【ナブルスでトルコ系アメリカ人が死亡、国防軍は調査】(Y,P,H)
6日西岸地区ナブルス近郊ベイタで行われていた、入植地拡大反対を求めるパレスチナ人による抗議デモとイスラエル軍が衝突。そこに参加していたトルコ系アメリカ人の女性活動家、アイセヌル・エズギ・エイギさん(26)が頭部に銃弾を受けて死亡した。この場所はイスラエル人入植者とパレスチナ人との衝突が頻発する場所でもあり、特に緊迫したデモが行われることでも知られている。国防軍は「抗議運動が暴力的になり兵士たちへの投石が起こったため、危険を感じた兵士たちは投石を主導した扇動者の下半身に対して発砲を行った。この事件で死亡した外国籍者については、現在調査中である」とコメントしている。エイギさんはパレスチナ主導の国際団体『国際連帯運動』のメンバーであり、この抗議デモにも参加していた。(9/6)
【ハマス、殺害した6人の動画を立て続けに公開】(Y,P,H)
ハマスによって殺害され先月31日にイスラエル軍によって遺体が収容された6人について、ハマスは6人のビデオメッセージを毎日のように公開している。そして5日夜には米国出身のイスラエル人で、両親が人質解放を国際的に呼び掛ける主導的な役割を果たしていた、ヘルシュ・ゴールドバーグ=ポリンさん(23)の動画が公開された。米国籍所持ということからヘルシュさんは英語で話しており、「(拉致時に腕を失っているが)治療を全く受けず、食べ物も水もほとんどない。最後に太陽を見、外の空気を吸ったのがいつかも記憶にない」とガザでの状況を語り、「私の国イスラエルが私たち(人質)に対して空爆しているのは、人生最大の悪夢」と言ったセリフなどが、エフェクト付きで繰り返し再生されている。今までの人質のビデオと同様、休戦交渉を有利に進めるためのハマスによる心理的テロで、原稿を読んだもので本人の声ではない。(9/6)
【ヨルダンとの境界で銃撃テロが発生、イスラエル人3人が死亡】(Y,P,H)
西岸地区とヨルダン境界のアレンビー橋の検問所で8日朝、銃撃テロが発生しイスラエル人3人が死亡した。39歳の元ヨルダン軍兵士が、輸入品を積んだトラックの運転手としてヨルダン側からイスラエル側に入り、トラックに対するセキュリティー検査を行うところで隠し持っていた拳銃を取り出し、検問所の職員に向かって発砲。周囲に居たのが武装していない検問所職員だったため、50~60代の職員3人が至近距離からの発砲を受けて死亡した。その直後に警備員によって射殺されたが、テロリストはイスラエル側でも最初の簡易的なセキュリティーチェックを受けていたことが分かっており、調査が行われている。
ヨルダン国内ではテロを喜びお菓子を配ったりする光景が見られる一方、イスラエルメディアの取材に応えたヨルダンの記者は「王国にとっては安全保障における失態であるだけでなく、このテロが(ヨルダン人口の約2割はパレスチナ人であることもあり)国内の反イスラエル的感情にさらなる火を付け、さらなるテロが起こるのではないかとの恐れが広がっている」と、ヨルダン市民と王国政府間の対照的な様子を伝えている。そんな王国政府の懸念もありテロ発生の数時間後には国防軍とシンベトの高官が、ヨルダン軍・諜報機関の高官たちと秘密裏に会談を行い、安全保障上での協力関係を確認している。
イスラエルは最も長い国境をヨルダンと共有しており、西岸地区に近いこともありこの国境はレバノン・シリアからヨルダンから西岸地区のテロ組織という、武器の密輸の主なルートとして使用されている。(9/8)
【ハマスが人質殺害後に新たな要求も…後に否定】(Y,P,H)
人質解放・休戦交渉の関係者が9日、休戦交渉が暗礁に乗り上げていることについて「ネタニヤフ首相のフィラデルフィ回廊への固執だけではなく、ハマスにも大きな問題がある」とメディアに明かした。複数からの情報によるとハマスは6人の人質殺害後に、休戦第1段階でイスラエルが釈放するパレスチナ人テロリストの数を増やすよう新しい要求を行っており、これは法外な要求であるためイスラエルが拒絶することを見越しての、つり上げとのこと。これはアメリカ関係者の話であり、同政府は同じく仲介国であるエジプト・カタールに、ハマスに対して(新要求を撤回するよう)圧力を掛けるように強く要請したともよう。11日にはカタール首相とエジプト諜報相がハマスの代表者と会談を行い、その後ハマスは新しい要求について否定するコメントを出している。(9/9,11)
【ヒズボラの無人攻撃機が、マンションの14階に着弾】(Y,P,H)
海岸沿い最北の町ナハリヤに対して9日ヒズボラによる攻撃があり、無人攻撃機がマンションの14階に着弾した。サイレンは徐々に増えて来ていたものの、アイアンドームに迎撃されずに市街地に着弾したのは初めて。マンション内の住民はシェルターに避難していたため怪我人は出なかったが、すぐ近くには学校や幼稚園があり、全ての児童に対して十分なシェルターがあるわけでないため、一時周辺は騒然とした。またより内陸部のガリラヤ北部とゴラン地方では朝8時から断続的に、この日も約70発のロケット弾と数十の無人攻撃機が飛来。複数は市街地に着弾し、兵士2人が無人攻撃機により軽傷を負っている。(9/9)
【人道ゾーンに潜伏するテロリストを空爆、パレスチナは40人死亡と報道】(Y,P,H)
国防軍は10日、ガザ地区南部ハンユニスの人道ゾーンに潜伏するテロリストたちに対して空爆を行った。軍報道官は、ロケット弾に関する攻撃や諜報に関わっていた『重要なテロリストたち』を標的にしたと発表。ガザのパレスチナメディアはこの攻撃によって40人以上が死亡したと報道しているが(民間人・戦闘員の内訳は不明)、国防軍は「ガザ当局が発表した数字はこれまでに何度も偽りだと明らかになっており、この報道についても攻撃に関して私たちが持つ情報とは一致しない」と、死者数について否定している。軍関係者は人道ゾーンに対する攻撃ということで、諜報部からの正確な情報に基づいたもので、民間人の犠牲者を可能なだけ避けて精密な攻撃として実行された、と話している。
その数時間後にハマスは、犠牲者の数を19人に下方修正。(9/10)
【国防軍、6人が殺害された地下トンネルを公開】(Y,P,H)
8月末のハマスのテロリストによって殺害され31日に遺体が収容された6人について、国防軍は10日夜に遺体が見つかったトンネル内部の映像を公開した。ラファ南部の住宅地にある子供部屋の1室が入口になっており、壁にはミッキーや白雪姫が描かれているがその床の下には、直径2mほどの垂直状のトンネルが。梯子を使って20mほど下りるとそこからは、水平方向に高さ1.5mの地下トンネルが伸びており、その120mほどの地点で6人は監禁・処刑された。床には大量の出血の跡が残っており、近くには尿の入った大量のペットボトルがありトイレとして使用されていた。また女性の人質のための服や生理用品、そしてそのすぐ横にはモバイルバッテリーやAK47自動小銃の弾倉、コーランなどといったテロリストたちが使用していたものも。映像を公開した際に軍報道官は「世界中がこのハマスの悪を目にするべき。また他の生存している人質も、このような状況下にある」とコメント。(9/10)
【ラファでヘリコプター事故、2人が死亡】(Y,P,H)
ラファのフィラデルフィ回廊近くで10日深夜、負傷した兵士を救出するために到着したヘリコプターが、着陸時にバランスを崩し上空数mから落下する事故が発生し、2人が死亡し6人が重軽傷を負った。ハマスによる狙撃を受け負傷した兵士を救出するために急行したが、砂と埃のためヘリコプターの操縦士が安全な着陸が出来ないと判断、一度上昇した後に再び着陸態勢に。しかし地上から数mになった時にヘリコプターの一部が近くの土塁に当たり、バランスを崩して落下した。乗員した8人全員が負傷し、死亡した2人もヘリコプターの中に居た兵士たち。空軍は現在委員会を開いて調査しているが、ヘリコプターには欠陥がなく人為的ミスによる事故であることが分かっている。
開戦以降、1800人の負傷兵がガザからイスラエルの病院へヘリコプターで搬送されており、数百の離着陸を繰り返しているが、死傷者が出るような事故初めて。(9/11)
【国防軍がシリア西部で、地上作戦を実行か】(Y,P,H)
8日深夜にシリア西部ハマー県であったイラン革命防衛隊の拠点に対する攻撃について、アラブメディアは12日イスラエル軍による攻撃であり、空爆と並行してイスラエル軍の特殊部隊による地上作戦も行われていたと報道した。それによると空爆は1時間ほど続いたがそれに紛れてヘリコプターから、ロープを使って特殊部隊が降下。地下にある革命防衛隊のミサイル・無人攻撃機の製造・開発施設内に侵入し、証拠品と機密情報を奪った後にヘリコプターに戻り、作戦終了後に空軍が施設を空爆したとのこと。攻撃があったハマー県内の町ではシリア軍によるミサイルなどの精密兵器の製造・開発施設があるが、この製造施設はイランによるものでヒズボラが使用される無人攻撃機・ミサイルが作られていた、と海外ジャーナリストは伝えている。イランからシリアそしてヒズボラへという『抵抗の枢軸』の兵器ルートに対し、イスラエルは空爆による阻止を試みてきたが、空爆を避けるためにイランは軍事施設を地下に作り始めており、それへの対抗策として特殊部隊による地上作戦が行われた、とイスラエルの記者。シリア政府は報道を否定しているが、反対勢力はイスラエルメディアに対し「イランが活動している場所を攻撃するのであれば、今回のような地上作戦が必要で、(今までの)空爆のみでは十分でない」とコメントしている。(9/12)