ー ISRAEL NOW!ー
 
「エルサレムの平和のために祈れ」 詩 122
(本誌の発行は、原則として毎週土曜です。)
◯ 治安

【イランによる攻撃に備え、米が中東に戦力を投入】(Y,P)
テヘランでのハニヤ殺害を受け、イラン指導者ハメネイはイスラエルへの直接攻撃を命じたとされているなか、イランやヒズボラなど支持勢力によるイスラエル攻撃に備え、アメリカは飛行大隊や弾道ミサイルを迎撃できる駆逐艦・巡洋艦を中東に配備することを決定した。正確な規模については、明らかになっていない。これを受けて現地メディアは、アラブ諸国がどのような出方をするかについて論じている。
4月のイスラエル攻撃時には欧米に加えヨルダン・サウジ・UAEが軍事協力したが、各国ともにイランをはじめアラブ世界から批判を浴びる結果に。ヨルダンは「ヨルダンを戦場とするのを許すことはできない」と、イランの無人攻撃機迎撃を説明したが、各国が次の攻撃時にアメリカとの同盟関係とアラブ世界に対する体面でどう折り合いをつけるか、注目されている。(8/3)

 

【国防軍、西岸地区トゥルカレムでテロリスト9人を排除】(Y,P,H)
イスラエル中央部に近い西岸地区のパレスチナ人の町トゥルカレムで3日、作戦を行っていた国防軍の対テロ専門部隊に対し、テロリストによる発砲があり銃撃戦に発展。その後報告を受けた空軍が空爆を行い、4人が死亡した。
同じ日の朝にはテロリスト5人を載せた乗用車に対して空爆を行っており、そのうちの2人は6月に西岸地区カルキリヤでイスラエル人の60代男性を殺害した容疑者とされている。その他、この9人のテロリストの中には、トゥルカレムのハマス軍部の幹部や、近郊の難民キャンプにあるイスラム聖戦のリーダーたちなどが。軍・シンベトによると、彼らはイスラエルに対する大規模なテロを計画していたよう。(8/4)

 

【中央部の町で刺殺テロ、4人が死傷。】(Y,P,H)
西岸地区から違法侵入した30代のパレスチナ人男性が4日、テルアビブの南にある町ホロンで刺殺テロを行い、2人を殺害し2人を負傷させた。テロが発生したのは街の公園で、死亡したのは80代男性と60代の女性。女性は夫婦での散歩中で、一緒に居たご主人もナイフで刺され重傷を負っている。テロリストは通り掛かった警官から刃物を捨てるよう警告を受けたが、そのまま警官に向かって突進したため射殺された。
イスラエル側の情報ではテロリストの犯罪歴は確認されなかったが、自治政府側では数か月のうちに3度パレスチナ内での殺人事件への関与、アッバス議長に対する扇動行為やイスラエルに対するテロ予告などの容疑で逮捕されており、5日ほど前に釈放されていたことが分かっている。(8/4)

 

【ガザ・エジプト境界で、最大規模の密輸トンネルが発見される】(Y,P)
ガザ・エジプト境界、通称「フィラデルフィ回廊」の地下にある数十の地下トンネルの中でも最大規模のトンネルが、4日国防軍により公開された。このトンネルは同回廊に駐屯し、地下トンネルの捜索を行っていた部隊により発見されたもの。高さは3mほどで軍用4WDが通れるため、ハマスが大型の武器などをシナイ半島から密輸するために使用していたと予想されている。
イスラエルは同回廊地下の密輸トンネルについて存在は知っていたものの、エジプトに対する批判は控えてきたが、この発見を受け重要な防衛関係者がエジプトとシシ大統領を名指しで批判し、「ハマスによる密輸トンネル建設を可能にさせたのはエジプト。これはイスラエルの安全保障を傷付けるもので、平和条約にも反している」と、異例の声が上がっている。(8/4)

 

【ヒズボラによる大規模な海岸部北部への攻撃で、19人が負傷】(Y,P,H)
6日ヒズボラ最高指導者のナスララが演説を行い、その直後にかけてレバノンからの大規模なロケット弾・無人攻撃機・対戦車ミサイルによる攻撃が、イスラエル北部海岸部のナハリヤからアッコにかけて行われた。無人攻撃機に関しては防空システムが感知せず、サイレンが鳴って直後の着弾や着弾してからのサイレン作動などもあったもよう。
正確なミサイルの数は分からないが、重傷者1人を含む19人が負傷した。その後の調査で重傷者を含む複数の負傷例はヒズボラによる攻撃によるものではなく、迎撃ミサイルの破片によるものだったことが分かっている。ナスララは演説内で軍総司令官殺害への報復攻撃が遅れていることについて言及し、イスラエルが攻撃に対して待っている時間も精神的な罰の一部としている。 2日後の8日には重傷を負っていた27歳の男性の、死亡が確認された。(8/6)

内政

【超正統派数百人が基地前でデモ、一部は敷地内に侵入】(Y,P,H)
テルアビブの北にあるテルショメル基地前で6日、超正統派の過激派数百人が超正統派の徴兵に対する抗議運動を行い、その内の数十人が基地内に侵入するなど暴徒化した。同基地には新兵に対する登録事務所があり、この日は500人の召集状を受け取った超正統派の若者が来ることになっており、登録所に行くのを阻止するために抗議運動が行われ、「兵役に就くなら、私たちは死ぬ」や「これが私たちの戦争」といったシュプレヒコールが。
イスラエル警察の騎馬特別隊が急行してデモ隊を取り締まり、約20人の超正統派が逮捕された。結果としてこの日入隊するためにやって来た超正統派の若者は500人のうち30人程度だったと現地の報道。(8/6)

 

【ネタニヤフ首相、Time誌の長編インタビューに答える】(Y,P,H)
米TIME誌は8日、66分にもわたるネタニヤフ首相への独占インタビューをまとめた、「戦争中のビビ(ネタニヤフの愛称)」との特集記事を掲載。彼がTIME誌の表紙を飾るのは、これで5回目。
10月7日について謝罪をするのかという質問に対し、「もちろんだ。このようなことが起こってしまって、心から残念に/申し訳なく(Sorry)思っている」と答えている。現地メディアの間ではこれを「謝る」と訳している所もあれば、「残念に思う」という意味を含む言葉で記事にしているところも。
しかし、「ハマスは抑制されていたと考えていた人間は、全員間違えていた。防衛機関の中にあったこの前提に対して、私は十分に異議を唱え・疑問を呈さなかった」との発言から、本当に責任を取るような発言ではなかった、と現地では受け止められている。また考えられる10月7日への影響として、「国内の政治的議論(自身が起訴されたことを受けて現政権が進めていた司法改革)を理由とした、国防軍での予備役拒否」をあげ、自身に批判的だった国民たちが遠因だったといった発言も。
ネタニヤフ氏は10月7日以降海外のメディアに対しては単独インタビューを数度行っているが、国内メディアに対しては自身の支持基盤が視聴者層のチャンネル14を除いて応えていない。(8/8)

国際情勢

【バイデン大統領:ハニヤ殺害は休戦案への助けにはならず】(Y,P,H)
米バイデン大統領は2日、ヒズボラ軍総司令官・ハマス最高指導者ハニヤの殺害を受けコメントし、「(ハニヤ殺害は休戦案の)助けにはならない。しかし私たちには休戦に対するベースがあり、すぐにでもそのために進む必要がある」と発言した。
同じく仲介国を務めるカタール・エジプトは殺害に対して厳しい批判をしており、それを受けてのバイデン氏の発言。仲介国の間ではガザのデイフやシンワルと比べるとハニヤは「穏健派」であり、休戦案の締結に向けて前向きな姿勢を見せているとの共通認識があった。しかしイスラエル側は「ハマスが休戦交渉中に条件をつり上げてきた裏に、ハニヤ氏がいる」としており、殺害により長期的には交渉が進みやすくなったとの声も。
またこれによりハマスの海外のリーダーたちにも、(自身も標的になるとの恐れから)圧力が掛けやすくなったとの予想もされている。イ・米関係者によると2つの大きな暗殺劇があったものの、「交渉が凍結された訳ではない」とのこと。(8/2)

 

【トルコ大使館がハニヤ殺害を受け、半旗を掲げる】(Y,P,H)
テルアビブにあるトルコ大使館では2日、ハマス指導者ハニヤの死亡を受けて掲げられているトルコ国旗を半旗にして掲げられているのが目撃された。この日はエルドアン大統領がハニヤの死亡に対する追悼日との取り決めたため、(各国の同国大使館と同様)それに従った形ではあるがイスラエル側は激怒。
カッツ外務相はトルコ副大使を外務省に呼び出し、「10月7日の残虐行為を行ったハマスを率いるイスマイル・ハニヤのような、殺人者のために喪を服す行為は容認できない」と激しく抗議した。これに対してトルコ外務相は「交渉者の殺害や外交官への脅迫を通じて平和が得られることはない」と、反論の声明を出している。(8/3)

 

【イラン、イスラエルとの全面戦争は行わない意向】(Y,P)
イラン外務省の報道官は5日、「イランは地域の安定化を望んでいるが、それは侵略者を罰しシオニズム政権の冒険主義に対する抑止を行ってからになるだろう」と発言した。イスラエルによるものとされている、先週のテヘランでのハニヤ殺害に対してイランがどのような出方をするのか世界が注目しているが、イスラエルとの全面戦争または地域戦争になるような報復攻撃は行わない意向を示した形。
イスラム革命防衛隊の総司令官はイスラエルが適切な時に罰(攻撃)を受けることになるとしており、4日にはG7でブリンケン米国務長官がイスラエルに対するイランの攻撃が「48時間以内に行われる」と、各国に注意喚起をしていた。(8/5)

 

【国連、UNRWA職員9人の虐殺関与の可能性を認める】(Y,P)
国連は5日、10月7日の虐殺に関与した疑いのあるUNRWA職員のうち9名について、「攻撃に関与していた可能性があると結論付けるに足る、十分な証拠があった」と発表し、彼らの虐殺関与を正式に認めるコメントを行った。国連の内部監査部は疑いのあった計19人の職員について調査を行っており、上記の9人以外では1人は全く証拠がなく、残りの9人については証拠不十分だったとしている。
UNRWAの報道官は「攻撃へのいかなる参加も、私たちが行うべき任務への裏切り行為」と発言、9人については近く解雇されるとのこと。イスラエル外務省はこれを受け「(人数が)少な過ぎかつ遅すぎるが、真実に光が当たり始めた」と声明を出し、エルダン国連大使はUNRWAの閉鎖を再び呼び掛けている。(8/5)

 

【長崎の平和式典、イスラエル不招待でG7各国がボイコット】(Y,P,H)
長崎の鈴木市長が9日の平和祈念式典にイスラエルを招待しない決定を下したことを受け、米英仏独伊やカナダそしてEUというG7の全大使が長崎での式典出席を見合わせると発表した。エマニュエル米大使は市長に直接欠席の意を伝え、ロングボトム英大使は「ウクライナを侵攻するロシアと違い、イスラエルは自衛権を行使してのハマスとの戦争。イスラエルと同様に扱うことは、誤解を招く」と、コメントしている。
米・英の大使はイスラエルのコーヘン大使と、都内(増上寺)で行われる別の追悼式典に参加する予定。コーヘン大使はイスラエル不招待に関し、セキュリティー上の理由という長崎市長の言い分を『ばかげたもの』とし、イラン・シリア・ベネズエラ・パレスチナなどが招待されていることを非難した。(8/7)


[情報源略号表]
 文末の( )内の記号が情報源です。(掲載日が異なる場合もあり。)
 P=エルサレム・ポスト  https://www.jpost.com/(英語)
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/(英語・ヘブライ語)
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/(英語・ヘブライ語)

[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。

 
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シオンとの架け橋、京都府


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