとしていた、テロリストたちも居たとのこと。国防軍は2002年以降西岸地区での空爆を避けてきたが、テロ急増により去年6月よりテロリストを標的とした限定的空爆を再開している。(5/18)

 

【拉致された女性の見張り兵たちのビデオ、公開される】(Y,P,H)
22日に人質の被害者家族の会は、ガザ境界線上にあったナハル・オズ基地で10月7日に拉致された5人の女性哨兵が映っている映像を公開した。
テロリストたちのボディーカメラから投降・拉致・連行の様子を捉えた約3分のビデオで、もちろんその残虐性などから編集されたものだが、顔中が血まみれになったまま結束バンドで手を縛られ「犬たち、蹂躙してやる」や「きれいな顔をしている」といった言葉を浴びせられ、複数は足を負傷している様子などが分かる。
被害者家族は閣僚たちに対し未編集の映像を視聴するよう要請したが、3人を除くほとんどは視聴を拒否していた。そこで家族の会は、数日振りに人質解放を議論する閣議が行われる同日に広く公開することを決定した。(5/22)

 

【戦争内閣が交渉再開を命じるも、悲観的ムードは変わらず】(Y,P,H)
女性哨兵たちが拉致された様子の映像が公開された数時間後に戦争内閣が、人質解放のためのハマスとの交渉を再開するよう交渉団に命じたと、23日に各紙が報道した。
交渉が一時決裂し2週間が経った後の再開になるがイスラエルは恒久的休戦に反対していること、そしてエジプトが米・カタール・イスラエルに通知せず、独断で『修正案』を作成・ハマスに提出したことなどから、イスラエルは悲観的な姿勢。国内関係者からは「2か月前により良い案が提示されたが、私たちはそれを逸してしまった。イスラエルにとって状況は悪くなる一方」との声が上がっている。(5/23)

 

【テロリスト:レイプした後、父がイスラエル人女性を殺害した】(Y,P)
10月7日の虐殺に参加していた、47歳の父と18歳の息子のテロリストに対する事情聴衆の様子が23日に報道され、レイプ後の殺害についての供述が映像で公開された。
2人はキブツ・ニル・オズで30代女性の家を襲撃した時の様子について語っており、息子はビデオの中で「父がまずレイプし、その後に俺、いとこのアフマッド、ハサンの順番だった。そして全員がレイプし終えると父がその女性を殺し、その家を離れた」と話している。また息子は「英語で『服を脱げ』と言って、別の女性も皆でレイプした。殺したのも2人、レイプしたのも2人」とも。
前日にはAP通信も10月7日の虐殺についての特集記事を書いており、そこでは射殺された少女が膝下までズボンを降ろされた姿で発見されたものの、「性犯罪としては証拠不十分」との結論が下されたとの証言などが紹介されている。(5/23)

内政

【ガンツ党首、ネタニヤフ首相に「戦略的計画or連立脱退」】(Y,P,H)
国家団結党で戦争内閣メンバーのベニー・ガンツ党首は18日に記者会見を行い、6月8日までにガザ戦争の『戦略的プラン』がネタニヤフ首相から提示されない場合、連立から脱退する意向だと発表した。
「国の安全保障という『至聖所』に個人的かつ政治的考慮が浸食している」とネタニヤフ氏を批判、A人質救出 Bハマス殲滅・ガザの武装解除 Cハマスに代わるガザ統治体制への明言 Dイスラエル北部市民の9月までの避難解除 Eサウジとの国交正常化 F(超正統派を含む)イスラエル全体の兵役・社会奉仕システム構築を盛り込んだ、包括的戦略計画の提出を求めた。
ガンツ氏からの『最後通牒』に対してネタニヤフ首相は、「我らの兵士たちが戦っている時に、ハマスに対してではなく首相に対して最後通牒を突きつけている。彼の主張=戦争終結とイスラエルの敗北」と反論。(5/18)

 

【戦争内閣メンバー2人が人質に関する閣議要求も…ネタニヤフ首相が拒否】(Y,P)
ネタニヤフ首相と共に戦争内閣を構成するガラント防衛相とガンツ党首が、21日に人質解放に関する閣議開催をネタニヤフ氏に要求するも、却下されていたことが分かった。
休戦を含む人質解放交渉は、イスラエルのラファ作戦開始やハマスが倍の休戦期間(6→12週間)を要求したことなどにより、暗礁に乗り上げていた。最後に人質解放に関する議題が上がった18日の閣議では、ネタニヤフ氏が交渉団を「交渉の仕方を分かっていない」と激しく批判、それに対し「首相は人質解放を望んでいない」との声が周囲から上がるなど、険悪なものとなっていた。米ワシントン・ポスト紙によると、来週にも交渉が再開するのではとの見通し。(5/21)

国際情勢

【イスラエル、イラン大統領ヘリ墜落事故へは無関与】(Y,P)
イランのライシ大統領・アブドラヒアン外相が搭乗していたヘリコプターが19日に墜落し、両氏とも死亡したニュースについて、イスラエルは正式な声明を出してはいないが、高官・関係者らはイスラエルによる一切の関与を否定している。
またこの死亡によってイスラエルが受ける影響については、「誰がライシ氏に代わって大統領になるかにもよるが、イランの対イスラエル政策に関して決定権を持っているのは、最高指導者ハメネイ師」であるため、ほぼ変化はないとの見通しを示している。22日にはテヘラン大学で葬儀が行われ、その中では「イスラエルに死を」とのチャントも聞かれた。(5/19,22)

 

【ネタニヤフ首相・ガラント防衛相に対し、逮捕状請求】(Y,P,H)
国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は20日、ネタニヤフ首相とガラント防衛相に対してハマスのシンワル・ハニヤ氏らと共に、逮捕状を請求すると発表した。2人に対する罪状は飢餓状態の故意的な使用・健康に対する重大な傷害・殺人罪など7つ。
もし発行されれば、西側諸国の民主主義国家のリーダーに対する初めての逮捕状となり、ネタニヤフ氏はプーチン大統領やリビアの元指導者カダフィ大佐、スーダン・ケニアをはじめアフリカの複数の元首たちといった、独裁国家のリーダーたちと並ぶことに。
イスラエルの関係者によると逮捕状請求は青天の霹靂で、ICCによる承認を受け2人への逮捕状が出る可能性が高いもよう。逮捕状が出た際、西側諸国をはじめICC規定に締結している国々は協力する義務があるため、多くの国への入国拒否やICCが重ねて休戦命令を出す可能性などが考えられる。
ネタニヤフ氏は「首相・防衛相という個人でなく、イスラエル全体に向けられたもの。私たちはこの嘘・不条理と戦う」とコメント。国会では労働党・アラブ政党以外の大多数となる106人が、ICCの決定に反対する宣言文に署名している一方、軍内では「逮捕状請求が政治家だけでなく軍関係者にも広がり、参謀総長や司令官たちにも逮捕状が請求されるのでは」と危惧する声も。(5/20)

 

【米:サウジとの国交正常化のためにもガザ戦後計画が必須】(Y,P)
ジャック・ルー駐イ米国大使が21日、「ガザには一定期間の平穏が必要で、その後パレスチナによる統治という議題に関する話し合いが必要になる」とイスラエル内で行われた会議やメディアへの取材で発言し、イスラエルが戦後のガザに関するビジョンを打ち出すことが必要だと発言した。
また同日にブリンケン国務長官は「サウジ・イスラエルの国交正常化のためにはAガザ戦争の終結 Bパレスチナ国家のための説得力ある道筋、の2つが必須。しかしイスラエルはこれらを受け入れられない、または受け入れたくないようだ」と、米議会で発言している。(5/21)

 

【スペインをはじめ欧州3か国、パレスチナ国家を承認】(Y,P,H)
スペイン・アイルランド・ノルウェーの3か国が22日、パレスチナ国家を28日付で承認すると発表した。ノルウェーのストーレ首相は決定に関して、「この残虐かつ長期化している紛争により、弱体化している穏健派を力づけるためのパレスチナ承認。他の国々に対しても続くよう呼び掛けたい」とコメントし、アッバス議長はこれら3か国に対して祝福の言葉を送っている。
イスラエルのカッツ外相は「これはパレスチナ人たちへの『テロをした方が得だ』というメッセージであり、ハマスや(バックにいる)イランへ褒美をあげること」と激しく反発。3か国の駐イ大使たちを呼び出し抗議、また駐在するイスラエル大使たちを召喚するよう命令した。翌23日には3か国の大使たちが外務省を訪れ、22日に公開された女性哨兵たちのビデオなどを視聴し、イスラエル側からの説明を受けた。(5/22,23)

文化

【ローマ法王の平和集会にイスラエル・パレスチナの遺族が参加】(Y,H)
19日にイタリアのヴェローナでローマ教皇フランシスコによる平和のための集会が行われ、イスラエル・パレスチナ双方の犠牲者の家族が参加した。イスラエルからは両親が10月7日の虐殺で殺害された平和活動家のマオズ・イノンさんが、パレスチナ側からは34年前に兄弟をイスラエルによる空爆で失った、アジズ・アブ=サラさんが参加。
フランシスコ教皇とともに2人は平和のための祈りを捧げ、イノンさんは「私たちの多くは起業家だが、平和こそが挑戦すべき最大の事業。人を殺さない経済での平和が、真の平和のためには不可欠」と、旅行業に従事している自身の体験も交えて聴衆に語り掛けた。(5/19)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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