【ヒズボラのドローン、ナザレ地方に飛来】(Y,P,H)
7日の午後、国境部から40km離れたナザレ周辺部やイズレエル平原でサイレンが鳴り、ヒズボラが発射したドローン攻撃機が複数飛来。そのうちの1発は、ナザレ南の同平原内に着弾した。この地域でサイレンが鳴るのは昨年12月以来で、国防軍はアイアンドームによる迎撃が失敗したための着弾との事実を認めた。
これまでヒズボラによる短距離ミサイル・ドローンは、ゴラン高原やガリラヤ湖よりも北だったが南ガリラヤ地方での着弾は住民に衝撃と不安を与えている。ナザレ近郊の市長は「町のシェルターを整備し臨時シェルターも設置したが、驚きだ」とコメント。(6/7)
【ノア・アルガマニさんら4人が救助され、8か月ぶりにイスラエルへ】(Y,P,H)
8日の11時ごろ、国防軍・シンベト・警察隊テロ部隊の合同部隊がガザ地区中部のヌセイラットの市場で特別作戦を行い、ノア・アルガマニさんやアルモグ・メール=ジャンさんら計4人を救出した。4人は約200m離れた別の建物で、ハマスに加担していた市民の自宅で監禁されていた。
周辺には見張りを含む100人以上のハマスのテロリストたちが居り、救出の際には銃撃戦に発展。また救出後も、人質を乗せたトラックがテロリストたちによるロケットランチャー・機関銃による集中砲火に遭い、別の部隊が救出のため援軍として駆け付けて銃撃戦を切り抜け、ガザ海岸で人質たちをヘリコプターに乗せ、テル・アビブの病院へと搬送した。
イスラエル側の犠牲者は、救出時の銃撃戦で先頭を切り突入した警察の対テロ部隊の警部1人。拉致被害者の4人は直後に家族と8か月ぶりの再会を果たしたが、海外でも拉致映像が報道されたノア・アルガマニさんと家族の再会については特に盛んな報道が。
国民への感謝を伝えつつも、「まだ120人の人質が拉致されていることを忘れてはいけない」といった父親のコメントや、末期ガンを患い意識が混濁している中国系の母親との『無言の再会』などがニュースになっていた。
またイスラエルは中国をルーツに持つアルガマニさんの救出について同国政府に協力を何度か求めていたが、『半中国人』でしかないとの理由から拒否されたことが明らかになっている。中国メディアでは、アルガマニさんが中国系であることは一切報じられていないよう。(6/8-9)
【アルジャジーラの記者が、ノア・アルガマニさんを監禁】(Y,P)
ガザの人道団体による報告を受け国防軍は9日、救出時にノア・アルガマニさんを監禁していたのは、アルジャジーラのために働いた過去を持つジャーナリスト、アブドラ・アル=ジャマルの家族であると公表した。また内科医で父のアフメッドも同居しており、彼らは救出作戦中に死亡したことが分かっている。ハマスは多くの人質を、メンバーである民間人の自宅に監禁している事が分かっている。
アルジャジーラのエルサレム支局長は「過去・現在において働いたことはなく、誰かも知らない」と、一切の関係を否定するコメント。その後同局はXを通じ、「2019年に論説を寄稿しただけ」と公式声明を。(6/9)
【イスラエルが、開戦以降最も重要なヒズボラ司令官を攻撃】(Y,P,H)
イスラエル空軍は11日深夜レバノン南東部の司令部に対して空爆を行い、レバノン南部を指揮するヒズボラ司令官タレブ・アブダラを殺害した。ヒズボラ寄りのメディアも「開戦後では最も重大な殺害」と認め、報道している。
アブダラはイスラエル北部、特にここ数日間多くの被害が出ているゴラン・北ガリラヤを標的としたミサイル攻撃を指揮し、イラン革命防衛隊をはじめイラン指導部とも近い存在だった。12日にベイルートで行われた葬儀でヒズボラの指導者は、「タレブの殺害に対する私たちの報復は、より強力そして断固たる攻撃だ。見ているが良い」と、警告のメッセージをイスラエルに送っている。(6/12)
【司令官殺害を受け、ヒズボラが10月以来最大の攻撃】(Y,P,H)
昨夜のタレブ・アブダラの殺害を受けヒズボラは12日、午前を中心に200発以上のロケット弾をイスラエル北部に向けて発射した。中にはガリラヤ湖畔南部のティベリアにも昨年10月以来に飛来し、サイレンが。アイアンドームによる迎撃もあり市街地への着弾はなかったが、ロケット弾や、迎撃時の破片などによってガリラヤ地方の森では複数の場所で大規模な山火事に発展し、軍や消防隊が夕方まで1日中消火活動に当たった。
司令官殺害への報復攻撃ということで、10月7日以来ヒズボラによる攻撃の中では最大。ガザでのラファ作戦は現在終盤に差し掛かり、近くイスラエル政府は主戦場をガザから北部へ移し、ヒズボラとの大規模な戦闘を始めるかどうかの決断を下すもよう。(6/12) |